妄想小説
超力戦隊 オーレンジャー 樹里の危機
八
桃は計器監視室に近づいている時に、声がしているのに気づいたのだった。確かに隊長の吾郎と樹里の話声だった。
(もう我慢出来ないんだ・・・。)(だったら私の口でさせて。)
微かに聞き取れた二人の言葉が頭の中でぐるぐると何度も渦を巻くように響いていた。
桃は自分の腕に嵌められているパワーブレスに目をやる。
(床に落ちていた私のパワーブレスを隊長が拾って嵌めてくれたの。)
「そんな訳、ないわ。」
桃はもうパワーブレスを嵌めているのがバカらしくなって、更衣室のテーブルに外して置くとそのまま外に出たのだった。
オーレンジャーの秘密基地の前の森の中をどれだけ彷徨ったかもう分からなくなった頃、突然周囲に殺気を感じた。すぐに何人かのパラノイアの兵士が現れた。
「お前たち、何時の間に・・・。変身っ。」
パワースーツへの変身のポーズを取った桃だったが、その腕にパワーブレスが無い事に気づく。
「しまった。パワーブレスを外してきていたんだった。まずいっ・・・。」
とにかく今は逃げるしかないと走り出した桃だったが、すぐになにかに躓いて転んでしまう。鋼鉄のワイヤがいつのまにか見えないところに張られていたのだ。立上ろうとする桃に後ろからパラノイアの兵士、数人が一斉に飛びかかってきた。
「嫌っ、放してっ。」
もがいて逃れようとする桃だったが、兵士が両側から腕を捩じ上げ桃の両手首に鋼鉄の枷が嵌められてしまう。更には片方の足首にまで足枷を嵌められる。枷にはそれぞれ長い鎖が付いているようで、三方から一斉に引っ張られる。鎖は森の木の枝に掛けられているようで、桃は両手を一杯に広げる格好で吊り上げられる。そればかりか片方の足首に嵌められた足枷の鎖がどんどん上のほうへ桃の片足を引っ張り上げるので、両腕を広げさせられたまま、片足立ちになるしかない。
「やめてっ。放しなさいっ。」
片脚を大きく上へあげさせられているので、スカートの裾は捲れ上って下に穿いているアンスコが丸見えになってしまう。
「いやっ。放してっ。」
身動きの取れない桃に兵士たちが手に電磁スタンガンを持って、じわり、じわりと近寄ってくるのをどうすることも出来ないでいるのだった。
地下牢に繋がれた樹里は、桃がパラノイアの兵士たちに捕まってしまったのは、隊長の吾郎と自分のせいだと思っていた。あの時、咄嗟にパワーブレスを落として隊長が拾ってくれたなどと下手な嘘を吐いたのが、桃がパワーブレスを外して出ていってしまった原因なのだろうと悔やんでいた。
しかし同時に樹里は隊長が迫って来た時の下半身の屹立したモノの感触も忘れられないでいた。あの硬くなったものが自分の股間にも押し付けられていたのだと思うだけで、身体の中から何かが溢れてくるような気がするのだった。
(ああ、あの時、桃に見られても構わないから吾郎さんのモノを受け入れていたら・・・。)
そういう思いが樹里の脳裏に去来する度に、その思いを振り払おうとするのだが、樹里の股間が、そしてそこに伸ばした樹里の手が触れた吾郎の股間の感触が、何度も蘇ってきてしまうのだった。
(吾郎さんを去勢するだなんて・・・。何としても阻止しなければならない。例え自分がどんな嫌な辛い思いをさせられたとしても。あの時は何とか守り切ったけれども、デクスターはまた何か仕掛けてくるに違いない。自分が奴隷になることで、吾郎さんのペニスを切り取られずに守り切れるだろうか・・・)
樹里は悶々としながら、一人ただ隊長の無事を願うのだった。
「デクスター閣下。何故、あのオーレッドを一気に去勢してしまわないのですか。」
樹里に三度目の精気を放って、その快さに酔いしれながらもさすがに多少の疲れを感じないでもない悪の総統デクスターは、ベッドに寝そべりながら腹心のパラノイア兵士、デッダー隊長が怪訝そうにそう訴えるのを何気なく聞いていた。
「確かにオーレンジャーは五人共捕えることが出来た。そして男の三人、オーレッド、オーグリーン、オーブルーの三人を去勢してしまえば、奴等にはもう戦闘意欲を失ったただの腑抜けに過ぎなくしてしまえる。女のオーイエローとオーピンクだけでは我々と対等には戦えないし、その二人だって捕えて繋いである。しかし、人間界の中にはまた必ず同じ様にオーレンジャーを結成して我々と闘おうとするものが出てくるに違いない。その事を考えているのだ、デッダー隊長よ。」
「そ、そうなんですか。それではいったい我々はどうすれば・・・。」
「まあ、そう慌てるな。儂に考えがある。あのオーレッドを去勢しないまま繋いでおいて、あの奇岩城のデビル鷲で脅しておけば、オーイエローは俺様の命令を聞くしかない。俺のいうがままだ。今はまだオーレッドを助けたい一心で嫌々フェラチオをしているに過ぎない。あのオーイエローを調教して自分からこの俺様にペニスを挿してくださいと言わせるのだ。それまではオーレッドの去勢はお預けだ。」
「オーイエローを犯したいならいつでも全裸にして突き刺してやればいいではないですか。」
「ふふふ。お前たちは性欲というものがないから全然分かっていないな。それではつまらんのだ。」
「はあ、性欲? 何でござりまするか、その性欲なるものは。」
「うっ、いかん。何でもない。こっちの話だ。それより、あの五人を仲違いさせねばならぬ。そうしておいて、その姿を人間どもに見せつけて、オーレンジャーでは地球を救う事が出来ないのだと絶望させねばならぬのだ。そろそろそっちのほうに取りかからねば。よし、お前たち。俺についてくるのだ。」
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