洗脳

妄想小説

超力戦隊 オーレンジャー 樹里の危機






 十一

 巧みに編集された樹里と隊長のシーンを見せられていた桃は、何時の間にかオーブルーとオーグリーンの姿が見えなくなっていたのに気づかなかった。
 「あれっ。昌平? 裕司? 何処へ行ってしまったの・・・。」
 「ふっふっふっ。オーピンク。お前の仲間二人は、調教を受ける為に引き立てられていったのだ。終わり次第、また一緒にさせてやるから楽しみにしているんだな。」
 「調教ですって? あの二人に何をするつもりっ。」
 「準備が出来るまで、このオーピンクを牢の中へ閉じ込めておけっ。」
 「や、やめてっ。放しなさいっ。」
 しかし、両手を背中で拘束された桃は抵抗する術も無く、パラノイアの兵士たちに肩を掴まれ牢の中へ蹴り飛ばされてしまう。

 「おい、お前たち。いったい何をするつもりなんだ。何なんだ、この電気椅子みたいなのは。」
 オーグリーンとオーブルーが括り付けられた鋼鉄製の椅子は、まさに死刑囚に使われる電気椅子そのもののような形をしている。その椅子の手摺りに付いている頑丈な鋼鉄製の枷にふたりは両手をがっしりと固定されてしまう。
 「さ、このヘッドギアを着けるんだ。」
 そう言って兵士たちが二人の頭に被せたのは電極が二つ付いたヘルメットのようなものだった。電極からは太い電線が二本、どこからともなく繋げられている。
 「デクスター様。準備が整いました。プログラミングをお願いいたします。」
 一番の腹心の部下であるデッダー隊長がデクスター総統に向かって合図すると、デクスターは機械に付けられた幾つものダイヤルを調整していく。
 「ようし。これでいい。デッダー隊長。お前が最後のスイッチをいれるのだ。」
 「はっ。承知いたしました。それではいきます。」
 デクスターが調整した機械の最終スイッチである大電流ナイフスイッチのレバーをデッダー隊長が押し下げる。
 「あぎゃあああああ・・・。」
 オーグリーンとオーブルーの頭に取り付けられた電極から鋭い閃きとともに電流が二人の脳髄を直撃する。
 「これでもう暫くはこの二人の隊員の理性は痺れて機能しなくなり、増幅された性欲のみが支配する性の獣と化してしまうのだ。こいつらを牢に閉じ込めたオーピンクの元に放ってやるのだ。さあ、お前ら。こいつらをオーピンクの元へ連れていくのだ。」

 「昌平っ! 裕司! 無事なの。」
 ぐったりとして力を失っているオーグリーンとオーブルーの身体を抱えてきたパラノイアの兵士たちが桃の閉じ込められている牢の中へ二人の身体を投げ入れる。二人は完全に気絶しているらしく、目を閉じて桃の前に倒れ込んでしまう。
 「お前ら。この二人にいったい何をしたの。昌平っ、裕司っ。大丈夫なの。」
 「大丈夫だ。心配するな。すぐに目を醒ます。ただ、目を醒ました後が楽しみなのだがな。」
 「それっ、どういう意味?」
 「いまに判るさ。俺様はもう一人の方の調教に取りかからねばならぬ。お前、しっかり見張っておれ。」
 そういって一人の兵士に牢の鍵を渡すと、デクスターはデッダー隊長を伴って牢から離れていくのだった。

 桃は両手を後ろ手に手枷で繋がれている為に、うつ伏せになって倒れている昌平や裕司を抱き起すことも出来ない。二人は依然として下半身はオーレンジャーの制服を奪われたままで裸の尻を桃に見せている。桃が二人の無事を確認しようと、何とか上向かせようとするが、頭を肩に当てるのが精一杯で、息を確認するのに上向かせることも出来ない。
 「上向かせたけりゃ、俺が手伝ってやろう。」
 そう言うと、番を任された兵士が牢の鍵を開けて中に入ってくる。兵士はぐったりしている昌平の肩を掴むと、ぐいっと引き寄せ仰向かせる。昌平の身体がひっくり返されると、以前気絶したままではあるが、微かに息をしているのが分かる。下半身も裏返されたので、すっかり萎縮してしまったペニスが桃の前に丸見えになる。
 「あ、いやっ。」
 恥ずかしさに顔を赤らめる桃を後目に、裕司の方も身体を持ち上げて上向かせる。裕司のペニスもすっかり萎えたままだ。
 「すっかり元気を失くしているようだな。咥えてやって元気にさせたらどうだ。お前たち、人間はいつもそうやっているんだろ。」
 そういうと兵士は猫の首を掴むように両手の自由を奪われた桃の襟足を掴み、下半身を曝け出して寝ているオーグリーンの股間に桃の顔を押し付けようとする。
 「あ、いやっ。ぐふふふ・・・。」
 兵士にぐいぐい顔を押し付けられ、桃の唇が昌平の剥き出しのペニスに触れた途端、昌平の身体がびくっと動いた。
 「あ、昌平・・・。気が付いたの?」
 「さ、こっちもやってやれっ。」
 兵士が今度はオーグリーンの身体から引き剥がした桃の身体をオーブルーの股間に押し付ける。
 「うううう・・・。」
 途端に裕司のほうも、気絶状態から目を醒ましたようだった。
 「しっかりしてっ、二人とも・・・。昌平っ。裕司っ・・・。」
 ゆっくりと昌平と裕司が目を開く。しかし二人の眼は焦点が合っていない。どこか虚ろに視界を彷徨っている。
 「しっかりしてっ。桃よ。分かる・・・?」
 二人の眼が桃の顔を捉えたのが分かった。しかし、その表情はそれまでの二人のものではなかった。桃を観る目付きは、さかりのついた獣が獲物を見つめるそれだった。
 「どうしたの、二人とも? そんな目をしてっ・・・。」
 思わず床に尻を突いたまま、桃はあとずさりをする。気づくと二人は手枷を嵌められておらず、自由な手を振りかざして今にも掴みかかろうとしていた。
 昌平の方が先に桃に掴みかかろうと手を伸ばした。咄嗟に桃は身体を翻して横に避ける。桃のスカートが翻って何も穿かされていない裸の尻が露わになる。それを見た昌平と裕司の眼の色が変わる。気づくと、何時の間にか裸の下半身の中央にペニスが屹立していた。明らかに桃の痴態に欲情しているのが桃にもよく分かった。
 「貴方たちっ。どうしたっていうの。私が分からないの。桃よ。貴方たちの仲間よっ。」
 しかしそんな桃の叫び声は二人のオーレンジャーたちには耳に入ってこない様子だった。二人は桃の両側からじわり、じわりと獲物を追い詰めるかのように距離を縮めようとしていた。桃は脚を曲げていつでも飛びあがれるように構える。
 今度は裕司のほうが先に飛びかかってきた。一瞬早く桃が地を蹴って身を交す。しかし着地したところに昌平の手が伸びてきて、桃の足首を掴んでしまう。
 「いやっ、放して・・・・。」
 もがく桃だったが、昌平の力のほうが強いだけでなく、桃は両手を拘束されているのでどうにもならない。すぐに昌平のほうに引き寄せられてしまう。すると裕司のほうが自由になっていたもう片方の足首を捉えてしまう。二人がそれぞれに桃の両脚を引き寄せようとするので桃は仰向けになって大股開きにされてしまう。スカートがどんどんずり上がってきて、遂には無毛の股間を曝け出してしまう。そのあられもない格好にオーレンジャー二人が逆上したかのように反応する。思わず足首を放して桃の股間に飛び付こうとしたのだ。
 ガシーン。
 大きな音を立てて二人の頭蓋骨が衝突した。
 「あううっ・・・。」
 二人とも頭を抱えて一瞬よろける。その隙を突いて素早く立上った桃は傍で見物していた兵士の腰からぶら下っていた鍵を掠め取ると一気に牢の出口へ走る。
 「おい、お前・・・。」
 そう言って追掛けようとする兵士に、桃を横取りされるのではないかと勘違いしたオーレンジャー二人が兵士に飛びかかる。二人に羽交い絞めにされた兵士より先に牢の外に出ると、後ろ手に牢の鍵を掛けてしまう。
 「しまった。くそうっ。この鍵を開けろっ。」
 兵士が地団太を踏んで牢の檻を揺さぶるがびくともしない。桃は二人の隊員と兵士を牢に閉じ込めたまま、既に走り出していた。

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