樹里6

妄想小説

超力戦隊 オーレンジャー 樹里の危機






 五

 気が付くと何時の間にかデクスターと兵士たちは居なくなって木馬に跨がされた樹里一人が残されていた。しかし、それは自分という罠に誘き出された隊長がやってくるのを何処かに潜んで見守っているのに違いなかった。
 (隊長、ここに来ては駄目。せめてちゃんとパワースーツに変身しておいて。)
 そう願う樹里だったが、悔しいことに口に出して言うことが出来ないのだ。

 何も知らないオーレンジャー隊長、オーレッドの吾郎は樹里から送られてきた通信のGPS情報を頼りにパラノイアの要塞の入り口まで来ていた。その時、突然目の前にスクリーンのようなものが現れた。樹里が見せられたのと同じ特殊ホログラムスクリーンだった。そこに映し出されていたのは、毛を全部剃り落された剥き出しの股間で三角木馬に跨がされている樹里の哀れな姿だった。
 「樹里っ。何て姿なんだ。今、助けにいってやる。」
 我を忘れた吾郎は、パワースーツに変身するのも忘れパラノイアの要塞へ独り飛び込んでいったのだ。

 「樹里っ。今、助けに来てやったぞ。今、そこから外してやるから。」
 突然現れた吾郎の姿に樹里は慌てて制しようとする。
 「ほほうはふ。はへよ。ほれは、わはほ。」
 しかし、吾郎には樹里が何と叫んでいるのか判らない。誰も居ない今の内だと思った吾郎は樹里の元へ走り寄る。
 「はへぇ・・・・。」
 必死で叫ぶ樹里だが、吾郎には助けを呼んでいるとしか思えなかった。樹里を天井から吊っている手枷に吾郎の手が触れた瞬間、激痛が吾郎の身体を走った。
 「あぐううう・・・・。」
 突然の電気ショックに、吾郎は失神して倒れ込んでしまう。
 「ああ、ほほふはん・・・。」
 罠に掛かってしまった吾郎をどうすることも出来ない樹里は泣き喚くのだが、何の助けにもならないのだった。

 やっと舌の痺れが収まってきて、樹里が何とか喋れるようになって来た頃には気絶した隊長はパラノイアの兵士たちに連行されて居なくなってしまっていた。
 「やっと喋れるようになったようだな、オーイエロー。だが、お前のせいであの隊長はとうとう捕獲されてしまったのだぞ。申し訳ないと思わないか。」
 再び樹里の前にやってきたデクスターは樹里の心を推し量るように詰るのだった。
 「た、隊長を何処へやったの。」
 「ふふふ、今その姿を見せてやろう。ほら、このスクリーンを見るがいい。」

隊長1

 デクスターが指示したスクリーンに何処かの山の岩肌に磔にされた男の姿があった。それはまさしく樹里のせいで罠に掛かってしまった隊長、オーレッドの無残な姿だった。隊長、吾郎の両手は岩に埋め込まれた鋼鉄のリングに手枷によって繋がれている。それだけではなく、吾郎が着ていた筈のオーレンジャーの制服のズボンは下着もろとも剥ぎ取られて、だらしなく垂れた陰茎を丸出しにしている。そしてその陰茎の根元には銀色に光る特殊リングが嵌められている。リモコンで幾らでも小さく締め込むことが出来るものだ。
 「お前の大事な隊長のペニスが見えるか。あのペニスと睾丸には特殊リングが嵌めてあって、このリモコンで幾らでも締め付けることが出来るのだ。このダイヤルを最後まで回しきれば、ペニスと睾丸を切り取ってしまうことさえ出来るのだ。」
 「な、何て酷い事を・・・。やめてっ、そんな事。」
 「隊長のペニスを切り取って去勢してしまえば、最早戦意を完全に失ってただのでくの坊でしかなくなってしまうのだ。オーレンジャーどころかただの腑抜けに成り下がってしまうのさ。」
 「そんな事、させないわ。」
 「ほう、どうやって隊長を守るっていうんだ。今のお前に何が出来る?」

tbc
  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る