樹里8

妄想小説

超力戦隊 オーレンジャー 樹里の危機






 七

 樹里が漸く解放されたのは、口の中に三度の精液を吐き出され呑み込まされてからだった。樹里のフェラチオを堪能したデクスターは兵士たちに命じて樹里を石で出来た牢獄へ運ばせたのだ。牢の床の真ん中に鉄環が埋め込まれていて、そこに樹里が嵌められた首輪に繋がる鎖が繋がれた。両手は戒めから解かれたが、パワーブレスを持たない今の樹里に鎖や首輪を解く力は無かった。他の三人たちがどうなったかも気に掛かっていたが、一番心配なのは陰茎を晒したまま山の岩肌に磔にされた隊長の事だった。
 「ああ、隊長・・・。なんとかご無事で。」
 今は祈ることしか出来ない樹里だった。

 独りで放置された樹里は、パラノイアの兵士たちに捕まってしまった前の日の事を思い返していた。

桃3

 (あの日、桃は妙に塞いだ様子だった。)
 そう感じた樹里は他のメンバーが居ない時を狙って、桃に近づいたのだった。
 「桃。貴女、何か悩みがあるのじゃなくて?」
 樹里の方に背中を向けていた桃だったが、振向いた桃の眼は既に潤んでいた。
 「ああ、樹里。わたし・・・。やっぱり、樹里にだけは打ち明けるわ。実は・・・。」
 その日、以前からオーレッド、隊長の吾郎に密かに思いを寄せていた桃は、とうとう吾郎に告白をすることにしたというのだった。
 「え、貴女が吾郎さんに・・。」
 その話を聞いた樹里は暫し茫然となってしまう。実は樹里自身も吾郎に恋心を抱いていたからだ。
 「でも振られちゃったの。隊長からオーレンジャーは大事な任務を負っているのだから、恋心は封印しておかなくちゃならなんだって言われてしまった。」
 「そ、そう・・・だったのね。」
 「でも、本当はそんなの言い訳よ。私に魅力がないだけだわ。」
 「そ、そんな事はない・・・って、思うけど。」
 「ああ、そういう風に言ってくれるのは樹里だけだわ。でも、そんな慰めは言わないで。今は独りにしておいて。私、オーレンジャーはもう無理かも・・・。」
 そう言うと、下を向いたまま樹里に背を向けて去って行った桃だった。
 「ああ、可哀想な桃・・・。でも、桃までが吾郎さんを好きだったなんて・・・。」
 樹里自身も自分の胸のうちに沸々と湧き上がってくる思いを抑えきれないでいるのだった。

樹里と隊長

 そしてその夜のことだった。計器監視室に一人で詰めていた樹里の元へ隊長である吾郎がやってきたのだった。
 「樹里、ひとりなのか?」
 「あっ、隊長。ええ、いまのところ、パラノイアたちの動きはないようです。」
 「実は、ちょっと話があるんだが・・・。」
 「えっ、もしかして。桃のこと・・・でしょうか?」
 「あ、いや・・・。その事もあるんだが・・・。」
 樹里はあらためて隊長、吾郎の顔色を窺う。真剣なまなざしをしている。
 「昨日、桃に告白された。」
 「・・・。」
 「それで、あらためて気づいたんだ。僕は・・・。」
 吾郎が一歩、樹里に近づく。そしてそのまま樹里の肩を両手でしっかり掴んで引き寄せる。
 「僕は、君なしでは居られないことがよく分かったんだ。僕は・・・、僕が好きなのは樹里、お前なんだ。」
 吾郎の両手が樹里を強く抱きしめ引き寄せる。その時、樹里はスカートを通して吾郎の下半身に硬い物を感じた。
 「あっ・・・。ご、吾郎さん。」
 吾郎はそのまま樹里にのしかかるように樹里の身体を押し倒し、その上に覆い被さる。二人は床の上で抱き合う格好になった。吾郎の唇が樹里の唇を塞ぐ。樹里はそれに抗しきれない。
 「樹里、俺はもう我慢出来ないっ。」
 軽く開いた両脚の真ん中に、吾郎の下半身が当てられている。その中心は硬くはちきれんばかりになっている。
 吾郎が自分のズボンのベルトを緩め始めるのに気づいて、樹里は慌てる。
 「駄目っ。わたしたちは地球を守る使命を帯びた戦隊よ。恋心は封印しなくてはならないの。」
 思わず、樹里は桃から聞いた吾郎が口走った言葉をそのまま口にしていた。
 「わかってる。でも、もう我慢出来ないんだ。」
 「ま、待って。」
 樹里はズボンのチャックを下そうとしている吾郎の手を外側から握りしめる。
 「今はまだ駄目っ。一度してしまったら、もう止められなくなってしまうわ。分かった。だったら私の口でさせて。それで今は我慢して・・・。」
 「えっ、樹里っ。そんなことして、いいのか。」
 「ええ。」
 隊長が樹里の上に跨ったまま上半身を起し、樹里が吾郎のズボンのベルトに手を掛けたその時だった。
 「誰かそこに居るの。」
 桃の声だった。慌ててスカートの裾を直しながら起き上がろうとすると、もう桃が計器監視室に入ってきてしまっていた。
 「二人して何してるのそんなところで。」
 「あ、桃っ。私、パワーブレスをどこかに忘れてしまったらしくて、隊長に一緒に探して貰っていたの。」
 「パワーブレスって。今その腕に嵌めているもの?」
 「あ、ええ。そう。今、隊長が床に落ちていたのを拾って付けてくれたの。」
 「ああ、桃。そうなんだ。まだパラノイアの兵士たちが辺りをうろついているようなので、油断しないで一時も外さないようにって叱っていたんだ。」
 「へえ、そうだったの・・・。わ、わたし・・・。何だか頭がぼおっとしちゃってて。ちょっと、外の空気を吸いにいって、頭、冷してくるわ。」
 「え、そうなの。充分、気を付けてね。」
 「桃、パラノイアたちには充分警戒しろよ。」
 「わかったわ。隊長・・・、樹里。」
 そう言うと、桃は背中を向けて出て行ってしまったのだ。
 樹里が計器監視室を出て、更衣室に戻った時桃のパワーブレスが外されてテーブルの上に置き去りにされているのを見つけたのは、それから暫く経ってからだった。
 (桃、まさか・・・。)
 桃を追って、慌てて外に走り出た樹里だった。

tbc
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