セーラー脱げ

妄想小説

麗華に仕掛けられた罠



 二

 スケバン達から渡された着衣に着替えた麗華は、アッパーは両腕を少し持ち上げれば臍が丸出しになるほど短く、スカートの方も少し屈んでしまうとうしろから下着が丸見えになってしまうような股下ぎりぎりまでしかない丈であるのに気づく。

咲着替え後

 「さ、言う通りに着替えたわよ。これで文句ないでしょ? 早く美桜の居るところへ案内して頂戴っ。」
 「ふふふ。アンタにはまだもうひとつ、身に着けて貰うものがあるのよ。」
 そう言って吟子が翳して見せたものを目にして麗華は凍り付く。それは先ほど悦子がまだ隠しておくように指示した鈍く光る手錠だった。
 「アンタが古武道だとかいう武術の達人だってことはよおく知っているのよ。そんな技を使われちゃアタイ達も安心してアンタを案内する訳にはゆかないの。向こうに着くまでは古武道とかを使われないようにアンタの両手の自由を奪わせて貰うのよ。さ、両手を背中に回してこっちへ後ろ向きになって。」
 「何ですって? 私に手錠を掛けようっていうの・・・?」
 さすがの麗華も手錠を掛けられてしまうと何をされても反撃出来なくなってしまうことはすぐに想定出来た。しかしだからと言って美桜を見捨てる訳にはゆかないのだというのも同時にすぐに理解したのだった。
 「ううっ・・・。わ、わかったわ。好きにすればいいわ。」
 美桜のことが心配でならない麗華は自分の身の安全も無視してスケバン二人の前で両手を背中に回して差し出すのだった。吟子が言った(向こうに着くまでは)という言葉が信用出来るものではないことは麗華も重々承知していた。その言葉を信用してという思いは麗華には無かったものの、美桜を救い出す為には自分の身を差し出すしか今は何の術が無いことも充分理解していた。
 ガチャリという音と共に麗華の両手の自由を奪ってしまうと、悦子と吟子の二人は作戦通りにしてやったりと笑みを交わすのだった。
 「どう、両手の自由を奪われてしまった気分は?」
 麗華の反撃を封じてしまった吟子は、麗華の口惜しさを確認するかのように麗華の顎に手を当てて顔を上向かせる。
 「やめてっ。触らないでっ。」
 咄嗟に顔を背けてキツっと吟子のほうを睨み返す麗華だったが、それはただの強がりでしかなかった。
 「あらっ、そんな格好にされてまだそんな生意気な口を利くのね。自分が今どんな立場に居るのかよおくわきまえることね。」
 そう言うと吟子はいきなり麗華の胸倉を掴んで引き寄せると頬に平手打ちを放つ。
 パシーン。
 鋭く頬を引き裂くような音が麗華の顔面で炸裂する。
 「う、ううっ・・・。」
 「吟子、まだ駄目よ。あそこに連れていくまでに顔が腫れてしまったりしたら目立ってしまうわ。」
 「そうなの? でも、この生意気な女にどうしても詫びをいれさせたいの。そうだ。頬へのビンタじゃ外を歩かせるのに都合が悪いから代わりを捜すわ。」
 吟子は部屋の奥に入ると何やら手にして戻って来る。
 吟子が手にしていたのは竹製の定規だった。



reika

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