妄想小説
麗華に仕掛けられた罠
十一
その日の午前中のことである。かねてからの打ち合わせ通りに吟子と悦子を連れた朱美等スケバン三人組は、西湘高の中でも落ちこぼれの、彼女たちが通称ブサメントリオと名付けている権田睦男、蛭田好男、荒井将太の三人組に声を掛ける。三人は何時も通りに休み時間を体育館裏の隅っこで管を撒いていたのだった。
「またアンタ達三人でつるんでこんな所にしけこんでいるのね。」
「な、何だよ。朱美っ。俺たちに何か用か?」
「ふふふ。何よ、藪から棒にそんな喧嘩腰の言い方は。今日はお前たちにいい話を持ってきてやったんだよ。」
「いい話だって? そっちこそ何だよ、藪から棒に?」
「お前たち、ドーテーだってな。」
「な、何・・・、いきなり言い出すんだよ。」
しかし言われた男たち三人はそれぞれに顔を真っ赤に紅潮させているのが図星を指された証拠とも言えた。
「アタイ達が、哀れなブサメントリオに童貞卒業のチャンスを与えてやろうっていうのさ。」
「ど、童貞、そ、卒業だって・・・?」
思わず生唾を呑み込む三人だった。
「そ、それじゃ、お前たち三人が俺たちに筆おろしをさせてくれるってのか?」
三人の中で睦男が最初に溜まらずに好奇心丸出しの表情で問いかけるのだった。
「ば~か。んな訳、ねえだろ。お前たちがアタイ等の言うことを聞いて指示通りのことが出来たら褒美に女を好きにしていいように呉れてやろうっていうのさ。」
突然の申し出を受けたブサメントリオの三人はお互いの顔を見つめあうのだった。

半信半疑ながらも、もしかしたら本当に童貞を卒業させてくれるのかもしれないという期待は捨てきれず、朱美に言われた時間に指定された市の郊外にある野球場へ赴いた三人を出迎えたのはスケバン三人組の中でどちらかと言えばいつもパシリをさせられている吟子だった。
(アタイに着いて来な)とでも言うように顎で三人に合図した吟子は、どうやって鍵を手に入れたのか、市民球場の裏手の入口を開けると三人が着いてくるのを確認しながらスタンド下にある建物の奥へとどんどん歩いていく。やがて吟子と三人が辿り着いたのは球場が見下ろせるガラス張りの特別観覧席だった。
「こ、こんな所に勝手に入っちゃっていいのかよ?」
「ふん。つまんねえことは心配しなくていいのさ。」
「なあ、吟子っ。女とさせて呉れるって言ってたよな。そんな女、何処に居るっていうんだ?」
「ふふふ。あそこだよ。」
吟子が指し示したのは、特別観覧室から見下ろせるグランドの手前のフェンス脇にいる三人の女の姿だった。そのうちの二人は吟子がいつもつるんでいるスケバン仲間の朱美と悦子に違いなかった。が、その横にもう一人女が両手を大きく左右に広げて立っているのが見える。
「あ、あれかよ・・・。」
両手を広げている女は後ろ向きで背中しか見えないのだが、そのシルエットには見覚えがあるような気がしたのだった。
「あそこの両手広げてる黒いミニスカの女か? 何で、あんな風に両手を広げてんだい?」
睦男が不思議そうに訊く。
「手錠で両手を繋がれてんのさ。何をされても抵抗出来ない状態よ。」
「えっ、そ、そうなのか・・・。」
睦男は思わず、ゴクンと生唾を呑み込む。それは残りの二人も同じ状況だった。
「お前達、確か指示通りのことをしたら、女を好きにしていいって言ってたよな。お前たちの指示って何なんだ?」
「ふふふ。気になるかい? 簡単なことさ。あの女はもうすぐ粗相をすることになるのさ。それを真正面から目撃して思いっきり囃し立てて笑って辱めてやるのさ。」
「えっ? 粗相って、もしかしてオシッコを洩らすとか・・・。」
「そうだよ。我慢出来なくなって、お前等の前でお洩らしをしちまうんだよ。それを最後までしっかり見届けるのさ。それが出来たらその後はもうお前等の自由にしていいってことよ。お前等にオシッコを洩らすところを見られたら、ショックでもうどうなってもいいって気持ちになる筈よ。自尊心をズタズタに引き裂かれたあの女は犯されたってもうどうでもいいって気持ちになるって訳よ。」
「そ、それって・・・。つまり俺たちに強姦しろっていう意味か?」
「なんだよ。強姦じゃ嫌だって言うのか? お前たち、女の子にセックスさせてくださいって頼んで、して貰えるようなタマだとでも思ってんのかよ。」
「うっ、そ、それは・・・。で、でも、強姦はまづい・・・だろ?」
「方法はふたつある。あの女に目隠しをしてやるか、もしくは目隠しは着けさせない代わりにお前たちがストッキングを頭に被って強姦をするかよ。」
吟子が説明する手筈に再び、睦男等は生唾を呑み込む。
「目隠しをさせちゃ、折角のあの女の恥ずかしがる表情が見えないだろ。あの女に目隠しを着けさせるより、お前等の方がストッキングで顔を隠して犯しちゃうほうがよっぽどそそられるだろ。それにオシッコがもう我慢出来ないって時に女がどんな表情をするか見てみたいだろ。アタイはそっちをお薦めするけどね、どう?」
「そ、そりゃ。そっちの方がいいかな。俺たちの正体がばれないんだったらな。」
話の展開に既に男たち三人の股間はズボンの中で硬くなってくるおのれのモノを抑えきれなくなってきていた。

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