妄想小説
麗華に仕掛けられた罠
十四
朱美の命令でさっと麗華の傍に走り寄った悦子と吟子が麗華のスカートの裾を両側から掴むと思いっきり捲り上げてしまう。いきなり露わにされた憧れの女性のあられもない姿に三人の男たちは思わず生唾を呑み込む。
三人の脳裏には、目の前の憧れの女性が失禁してショーツから小水を滴らせる光景がチラっと浮かんでくる。

「駄目だっ。麗華さんにそんな事、させる訳にはいかないっ。」
突然大きな声を挙げて拘束されている麗華のスカートを持ち上げている吟子に飛び掛かったのは睦男だった。その声にはっとなった将太も同じ様に反対側で麗華のスカートを抑えていた悦子に飛び掛かる。
「おい、吟子。お前、手錠の鍵を持っているだろっ。出せっ。」
吟子に組み付いた睦男は、吟子の片腕を背中で捩じり上げるとコンクリートの床に捩じ伏せその上に馬乗りになる。
「畜生っ。てめえ、何しやがるんだ。」
組伏せられた吟子の胸ポケットからポトリと鍵が滑り落ちる。
「これだなっ。おい、好男っ。麗華さんの手錠を外してくれっ。」
床に落ちた鍵を拾いあげた睦男は吟子を床に捩じ伏せたまま、好男のほうへ鍵を投げ渡す。鍵を受け取った好男はすぐさま麗華の方へ走り寄って手首の手錠に鍵を挿し込んで解放させる。
「あ、ありがと・・・。」
麗華はもう虫の息のような状態になりながらも手錠を外してくれた好男に声を掛ける。
「トイレはその通路を下に降りて左に行ったらすぐだ。」
「好男。外した手錠をこっちに投げて寄こせっ。」
睦男に言われてすぐに麗華から外した手錠を好男は睦男の方に投げ渡す。その手錠を片手でさっと掴み取ると押えていた吟子の片方の手首にガシャリと掛けてしまい、反対側を近くの鉄製の枠に嵌めてしまう。
それを見て、好男はもう片側の手錠も外し取ると、今度は悦子を抑え込んでいた将太の方へその手錠を投げ渡す。そして将太は抑え込んでいた悦子の手首に手錠を掛けると同じように手近な鉄製の枠に手錠を嵌めて拘束してしまうのだった。
「おい、もう一人は何処へ行った?」
吟子と悦子の二人のスケバンを鉄柵に拘束してしまった三人はつい今まで居た筈の朱美の姿が搔き消えているのにやっと気づいたのだった。

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