妄想小説
麗華に仕掛けられた罠
十
「プファアっ・・・。も、もう・・・・。もう、結構よ。」
麗華の口の中はまだ痺れが残っていたが、たらふく呑み込まされた水が今度は腹に溜まってもうそれ以上は呑めそうもなかったのだ。それでも辛子をたっぷり塗りたくったフランクフルトソーセージを口の中に突っ込まれて涙が止まらないほどの激しい痺れと辛さは何とか堪えられるぐらいの刺激に弱まってきてはいた。
「いったい何なの、これは? 私に何をさせようっていうの?」
「ふふふ。今に分かるわよ。アンタの身体が正直に反応してくるからね。」
「身体が反応してくる・・・? どういう事? もしかして、あの水には何か含まれていたの?」
「さすがに察しがいいわね。ただの水だけじゃ時間が掛かり過ぎるからね。おい、吟子。そろそろあいつ等を呼んでくるんだよ。」
朱美は麗華の方から後ろに控えていた吟子の方を振り返って命令を下す。
「あいよ、朱美姐さん。ここへ連れてきていいのかい?」
「いや。まず特別観覧席にあいつ等を連れていって、算段をよおく呑み込ませるんだよ。」
「ああ、そうだったわね。わかったわ。」
朱美に言われて吟子が自分達のところから離れてスタンドの下の建物のほうへ姿を消すのを不審な思いにかられながら観ていた麗華だった。
「ねえ、あいつ等っていったい誰の事?」
不安にかられながら訊ねる麗華に朱美はにやりとしたものの答えはしないのだった。

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