妄想小説
麗華に仕掛けられた罠
十八
最初に洩らしてしまったのは悦子だった。だが、吟子も朱美もその後そんなに長くは持たなかった。足許に洩らした小水が水溜まりになっているのを見て、情けなさそうに項垂れている三人のスケバンの元に何時の間にか人だかりが出来始めていた。
「何だよ、お前等。こっちに来るんじゃねえよ。見るな、こっちを。」
堪らずに吟子が大声を挙げるが、ギャラリーの数はどんどん増えていた。そしてそのうちの一人がポケットから取り出したスマホのカメラをスケバン達に向けて写真を撮りだすと、つぎつぎとスマホを取り出してカメラを向けるギャラリーも増えてきた。
「や、やめろっ。写真なんか撮ってんじゃねえぞ。てめえら・・・。」
スケバンたちの抗議を尻目にカメラを向ける西湘高生はどんどん増えていた。そしてその写メや動画がネット上にどんどん拡散し始めていた。
その時、一人の女子生徒が手に大きな鋏を持って三人の前につかつかと歩み寄ってきた。

「お、お前っ・・・。」
三人のスケバン達の前に現れたのは大きな裁ちバサミを両手に掲げた美桜だった。
「私のことを人質に取って、麗華さんを酷い目に遭わせようとしたのよね。その罰を受けるのよ。貴女達、私にしたことも忘れてはいないわよね。そのスカートが邪魔だからお洩らしをした下着がよく見えないってみんな言ってるわ。よく見えるように邪魔なスカートを私が切り裂いてやるわ。」
「や、やめろっ。てめえ。そ、そんなこと・・・。」
しかし怒りに震えている美桜が手にしていた裁ちバサミは容赦なくスケバンたちの穿いていたスカートを切り刻んでいくのだった。
完

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