misuzu

妄想小説

狙われた優等生



第五章 美沙子の屈辱


 「約束だったわね。わたしの言うことは何でも聞くって。」
 まだ、立てないでいる美沙子の正面に立った美鈴は冷たく言い放った。
 「誰か、バケツに水汲んでおいで。」
 美鈴が号令を掛けると、男等が慌てて水を汲みにいく。
 男の手から水の入ったバケツを美鈴は受け取ると、しゃがみ込んでいる美沙子に向かって思いっきりぶちまけた。
 バシャっという音がして、美沙子は頭からずぶ濡れになった。薄手のテニスシャツやスコートにも浸み込んで、下に着けている下着が透けてしまう。
 「少し頭を冷やすといいわ。」
 それから、もう一杯のバケツをひったくると美沙子に突き出した。
 「さあ、立ちな。このバケツを頭の上に乗せて、ここでいいって言うまで立って反省するのよ。脚はもっと開いて。そう、大の字になって立つのよ。」
 美沙子は両手で水の入ったバケツを頭の上に抱えた格好で、テニスコートの真ん中に立たされた。顎や脇からはまだ先ほどの水が滴り落ちている。白いテニスウェアは下にはブラジャとアンダースコートが透けて丸見えである。


 美鈴は美沙子を見世物にして立たせると、仲間を連れてシャワールームのほうへ引き上げて行ってしまった。後には、身動きの取れない美沙子を男子生徒等が囲んでいる。
 美鈴は男等にいろんな手で美沙子を苛めるように言い含めてあった。男達も面白がって抵抗出来ない美沙子に悪戯を仕掛けた。
 男達が二人掛かりで、横から美沙子のスコートの端をつかむと、一気に捲り上げた。
 美沙子のアンダースコートが男達の目の前にあらわになると、男達は歓声を上げた。そして、その剥き出しにされた股間に誰かが水鉄砲を持ってきて、さかんに水を当てた。新たな水が美沙子の内股を伝って流れた。アンダースコートもすっかり水を吸って、その下の黒いヘアをあらわにさせてしまっている。
 さらに誰かが太い縄を持って来ると、開かれた美沙子の股間に通した。そして、その縄を美沙子の前後で持ち上げると、二人がかりで縄を引っ張り合い、美沙子の股間を濡れたアンダースコートの上から擦り上げる。
 美沙子はこのあまりの責め苦に喘ぎ声を上げてしまう。頭の上からバケツの水がこぼれ落ちそうになるのを必死の思いで食い止めた。
 美沙子はしかし、この辱めに唇を噛んで堪えるしかなかったのである。どんな仕打ちをされても、命令に従うと言った約束を自分から違えることはしたくなかったのである。
 男達は、美沙子が何をしても堪えているので、もっと辛辣な苛めにかかった。どこからか、釣針のついたテグス糸を持ってきて、下から美沙子のスコートの中に投げ込み、アンダースコートを引っ掛けると、両手が塞がっているのをいいことに、美沙子のアンダースコートを下ろしに掛かったのである。
 これには、さすがに美沙子の慌てた。針は簡単に美沙子の穿いているショーツに掛かった。男達は念をいれて、二本、三本と針を掛ける。
 「よし、引けっ。」
 ひとりの男が合図すると、みんなが一斉に糸を下に引き始めた。美沙子は身をよじってこれから逃れようとするが、その動きも空しく、じりじりと美沙子のショーツは引き下ろされていく。
 「や、やめて。貴方たち、何て酷いことするの。」
 美沙子は必死で叫んだ。が、そんなことでひるむような男達ではなかった。とうとう、美沙子は汗にまみれたショーツをすっかり膝の上のところまで下ろされてしまった。
 「さて、その短いスカートを、今度は捲り上げてやろうか。」
 そう言って、男達が美沙子に近づいてきた。
 男の手が美沙子のスコートに掛かった。恥ずかしい所がみんなの目に晒されてしまう。そう思うと、美沙子はたまらず、首をうなだれて目を閉じた。
   

 「ま、待って。やめて。やめなさい。」
 後ろから大声で叫びながら近づいてきたのは、あの土屋麻子であった。
 「美沙子さん、駄目よ。貴方は騙されているのよ。さっきの試合はインチキなのよ。美沙子さん。あなたは何か変な薬を飲まされたのよ。」
 「えっ、何ですって。どういうこと、それ。」
 「わたし、奥野さんが喋っているのを聞いてしまったのよ。美沙子さんがプレイしている間に美沙子さんの水筒にモルヒネを混ぜたんですって。」
 美沙子はとっさに全てを理解した。あのゲームから自分の脚が思うように動かなくなって負けてしまった訳を。
 「おい、余計なことを言ってんじゃねえよ。こいつ、ちょっとやっちまえよ。」 
 美沙子をいたぶっていた男が、麻子に向かって怒鳴った。
 美沙子は男達が許せなくなった。頭の上のバケツの水を思いっきり男達にぶちまけるた。男達がひるんでいる隙に、素早くショーツを穿くと麻子を加勢に行った。
 「や、やばいな。おい、逃げようぜ。」
 美沙子が麻子のもとにやってくると、男達は途端に逃げ腰になって、ひとり、又ひとりと去っていってしまった。
 「有難う、麻子さん。助かったわ。」
 「良かったわ。間にあって。でも、貴方。私、感心したわ。とっても勇気があるんですもの。それに男達にあんな酷いことされても、部長の約束だからってじっと堪えているんですもの。」
 「大丈夫よ、わたしなら。それより、本当なの。さっきの話。」
 「ええ、本当。わたし、あなたを許してもらおうと思って、部長を追って部室へ行ったの。そしたら、奥野っていう部長の取り巻きなんだけど、あいつがそう言っているのが聞こえちゃったの。」
 「そう、そうだったの。分かったわ。この決着はきっと付けるから、. . . 待っていて頂戴。」
 美沙子は、麻子の前でそう堅く決意したのだった。

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る