痴漢候補

静香への折檻



 九

 両手を吊り上げられた静香は、自分の居る場所を気づかれないように声を押し殺して気配を消そうとしている。
 「おおい、もっと右だ。もっと前へ出ろ。」
 「違う、反対側だ。二歩前へ。」
 観客たちは檀上の男たちに声を掛けるが、檀上の二人は自分に掛けられた声なのか、もう一人に掛けられた声なのか分からないので右往左往してしまう。その時、静かに気配を消しながら朱美が静香の真後ろに近づいていた。そして手にした鞭の柄をスカートの下から静香の尻の穴目掛けて思いっきり突き上げたのだ。
 「きゃあああ。な、何するのっ。」
 「あ、そっちだな。」
 静香の悲鳴に、二人の男は静香の居る方向を咄嗟に見極めたようだった。男が進んでいくと、女性の柔らかな皮膚が触れる。静香は身を交そうとするが、手首に掛かった縄が逃れるのを赦さないのだった。
 「おっとここだな。見つけたぞぉ。」
 「や、・・・。」
 (やめてっ)と声を出しそうになって慌てて静香は言葉を呑み込む。
 男はぐいぐいと自分の身体を静香に押し付けてゆく。もう一人の男も静香の身体を背後から捉えて逆に後ろから身体を押し付けてくるので、静香はどちらからも逃げることが出来ない。
 「ううっ・・・。」
 何度も(やめてっ)と口走りそうになるのを必死で堪える。
 男たちの下半身は完全に勃起しているのが静香にもはっきり分かる。その固くなった塊を癒そうとするかのように、男たちは下半身を上下に揺らして静香の下半身に擦り付けてくるのだった。
 静香は声を出さないようにする為に唇を噛みしめるようにして必死で堪えている。その表情があまりにリアルで、観客たちも息を呑んで見守っている。
 勃起したペニスを突き立てようにも、ズボンとパンツが邪魔をして思う様に出来ないのがもどかしく、今度は舌を使って静香の剥き出しの脇やうなじを責め始める。
 「あっ、そこは・・・。うっ、だ、駄目っ。」
 ぬらっとした唾液に濡れた舌を直接肌に感じて、身悶えしそうになる静香だったが、声を出せば(やめて)と口走ってしまいそうで、必死に唇を噛みしめて堪えている。
 チン・チーン。
 突然、朱美が手にしたゴング代りのベルが打ち鳴らされる。
 「はいっ。このままじゃ、膠着状態が続くので、後半戦はすこし男性たちにハンデを戻しまあす。お二人のムスコさんがあまりに窮屈そうなので、外に出してあげまあす。さ、ズボンのチャックを降ろしてあげてっ。」
 エツ子とエリが二人の男の股間に手を廻してズボンのチャックを降ろし、器用に社会の窓の中に手を突っ込んで中の肉棒を探し当てる。それを外に引っ張りだすと、バネが付いているかのように、ビンと鎌首を擡げて屹立したものが飛び出してきたのだ。
 「ああっ、やっと自由になれたぜ。さあ、これで思いっきり突いてやるぜ。」
 静香は目の前に突きだされた男の屹立したペニスを目にして蒼くなる。その先ッ端が静香の下腹部に押し当てられたのだ。それだけでなく、後ろからも固いモノが尻の割れ目に食い込もうとしていた。

 「きゃっ。や、・・・・。あっ。」
 思わず(やめてっ)と叫びそうになって言葉を慌てて呑み込む。
 男はペニスをスカートの上から擦りつけているだけでは感触が物足りないので、一旦腰を落として静香の生足の素肌にペニスの先を擦り付け、そのまま身体を持ち上げて勃起したペニスで静香のスカートを捲り上げようとする。更には男の脚が静香の両脚の間に突っ込まれて膝でぐいぐい上に持ち上げようとする。後ろの男もその動きに気づいて一緒に加勢しようとするので、静香はどんどん片膝を持ち上げられてしまう。観客席からは静香のスカートの裾から下穿きがチラチラ見えてくるので、固唾を呑んで見守っている。男たちは静香に片膝をあげさせて、脚の付け根にペニスを押し当てようと試みるのだが、片足立ちになっているせいで、思うような位置にペニスを持ってゆけずに四苦八苦している。
 「ああっ。し、しまった・・・・。」
 男が声を挙げるのとほぼ同時に白い飛沫が宙を舞っていた。もう一人の男もその声に刺激されたのか、白濁したものを静香の剥き出しの太腿の後ろ側に発射してしまっていた。
 チン、チーン。
 「はい、それまでえっ。男性が二人とも果ててしまったので、静香ちゃんの勝ちでえすぅ」
 朱美のその声にほっと息を吐いた静香ではあったが、一抹の不安も感じないではなかった。それが実現するのはすぐだった。

静香

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