芽郁に報告

騙された新人女優とマネージャー



 第三部



 四十六

 「どうでした、新垣さん? 彼は写真を返してくれるのに同意してくれたんですか?」
 憔悴しきった茉莉は由里のことを観返す元気もなかった。
 (そんな写真なんか無かったのよ。それより貴女、自分が何をしたのか全部喋ってしまったのでしょ?)そう言ってしまいたい気持ちをぐっと抑えて言葉を呑み込む。
 「ああ、その事ならもう大丈夫。わたしが全て引き受けるから、貴女はもう彼には逢っては駄目よ。何か言ってきたらマネージャーに全て任せてますからって相手にならないで。それより深沢監督の方の映画はその後進んでる?」
 「あ、ええ。事務所から台本が届いたんで、今一生懸命本読みしてるところです。」
 「そう。じゃ、もう余計なことは考えないで映画に集中するのよ。」
 「はい。わかりました、新垣さん。」
 由里はしょげ返っているように見える茉莉の姿に一抹の不安を憶えながらも茉莉の言葉をただ信じることにしたのだった。

緊縛被写体

 「今日の君の表情、凄くいいよ。何だか吹っ切れたみたいで覚悟を決めましたって悲哀が感じられる。」
 その日も茉莉を後ろ手に縛り上げると、あられもないポーズを取らせてファインダーを覗き込みながらシャッターを切る深沢に茉莉は全てを捧げるような気持ちで撮影に臨んでいたのだった。
 「先生っ。もっと私の恥ずかしい部分を曝け出させてくださいませんか?」
 茉莉は自分でも驚くような言葉が自然と口から出るのに戸惑いさえ感じていた。
 「そうか。それじゃ、今日は全裸に挑戦してみようか。」

優愛全裸接写

 深沢は茉莉の縄を一旦解くと着衣を全て剥ぎ取って素っ裸になった茉莉の真正面に立つ。
 「ああ、いい顔してるね。そう、そうだ。もっと恥ずかしそうにして・・・。」
 「ああっ。恥ずかしいです。ああ、こんな淫らな私を、私をもっと責めてくださいっ。わ、わたしを虐めて欲しいのです。」
 茉莉の脳裏には須藤の事務所で理不尽に折檻を受けた時のことが浮かんでは消える。
 (ああ、あの時のようにもう一度虐められてみたい・・・。)
 須藤に受けた屈辱の折檻が茉莉の心の深い部分に何かの火を着けたようなのだった。

yuri

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