騙された新人女優とマネージャー
第三部
四十三
「謝る時ってぇのは、普通は土下座をするもんじゃないのかい?」
「わ、私に・・・、ど、土下座をしろと・・・。」
「別にしろと強制してる訳じゃねえよ。お前がそうしたいかどうかって事だろ?」
「うっ・・・。あ、あの・・・。さっきは口が滑ってしまいました。どうか、お赦しください。」
そう言うと茉莉は男の目の前で膝を突いて土下座の格好を取る。
「お、お願いです。そのテープは・・・、そのテープは公開するなんていうことはどうかご容赦くださいっ。あの子は今が女優生命が掛かった大事な時なんです。私が代わりに何でもします。ですから、どうかあのテープだけは・・・。」
「ふむ。代わりに何でもするってか。そんな覚悟が出来てるのかい、マネージャーさんよ?」
「は、はいっ。あの子は私が大事に育ててきたタレント候補です。彼女を育て上げる為だったら、私は何でもする覚悟は出来ております。」
「ふーん? だったらその覚悟ってやつを見せて貰おうか。立って、そこのテーブルに両手を揃えて出しな。手の甲を上にしてだ。」
「は、はいっ。こう・・・ですか?」
茉莉がおそるおそるテーブルの上に出した両手の前に男がぽいっと置いたのは長さが50cmほどの竹の物差しだった。
「それが何だか分かるよな。」
「も、物差しです・・・。」
「何をする為のものかって訊いてんだよ。」
「そ、それは長さを・・・。長さを測る為のものです。」
「へへへ。ちげーよ。折檻をする為のものだよ。」
「せ、折檻って・・・?」
男はいきなり茉莉の両手の前の物差しを取り上げると高く振り上げてから茉莉の両手の甲へ打ち下ろしたのだった。
パシーン。
乾いた高い音が部屋に響き渡る。
「う、ううっ・・・。」
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