接待e

妄想小説

恥辱秘書






第十二章 忍び寄る脅迫者


 九

 美紀はゆっくり深呼吸して気を落ち着けてから最後の仕上げに取り掛かる。持ってきたバッグから道具を取り出す。それは、長年自分の夫に装着を強いられてきた鉄製の道具である。
 (これを長年のライバルである、否あった裕美にも嵌めて、自分と同じ、否、自分より低く貶めるのだ。)そう自分に言い聞かせる。

 内側に埋め込む筒の先を丁寧に片方の手で包み込むように握るともう片方の手を括られている女の股間に当てる。クリトリスのすぐ下を押し開くようにして、濡れそぼっている割れ目を開くと、ずぶっと鉄の筒を挿し込む。
 「あっ、嫌。何、・・・」
 突然の意外な感触に戸惑い声を上げる裕美を尻目に、美紀は器具を更に深々と差込、芋の葉状の鉄の板を裕美の股間に押し当てる。そして後ろ手にバッグを探ると、鉄のベルトをガチャガチャいわせて取り出す。自由の効かない裕美の裸の腰にそれを巻きつけるのは訳もなかった。使い方には長年慣れている。鉄の板から出ている鎖をパチン、パチンと次々に鉄のベルトに留めていくと最後に後ろから回した鎖と前から延びている鎖を重ねて錠をかけた。

 股間の内部を襲う異様な感覚に、戸惑う裕美だった。身体を動かせば動かすほど、それは股間を内側から刺激する。鉄の筒の胴についている微妙な大きさの突起が、陰唇の襞にこすれて堪らないのだ。

 「何、なにを嵌めたの・・・。いったいどうするつもり。」
 裕美は腰を振って、もがく。が、ぴっちり嵌められたベルトと貞操具はびくともしない。

 美紀は無言で作業を続けた。後は、手錠に繋がれた裕美の手首を、すぐには解けない程度に用意した縄でぐるぐる巻いて軽く縛り、手錠の鍵を外すのだ。少しもがいていれば、1時間もしないうちに解けるはずだ。手錠を回収し、何も残していないことを確認した美紀は、嘗ての自分と同じ格好にさせられた裕美を一瞥してからトイレの個室を後にする。
 (今日の勤めはやっとこれで済んだわ。)
 そして芳賀から教えられた明日からの手はずをもう一度思い描いて復習しておく美紀だった。

 美紀が出て行った後に残された裕美には、手首の手錠がロープにすげ替えられたのは感触で判っていた。これなら何とか解くことが出来るかもしれないともがいていた。案の定、少しずつではあるが、ロープは緩みはじめていた。
 裕美がロープと格闘していたのには、もうひとつ理由があった。手錠で繋がれて待たされているうちからだったが、次第に尿意を催してきていたのだった。このままだと垂れ流してしまうことになると焦っていたのだ。

 1時間近い格闘の末、漸く片方の手首を外すことに成功した裕美は、目隠しを取り、ロープの結び目を解いてやっと自由になる。痣のついた手首をさすりながら、スカートを持ち上げた裕美は自分に嵌められたものの姿を初めてみて唖然とした。見たこともない器具が自分の下半身に食い込むように嵌められている。股間な卑猥な形の板と、腰のベルトを繋ぐ頑丈そうな鎖は臍の下あたりで小さな錠前で留められているのがわかる。それは鍵が無ければ外すことが出来ないのは確かめてみるまでもなかった。

 しかし、その前に募り来る尿意をどうしたらいいのか、そのほうが目下のところ最大の問題だった。鉄の器具を嵌められたままでは小水の出しようがない。取りあえず、裕美は膝に引っ掛かっていた下穿きをあげ、スカートの裾を戻すと、男子トイレを出て、反対側の女子トイレのほうへ股間を抑えながら急いだ。もうそれほど切羽詰まっていたのだ。

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