妄想小説
恥辱秘書
第十二章 忍び寄る脅迫者
十六
封筒を受け取ると、一目散に身近な女子トイレを目指した。一番近いのは資料管理課の棟のトイレだった。女子トイレはそんなに何処にもなかったのだ。さっと個室に入るとスカートを捲り上げパンティを膝まで下ろす。震える手で、臍の下あたりの錠前の鍵穴に当ててみる。
カチリという音がして鍵が回る。ほっと安堵の溜め息が出た裕美だった。安心した途端に尿意がこみ上げてきた。ずしりと重たいベルトと貞操具を手にやっと普通に腰掛けて思う存分放尿する。裕美の手にした貞操具の内側に納められていた鉄の筒は白く濁ったものでべっとりと濡れていた。自分の股間をトイレットペーパーで拭ったあと、その貞操具も念入りにペーパーで拭うのだった。
秘書室に戻った裕美は、予感がしたので電子メールを開いてみると、想像どおり男かららしいメールが入っていた。
「一晩だけで外して貰えたことに感謝するんだな。命令をちゃんと聞かないと、もっと辛い思いをすることになるぜ。今日のところは、その器具と鍵をいつもの体育館の個室に戻して置け。それから今日穿いていたパンティもな。今日はノーパンで帰るんだ。」
貞操具を外してもらえるのなら、パンティを脱ぐことぐらい何でもないような気がした裕美だった。急いで体育館へ再び向かう。夕方になると、地域の小学生等が剣道の練習に集まってくる時間だった。その前に辿り着かねばならない。一刻の猶予もなかった。走るように秘書室を飛び出ると、一路体育館を目指す。幸いまだ誰も来ていないようだった。
まっすぐ男子トイレに向かって扉を開ける。今朝は確かに「故障、修理中」と貼り紙されてロックされていた個室が、何事もなかったかのように張り紙もなく、引くと普通に開いた。
狐につままれたような気持ちになりながらも、すぐにパンティを下ろし、貞操具と共に、蓋を下ろした便器の上に載せる。
汚れていないか確かめようとしたときに、外のほうで子供等が叫ぶ声が聞こえてきた。慌てて、パンティを丸めてそのまま置いてトイレを走り出る。男子トイレの陰から裕美が走り出るのと、子供等が竹刀を抱えて入ってくるのがほぼ同時だった。何人かが裕美が出てきた場所を怪訝そうにしてみていたが、素知らぬ顔をしてすれ違う裕美だった。
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