妄想小説
夏期学校
第十五章 二人の奸計
「それじゃあ、私が描いた筋書どおりにまんまと事が運んだという事ですね、校長。」
「いや、そうなんだよ。君が言うようにそんなに上手くゆくとは思わなかったんだがね。私が高野君を縛った時は、何て喚き始めるか不安だったんだがね。またノーパンになっているんだろうと詰った途端にしおらしくなってね。」
「そりゃそうでしょ。自分からノーパンになっていて、それを指摘されたんだから言い逃れも出来やしない。校長から罰を与えるって言われたら、その通りに罰を受けるしかないって思いますよ。それで、お尻もぶってやったんですか。」
「へっへっへっ。そう、最初はこの革のベルトでね。ひいって悲鳴を上げるもんだから、外に聞こえるといけないと思ってね。穿いてたパンツを脱いで口の中に突っ込んで声を出せなくしたって訳だよ。」
「へえっ。校長の穿いてたパンツを咥えさせたんですか。見てみたかったな、その格好。」
「それだけじゃないんだ。後ろから犯した後、まさか膣の中に出す訳にはいかないから、顔射したんだが、そのパンツを吐き出させてそいつでペニスを拭ってから高野君の顔も拭いてやったって訳さ。」
「それでそのパンツはどうしたんです？」
「それだよ。いいことを思いついてね。ノーパンじゃ拙いだろうって穿かせちゃったのさ。」
「えーっ。ザーメンで汚れたパンツをですか。」
「ザーメンだけじゃなくて、あいつのよだれもべっとり吸ってたけどね。」
「よくすぐに脱ぎませんでしたね。」
「そうさせないようにしたからね。教頭を呼びつけて、来るまで縄を解かなかったのさ。そしてトイレにも行けないように教頭に見張りさせて授業を一時間させたってわけだ。」
「ザーメンと涎で汚れた男物のパンツを穿かされて、授業をしたんですか。その時の顔が見てみたかったな。」
「これでぐっと調教も進んだようだな。そろそろいいんじゃないか。」
「いや、校長。あと一歩ですよ。あの圭子がぐうの音も出ないほどの辱めを与えて、自尊心をずたずたに引き裂いてやらないと。」
「何かいい手があるのかね。」
「いまひとつ、いい案を考えているところなんです。もう自分は駄目なんだと立ち直れなくなるような辱めをですがね。アイデアがまとまったら今度お話しますから、私のほうの処遇についてもお考えいただいておきたいのです。」
そう言って石田は校長室を後にしたのだった。
圭子は寺田との会話を思い返していた。最初のヒントは寺田がフェラチオという言葉を口にした事だった。最近の子供はませていて、そんな言葉をどこかで聞いたか読んだかしたのかもしれない。しかし、寺田は自分もされてみたいと言った時、圭子は妙な現実感を感じたのだ。そしてそんな事を言い出すのは、どこかでフェラチオをしている女とされている男を観たのだと思ったのだった。一番可能性があるのは、夏期学校の解散後、用務室で石田に手錠を外して貰う為に石田に求められてしてしまった時だ。そんなタイミングに寺田たちが外に居て、しかもカメラまで用意しているなどあり得ないと思ったのだが、それをやらせた誰かがいるとしたらと思い返してみたのだった。あのタイミングで圭子がフェラチオをせざるを得ないと知っているのは、された石田しかいない筈だった。
そこまで考えて、山登りの時に寺田たち、悪ガキ三人組が縄だけでなく手錠まで用意していたのは、誰かの指図ではないかと思い立ったのだ。子供が手錠など簡単に手に入れられる筈がない。大人が何処かで調達したのだろう。そう言えば、あの時、圭子はスクリュードライバー入りの水筒を騙されて呑まされてしまった。あんなものを子供達だけで用意出来る筈がない。
そこまで思い立ったら、芋づる式にいろんな事が見えてくるのだった。最後の日に、修行僧たちに手錠を掛けられてしまったのだが、修行僧たちがそんなにタイミングよく手錠などを用意しているものだろうか。そう考えると、修行僧たちも誰かにそそのかされて、準備していた手錠も渡されていたのではないか。そして、龍厳寺から圭子が戻ってくる時に、手錠を掛けられたまま戻って来ることを知っていたのではないか。
帰り道でドライブインに寄った際に、悪ガキ三人組に公園の先にあるトイレに連れてゆかれた。その時も、三人組は縄を用意していた。そして圭子が手錠を掛けられていることも知っていたのだ。それは誰かに教えられ、縄もあらかじめ用意されていたのを渡されていたのではないか。
何もかもが辻褄があって行くのだった。
その時、あることがまた閃いた。校長室へ呼ばれた時、校長は自分がノーパンで来ることを予め知っていた節がある。となると、誰かに事前に教えられていたのではないか。だから自信を持って自分の膝を無理やりこじ開けてノーパンであることを確かめ、抗う気力を喪わせたのではないか。そう言えば、二度目に校長室へ連れられた時も、既にノーパンであることを知っていたのだ。だから、自分を縛っても何をしても抵抗しないと思ったのだろう。すべては仕組まれていたのだ。圭子はいま、自分が何をすべきなのかを必死で考えていた。
その日も圭子の下駄箱の中には指示がされていた。またノーパンになれというものだった。朝、職員室へ入るなり、同僚の谷野教諭から校長が呼んでいると知らされた。
「高野です。お呼びでしょうか。」
「ああ、内側から鍵を掛けてこっちへ来なさい。」
圭子には抗う術がなかった。言われた通りに内錠を掛け、校長の居る応接セットに向かい、真正面に腰掛ける。
「君、今日もまたノーパンだね。」
「・・・・。」
圭子は答えることも出来ず、うな垂れて静かに頷く。
「脚を開いて見せてみたまえ。」
「お、お赦しを・・・。」
「校長たる者、いつ、如何なる時も、部下である先生達の状況は把握しておかねばならんのだ。とりわけ心の状況は。そして異常性格者の場合は、生徒を預けるという事がある以上は、特にそれを把握しておかなければならない。」
「わかりました。」
圭子は校長の射るような視線を避けて、横を向いてぴったりと閉じていた両膝をゆっくりと開く。校長がごくりと生唾を呑んだのを感じ取った。
「どうしてノーパンになるのだ。」
「わ、私は・・・・、時々、なぜかそうしないでは居られなくなってしまうのです。」
何時の日か校長自身が言っていた台詞を思い出しながら、圭子はそう口にした。
「私にどうして欲しいのだ。」
「・・・・。ば、罰を与えてください。」
「そうか。それなら後ろを向いて、両手を背中に組なさい。」
圭子は、下を向いたまま言われる通りにする。校長が手首に何やら巻きつけてくるのを圭子は黙ってされるがままになっているのだった。
しかし、その日圭子が捨て身で校長の気を逸らしながら、ある物をソファの下にセットしたことはとうとう気づかれないで終わったのだった。
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