kosya0

妄想小説

夏期学校



 第二章 垂涎のウェア


 圭子は淫らな夢に追い回されてびっしょり汗をかいて目を覚ました。
 窓から外を見ると、高原の牧場のようなミルク色の淡い霧がゆっくりあたりを流れて行くのが見えた。朝日はもう昇り始めていて、今日も良い天気になりそうなことを予感させる。
 今朝は、朝食前に表のグランドに集合して体操をすることになっている。しかも、その体操の指導を生徒等の前でやるのは圭子の当番になっているのだ。

 ほぼ全員が揃ったようだった。なかには眠い目をこすりながらやっと立っている者もいる。みんな体操のトレーニングウェアに着替えている。
 圭子はみんなを前にして、校庭の朝礼台の上に立っていた。
 圭子は仕方なく、テニスのスコートを今朝は着てきた。場違いではあるが、それでも圭子が着ると溌剌とした爽やかさがあって妙に納得してしまうところがある。
 が、スコートの下はいつものアンダースコートと違って、昨日から穿いたままの薄手のパンティである。覗かれるかも知れないと思うと気が気でなかった。
 「それじゃ、みなさん。体操を始めます。元気にお願いします。」
 横で谷野女史が体操の音楽をかける。それに合わせて圭子は腕を回し始めた。
tenniswear

 男子生徒等は圭子が壇上で跳ねる度に、短いスコートが捲れ上がりそうになり、気になって体操にも身が入らない。既にズボンの下を膨らませているものすらいる。
 「おい、高野先生。殆ど見えそうだぜ。あっ、惜しいな。」
 「今回は意地でもって感じで、いつでもミニスカだな。いいなあ、あの脚。」
 「校長からミニを穿けって、強制でもされてんじゃないか。ミニを穿かなかったらクビにするぞとかさ。」
 「脅迫か。あの校長にはできそうもないぜ。もっとも、あの教頭ならやりかねないけどな。」
 「おい、あそこでその教頭が睨んでいるぜ。おっ、真面目にやる振りしなくちゃ。」
 圭子のほうは、まさかそんなことを噂されているとも知らず、ひたすらスカートがずり上がらないように気をつけながら身体を壇上で動かしている。
 「さあ、それじゃあみんな。最後にゆっくり深呼吸してっ・・・。」
 やっとのことで体操が終わり、そそくさと圭子は壇から降りようと振り返ると、大里教諭が壇のすぐ後ろで、下から覗き込むようにずっと見ていたことに気付いた。
 擦れ違いざま、大里は圭子に声をかける。
 「さすが、高野先生。体操も指導が上手でいらっしゃる。明朝の当番はわたしだけど、是非代ってもう一度やってくださいよ。」
 (とんでもないわ。)
 そう言いたいのをぐっとこらえて、圭子は無視して通りすぎた。

 午前中は普通の授業があったので、難無くこなすことが出来た。
 が、問題は午後のプールでの水泳の授業だった。
 圭子はいつもの気に入りの白のワンピースの水着を持ってきていた。白い水着は水に濡れると透けるので、厚手のアンダーショーツをいつも使用していた。
 が、それも奪われていた。圭子は素肌に透ける可能性のある白い水着だけを身に着けねばならなかった。
 昼食後、プールへの集合の前に圭子は自分の部屋で水着を試着してみた。股間の膨らみの部分に薄っすらと黒い陰りが覗かれるような気がした。脇から少し恥毛がはみだしていた。圭子は化粧バッグから剃刀を取り出すと、両端の部分を少し剃り落した。
 圭子はいっそのこと、全部剃り落してしまおうかとも考えたが、風呂にみんなで入ることも考えて、やめておいた。
 圭子は水着の上にトレーニングウェアだけを羽織ってプールに出かけた。
 短いトレーニングウェアでは腰の部分までを隠すのがやっとで、股のところまでは届かなかった。それが、かえって短すぎるミニスカートから白いパンティが覗いているようにも見えてしまう。
 午後の授業が始まる一時にはもう殆どの生徒が水着姿で集まっていた。紺のブリーフ形の海水パンツ、女子はやはり紺のワンピースの所謂スクール水着である。
 生徒等の性的な成長は高校生という年代から考えても、著しいものがあるのは当り前と言ってよかった。
 男子生徒の股間は圭子が覗きこむのも恥ずかしくなるほど、もっこりと盛り上がっているし、女子生徒は胸の膨らみを競っている。どうかすると、恥部から毛がはみだしている者もいる始末である。男子、女子合同の水泳教室なので、そんな女子生徒がいると、圭子等女教師がそっと更衣室に呼んでその部分の処理をさせることにしている。
 始めの頃、圭子は男子と女子の水泳教室は別にすべきであると主張したのであるが、教頭始め他の男性教師等の猛反対にあって却下されてしまったのである。その理由は、これまでそうしてきたのだから、特に変える必要がないとか、教師陣のスタッフの数のバランスの問題でうまく行かないとか、圭子にとっては納得のいかないものであったが、押し切られてしまった。教頭のひとことで、仲間だった筈の他の女教師等がだまってしまったのもその一因と言えたが、これには圭子自身も眉をひそめざるを得なかった。
 「それじゃ、午後の水泳教室を始めます。最初に入水前の注意から・・・。」
 プールサイドに生徒等を並ばせて、圭子自身はプール前方のスタート台の上に立って始めの注意を話し始めた。
 生徒等の顔を一人ひとり見ながら注意事項を説明していくと、男子生徒の殆どの視線が先生である圭子の股間に注がれているのが感じられた。だからと言って、手で股を隠したりする訳にはいかなかった。なかには、圭子の肢体を見て、勃起させているとしか思えないほど下半身にぴったりした水着を膨らませている者もいる。

swimwear

 「それじゃ、始めましょう。五人ずつ組になって50mずつ泳いで下さい。」
 準備体操が終わってから圭子が言った。
 圭子は、プールサイド中央の監視員用の椅子に昇る為に、生徒等は逆にプール前方から順にプールに入る為に移動を始めた。
 圭子が男子生徒等のかたまりと擦れ違おうとする瞬間、男子生徒達からどよめきが起こった。
 「おい、押すなよ。こらっ、よせったら・・・。」
 圭子がまずいと思うより早く、男子生徒達の列が乱れ、圭子のほうへ押し寄せてきた。逃げる間もなく、圭子は男子生徒等に押されて、プールの水の中に突き落されてしまったのである。
 気付いたときには、何人かの男子生徒と共に水の中にいた。
 「おい、誰だ。押した奴は。」
 誰かがそんな言葉を吐いたが、勿論誰の仕業かはもう分からなかった。
 圭子は水から上がる時、努めて平静を保って普通にしているように気を付けた。
 (落ち着くのよ。ここでうろたえたら、かえって男子生徒達に気付かれてしまう。)
 「みんな、ふざけないで真面目に水泳の練習をするのよ。」
 そう言うと、圭子はそのままスタスタと監視台まで歩いて行ってそこに昇った。

 上がってから圭子はそれとなく自分の股間を覗いてみてハッとなった。圭子の白い水着の最も下の部分は黒い恥毛のかげりがくっきりとあらわになってしまっていた。
 圭子は濡れたジャージを脱いで、それを膝の上に置いてその部分を隠した。
 水泳教室が終わるまで、圭子は監視台から立つことさえ出来なかった。
 終わりの話も、濡れたジャージをそれとなく股間の前に持って、あらわになってしまった部分を隠してやり通した。
 「それじゃ、これで今日の水泳教室を終わりにします。四時まで自由時間としますので各自着替えが終わったら解散します。」
 そう言い終ると、圭子は逃げるように自分の部屋に濡れた水着のままで走っていった。

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