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妄想小説

夏期学校



 第一章 引率女教師に仕掛けられた罠


 雲が切れた。真っ青な空が覗いてくる。
 圭子等三年二組の生徒達を乗せた大型バスは国道から外れて、険しい山の中の一本道を抜け、急な斜面をゆっくり登っていく。
 この急な斜面の果てに、目的地の学校がある。いや、今は使われていないので、学校跡地といったほうが正確かも知れない。山村の過疎化の為に生徒がいなくなり、いまは圭子達のクラスのように都会の学校が、林間学校として使う時のみ開いている。

 「さあ、みんな着いたわよ。降りてくださ~い。順にね。」
 圭子は生徒たちを元は寄宿舎として使われていた宿泊に使う棟へ導く。
 「誰かわたしの荷物を持って頂戴。さあ、みんな着いてきて。」
 三年一組、三年三組はもう既に着いている。今回はこの三組のみの林間学校となる。
 スタッフは圭子と、オールドミスの三年一組担任の谷野ヤス子、三年三組の大里教諭、そして教頭の浅野が付き添っている。もう一人のスタッフである若い体育教師の石田は遅れて来ることになっている。

 圭子に導かれて、セーラー服の女子生徒とブレザー姿の男子生徒が順に歩いていく。圭子の勤める聖和泉学園はこと制服に関しては厳しかった。この日のような学校外の行事であっても行き帰りは必ず制服着用が決められていた。
 聖和泉学園の女子学生の制服は、全くの正統派セーラー服である。夏は白の上着に濃紺のスカート。胸に真紅のタイを締める。
 スカートの丈は異常なくらい短く、女生徒等は健康的なはちきれんばかりの肢体をあらわにしている。数年前スケバンがはやっていた頃、女子高生の非行を防止する為という名目で、膝より長い丈のスカートの者は厳しく罰せられ、守っていない女子生徒はその場でスカートを男性教諭等の手で短く切り取られるということまで起きた。その為、聖和泉高生の女子は歳には不釣り合いなほど短いスカートで恥ずかしい思いをして街を歩くことを余儀なくされ、一部のロリコンマニアからは垂延の的という評判を取っていると言われていた。しかし、これが教頭の浅野の発案によるものであることは、意外に知られていない事実であった。勿論、圭子は女子生徒のスカートの丈までが校則で決められていることすら知らないことであった。


 高原を抜けていく涼しげな風は、女子高生等の短いスカートを翻し、あちこちに喬声を引き起こしながら、圭子の長い髪をもなびかせていった。
 圭子はしかし、この気持のいい風と白い雲の間に透き通るように青く澄みわたった空の中に何故かしら、不安なものを感じずにはいられないのだった。
 (何も悪いことがこの林間学校の間は起こりませんように。)
 そう祈らずにはいられない気が何故か圭子にはして仕方ないのであった。
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 生徒たちにはそれぞれの宿泊用の部屋に行き、荷物をまとめてから、開校式を行なう為に旧体育館の講堂に集まるように命じておいて、圭子自身も自分の為に割り当てられた部屋に向かった。
 圭子が泊まるのは、宿泊棟の一階の端にあるこじんまりした洋室の部屋で、谷野ヤス子女史の部屋の隣になっている。
 部屋の中にはさっき男子生徒が運び込んでくれた圭子のボストンバッグが既に置いてあった。
 圭子はここに来るまでに穿いてきたジーンズのタイトなミニスカートからトレーニングウェアに着替えようと思ってバッグの奥を探った。
 圭子はミニが好きなので、学校ではしょっちゅうミニを穿いている。男子生徒には刺激的過ぎるのではということで前の学校ではよく注意されたが、こちらの学校ではそんな事でうるさく言わないのが良かった。圭子は自らも自分の脚線美には自信を持っていたし、男の先生や男子生徒の注目の的になるのは悪い気はしなかった。
 今日穿いてきたものも、その中でも一番短いタイトなミニで、ちょっと大胆かなとも思ったが、どうせ行きのバスの中だけだからいいかと思ったのである。
 が、林間学校の間ともなると、ふとした事でしゃがんだりした拍子に太腿の奥を覗かれて仕舞う可能性もあるので、活動的な服に着替えておくに越したことはないと思ったのであった。が、バッグを探っているうちに圭子は蒼くなった。
 トレーニングウェアのジャージの上半分はあるが、ズボンが見当たらない。が、無くなっているのはそれだけではない。よく調べて見ると、下着も替えのパンティが一枚も無いのである。ブラジャーも一枚もない。
 下半身に着けるものは、テニス用の短いスコートが一枚あるっきりである。その下に着けるアンダースコートも無かった。
 明かに誰かに奪われたに違いなかった。が、誰の仕業かは皆目見当もつかない。誰の仕業か分からない以上騒ぎたてることもできない。
 以前にこの学園でパンティ泥棒にあって騒ぎたてた女教師が父兄の雇っている弁護士の猛攻撃にあい、最後には懲戒免職になったことがあるのを圭子は聞かされていた。
 外歩きの為と思って持ってきたジーンズがあったので穿こうと思ってハッとなった。股間のジッパーの部分がペンチの様なものでこじられて壊されている。その為、穿いてもチャックの部分が開きっぱなしになり、人前で穿くことが出来ない。しかも、ちょっとやそっとでは修理できそうも無かった。
 仕方ないので、とりあえず圭子は穿いてきたミニスカートのままで開校式に向かうことにした。体育館に向かいながら、圭子は募ってきていた不安が次第に現実のものになっていくのを感じていた。こんな山奥であるから、洋品店ひとつない。街に出るのにも車もない。圭子達を送ってきたバスは三日後にしか来ない。それなのにパンティは今穿いている一枚しか無いのである。他の女教師に借りることも出来ないし、若い女の下穿きなど誰かに代わりに買ってきて貰う訳にもいかない。
 そうなると、圭子はパンティ一枚で三日間を過ごさねばならない。どんなに汚れてきても穿き替えることも出来ない。匂ってくるかも知れない。それを男子生徒には気付かれずにやり過ごさねばならない。それよりも潔癖症の圭子にとって、汚れたパンティを穿き続けることなど考えただけで堪えられない。が、それはどうしょうもない事実なのだった。
 犯人を挙げて、自分の下着を取り戻すことは殆ど不可能のあることは疑いようもなかった。体育館に向かう圭子の足取りは重かった。
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 体育館では、スタッフの先生達は壇上に上がることになっている。普通は生徒たちを見下ろす格好になっている訳だが、圭子の場合、逆に下から覗かれる格好になっている。

 圭子のスタイルのいい脚はそれでなくても目を引いた。隣に立っている同僚の谷野先生は自分の野暮なトレーニングウェアの姿と比較されているのが口惜しく、ぶすっとした顔をしている。
 男子生徒等の目は、開校式の校長代行の教頭の挨拶の間も殆ど、圭子の剥き出しの太腿、そしてその上の見えそうで見えない脚の付け根の部分に集中していた。
 圭子はしかし、内心の恥ずかしさを隠して毅然とした態度を保っていた。うろたえていては余計に恥ずかしい思いをするだけであることはよく分かっていた。圭子は男子生徒等を睨みまわした。この中に誰か、圭子の下着を奪ったものがいる筈だ。そいつは圭子の窮地を眺めてはにやにやしているに違いなかった。が、誰かは眺めただけでは分からない。

 開校式に続いて林間学校では、恒例で座禅が行なわれることになっている。
 学校の裏から急な石段を登ったところに大きな禅寺があり、そこの本堂を使わせてもらうことになっている。圭子は下から覗かれないように生徒等の一番後から石段を上がって行った。
 薄暗い本堂の中に生徒達がきちんと整列して正座で並んでいる。圭子等先生も生徒達の横で同じように座禅を組むことになっている。
 圭子はそれでなくても短いスカートが座ると更にずりあがってしまうので、膝の上に両手をそれとなく組んで隠さなければならなかった。
 圭子のそんな姿を、座禅の手伝いをしている若い修行僧のひとりが目敏く見つけた。彼は勺棒を手にそれとなく圭子の真正面に立った。明かに視点が自分の脚の間に集中しているのを圭子は痛いように感じ取った。
 (修行僧のくせに、. . . )
 圭子はどなってやりたかったが、そうもいかない。

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 「一同、合掌。」
 本殿中央のこの寺の住職が合図すると、生徒等一斉に手を合わせる。勿論、圭子もそれに倣わざるを得ない。スカートの裾から手を離すことになる。そのままの格好で暫く黙祷が続く。
 圭子の前の若い修行僧は、若いピチピチした女教師の太腿を凝視していた。脚の間に、パンティが真っ白な逆三角の形で覗いている。女教師は恥ずかしいのかうつむいて目を伏せている。若い修行僧はゆるい僧服の下で股間を勃起させた。
 (見られている。)
 圭子はそう思うと、身体じゅうが熱くなるような気がした。目を閉じてじっと男の視線を耐えていると、何だかこの本堂にひとりで太い柱に両手を縛られて座らされている自分を想像してしまう。

 両手が背中で縛りあげられているので、捲り上がったスカートを抑えることも出来ない。白いパンティは殆ど剥き出しである。その恥ずかしい格好を目の前の若い修行僧が立ってじっと見下ろしている。男がやおら、手にした勺棒を圭子の股間に伸ばしてくる。敏感なその部分に棒の先を押し付けられると、圭子は耐えられなくなり声を挙げそうになる。
 (や、やめて。許してください・・・。)
 そう口にしながらも、身体はその棒で股の間をこじり回されるのを今かいまかと待っている。次第にその部分が潤んでくるのを止められない。
 (あっ、駄目。漏れてしまう・・・。)

 座禅が終わって本堂を出ようとすると、先ほどの若い修行僧が戸口のそばに立って皆を見送っている。
 「また、ごゆっくりお越しください。」
 圭子が出ようとすると、その修行僧はそう声を掛けた。圭子は恥ずかしさで顔を見ることも出来ず、無視して通りすぎた。

 本堂の薄暗闇から明るい境内に踏み出ると、緑がまぶしかった。生徒等は自由時間になったので友達同士集まってはしゃぎまわっている。
 圭子は学校を見下ろす崖の縁に立ってみた。
 目の前に古い木造の校舎が並んでいる。珍しく洋風の造りで、教室になっている二階建てが二棟、寄宿舎になっている棟がその奥に一棟、体育館、プールがその奥にならんでいる。体育館の脇には時計台があって塔のようにそびえている。
 学校はすり鉢形になったちいさな盆地のようなこの高原の端にある。見渡す限り緑の牧草地が広がっていて、処どころに鎮守の森といった程度の茂みがあるだけで農家一軒も近くにはないらしい。
 反対側の山肌が遠くに見える。ときどき、かっこうの鳴き声がするだけで、生徒等の明るい笑い声の他は聞こえない、都会の喧騒とはうって変わった静けさである。

 夕食のあと、生徒等の入浴が終わって自由時間があり、そして消灯となって生徒等が全員部屋に引き取ってから、先生達スタッフは宿直室として出来ている和室の部屋へ来て、一日の疲れを癒す為という口実で一杯呑むことになった。
 圭子も呑めない口ではなかったので、男性の先生達に付き合ってビールを口にした。
 しばらく呑んでいたが、話が一向に面白くなく、大里という教師が嫌らしい目つきで圭子のスカートの奥をしきりに覗こうとそばにやってきて隙を狙っているので嫌になって、風呂へ行くからといって圭子は一人席を立った。
 他の先生達はさっき生徒等が入浴時間となったすぐ後、みんなで入っていたのだが、圭子だけはうまく言い繕って入らなかったのである。
 下着の替えもないので、風呂に入るついでにたった一枚残ったパンティを洗っておこうと考えたのである。
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 この寄宿舎だった棟の風呂は半地下室にあり、結構広い。そばの山から温泉を引いているので湯も豊富で清潔だ。
 圭子がひとり降りて行くと、誰もいない風呂場に圭子の足音だけが大きく響いている。まずは、ひとりでゆっくり湯につかると身体を伸ばしてあくびをする。
 (結構、一日目だが疲れた。あの座禅が疲れた原因かもしれない。あの若い修行僧に覗かれそうになる度に恥ずかしさに縮こまる思いだった。)
 圭子はあの男が勺棒を持ったまま、僧衣の下で勃起させていたのを思い出した。
 今ごろ、今日の圭子のはしたない姿を思い出して、自慰にふけっているかも知れない。圭子はそれだけで、自分の身体が汚されたような気がした。
 (下着も汚れてしまったかもしれない。)
 そう思い出すと、下穿きを洗う為に、脱衣所へ取りにいった。

 (おかしい。確かにここに脱いだ筈なのに。)
 その圭子が脱衣したものを置いた棚には、脱衣篭ごと消えてなくなっている。
 (まさか、・・・。 )
 圭子は嫌な予感を感じた。
 その時、脱衣所の洗面台の前の鏡に口紅のようなもので(体育館へ取りに来い。)と書かれた文字があるのに気付いた。
 圭子は慌てた。身体を被うものはちっぽけなフェイルタオル一枚しかない。が、このままじっとしている訳にもいかない。先生達に助けを求めるのも、素っ裸では恥ずかしかった。
 廊下に誰もいないことを確認すると、意を決して圭子は体育館へ向かうことにした。
 圭子の履いてきたバスケットシューズだけは残されていた。それを履いて裸のまま圭子は外に出た。体育館は山側の奥である。あたりは全く明りの無い暗闇である。それをいいことに圭子は小走りに体育館へ向かった。
 体育館の内部はどこかに明りがついているのか、かすかに窓に明りが漏れている。圭子は最初どこから入ったらいいのか分からなかった。大抵の扉は重く鍵が掛けられていて全く開かない。
 やっとのことで裏の小さなドアだけが何故か開いているのが分かった。
 圭子が中に忍び込むと、体育館の中央部だけがぼおっと明るい。圭子は、劇などに使う舞台の上の照明のスポットがひとつだけ灯いているのだということに気付いた。
 そしてそのスポットは舞台の真正面のバスケットゴールの下を照らしていた。なんとそのバスケットゴールから紐が垂れており、そこに圭子のものらしき衣服が結びつけてあるようだった。
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 「誰、誰か居るの。」
 圭子がそっと叫んだが、返事は無かった。
 行くしかなかった。バスケットゴールのリングの下に立つと、スポットライトがもろに圭子の身体を照らした。
 服はちょっとやそっとでは届きそうな高さではなかった。圭子は恥部をタオルと手で隠して立っていたが、仕方なかった。誰かが何処からじっと見ているかも知れなかったが、タオルをはらりと落すと、両手の勢いを付けて思いっきりジャンプしてみた。
 圭子はジャンプにも自信があったが、服はかなり高い位置にあった。
 圭子は自分の乳房も股間も剥き出しになるのも構わず、思いっきりジャンプした。あと少しで届きそうなのだが、なかなか取れない。スポットライトに照らされた白い素肌に汗の玉が光るようになった。次第に圭子は我を忘れてただ飛び続けた。
 数十回のトライの末、やっとのことで指が届き、服を引っ張り落すことが出来た。
 圭子は息を切らしていた。が、そのまま服を抱え込むとスポットの光りの中から逃れ出て、体育館の隅に行くとまずは服を身に着けた。下着はやはり少し湿っていて汚れていたが、仕方無くそのまま身に着けた。スカートを穿き、ポロシャツを着込むとやっと安心できた。それでもまだ裸を見られているような気がして、思わず両手で胸を抱え込まずにはいられなかった。
 (ひどいわ。悪戯にしてもほどがあるわ。)
 ひとり、宿舎のほうへ戻りながら、圭子はもう風呂には戻らないことにした。

 圭子はまだ宿直室に残っていた同僚の先輩先生達に挨拶はしたが、もう加わらずそのまま部屋に戻って寝ることにした。それを潮に、例のオールドミスの谷野女史も部屋に引き上げると言って、一緒に宿直室を後にした。圭子もすぐにも一人になりたかったのだが、むげに断わることも出来ない。圭子は谷野女史と薄暗い廊下をとぼとぼと寄宿舎の棟に向かって歩いていった。
 「貴方くらいスタイルがいいと、ミニスカートもどんな場所で穿いても似合うわね。」
 谷野の言い分は、およそ場違いのところでいつまでミニを穿いているつもりなの、ということなのだろう。が、圭子にとってはこれしか穿くものが無いのである。
 が、しかしそんなことは谷野女史には言えない。圭子は黙って無視することにした。
 (ふん、ちょっとばかし若いからっていい気になるんじゃないわよ。)
 そんな言葉が圭子には聞こえたような気がした。
 「それじゃ、おやすみなさい。また明日。」
 そう言って、それぞれの部屋の前で別れた。
 持ってきたパジャマのズボンさえ奪い取られていた。仕方無く、圭子はパジャマの上だけ着て寝ることにした。
 その夜はなかなか寝つかれなかった。口惜しさが何度も込み上げてくるのだった。

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 その夜、圭子はあの修行僧にバスケットボールのリングから垂らされた縄に両手を括られ、吊されたまま弄ばれる夢をみた。
 男が圭子の乳房をわし掴みにする。両手は縛られているので抵抗することも出来ないし逃げることも出来ない。男の為すがままである。圭子の短いスカートが、男の手でたくしあげられていく。パンティの端が掴まれ、下へずり下げされていく。
 「ああっ、やめて・・・。ぬ、ぬがさないでぇっ。」
 しかし圭子の願も空しく、パンティはあっと言う間に膝小僧まで下ろされてしまうのである。
 「お、お願い。見ないで。きのうから穿いたままなの。ああっ、やめて。内側の汚れは見ないで。」
 言ってしまってから、圭子は自分から恥ずかしいことを暴露してしまったことに気付き恥ずかしさに真っ赤になる。

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