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妄想小説

夏期学校



 第十一章 新たなる試練


 散々迷った挙句、圭子は膝丈よりほんの少し短い、タイトスーツで出勤することにした。フォーマルな感じのもので、全校始業式の際に二学期の新しい役員として檀上で紹介されるうちの一人ということになっているので、おかしくない格好ではある。一応ミニの範囲には入るので文句はない筈だ。ノーパンになるかは迷った。タイトスカートなら覗かれることはないだろうとは思ったが、何が起こるか判らない。犯人を怒らせて、もし本当に写真を貼り出されでもしたら学校にはもう居られなくなるのは間違いないと思った。恥ずかしい目に遭わされ、そのまま仕事まで奪われてしまうのは何とも悔しい。それより、ここは犯人に従う振りをしておいて、チャンスを窺って犯人をあぶり出し何とか罰するか、最低でも犯人も道連れにはしたい思いだったのだ。

 何があるか判らないので、早めに出てきた圭子だった。まだ校内には殆ど人の姿は見えなかった。昇降口から上履きに穿き替えて上ろうとしてなにやら紙切れが自分の靴箱に入っているのを発見する。
(今すぐ矩形校舎の西側の屋上へ上がれ。着いたら東側の渡り廊下に向かってスカートを捲りあげて見せろ そしたらすぐにここへ戻って来い)
 紙切れにはカナ釘流の筆跡を崩した字でそう書かれていた。
(やはり策略を考えていたのだ・・・。)
 圭子は言われた場所に急ぐしかなかった。屋上は普段は施錠されているが、教職員の一人である圭子なら鍵の場所も知っていた。職員室から鍵を持ち出すと矩形校舎の屋上を目指す。矩形校舎は四階建てで、真ん中に中庭を挟んで南北に教室が並び、東西には教室間を繋ぐ渡り廊下になっている。圭子がその西側の渡り廊下の真上に当たる屋上に出てみると、真正面に朝日が昇ったばかりで眩しかった。東側の渡り廊下をみると、逆光になるのでガラスが反射していてその内側に誰か居るかは見て取れない。そこまで犯人は計算してのことなのだった。
 中庭にも矩形校舎の外側にも人影は見えなかった。東側の渡り廊下のガラスの向こうの何処かに犯人は潜んでいるかもしれない。いや、潜んでいるに違いない。その犯人に向かって圭子はスカートの前側を掴んで上へ持上げた。股間の陰毛はまだ生え揃ってはいない。薄く生え始めた程度だ。割れ目もくっきり見えているに違いなかった。

no panty

 十秒ほどノーパンの股間を晒してから、圭子は走って自分の靴箱がある昇降口へ舞い戻る。そこを開けてみて、思った通り別の指示の紙切れが残されているのを見出すのだった。
(今朝の全校始業式の壇上で一度、必ず脚を広げてスカートの奥を覗かせること)今度はそんな指示が書かれているのだった。
(犯人は一度ノーパンで来たことを確認した筈だ。だから、もう一度股間を覗きたいからではなく、自分に醜態を演じさせて辱めたいのだわ。)そう考えた圭子だが、さすがに衆目の中で下着をつけていない股間を晒すなど、出来る筈もなかった。

 全校始業式の時間はあっという間に来てしまった。圭子を含む十人ほどが講堂の壇上に置かれたパイプ椅子に座っている。目の前には全校生徒が揃って座っている。他の教師たちはその外側に並んでいる。
 教頭の司会で始業式が始まった。校長の不必要に長い説教じみた講話がそれに続く。圭子は壇上に座って、どうしたらいいかそればかりを考えていた。
 圭子が着用しているタイトスーツは立っている時はスカートの奥が覗きくく、安心して立っていられる。しかし椅子に座るとどうしても裾がずり上がってしまい、膝が大きく露わになってしまう。圭子は不用意に裾の奥を覗かせてしまわないように両膝をぴったり揃えて、その上に両手を載せておいた。これなら誰からも覗かれる心配はない。しかし、犯人の指示は膝を開いて覗かせろというものなのだ。そんな事をしたら全校生徒に無毛の股間を覗かれてしまうのだ。


on stage

 そうこうしているうちに役員紹介の時間が来てしまう。端から順に名前と役職を紹介され、その都度呼ばれた者が立ってお辞儀をする。そして圭子の名前も遂には呼ばれ、膝を開かないように注意しながら立上って一礼し、そのままゆっくりと席に着く。
 その時だった。バターンという大きな音が講堂の後ろのほうでした。何が起こったのかと講堂中が騒然となった。皆、立上って後方を覗き込んでいる。
(今だわ。)
 圭子は咄嗟に皆の注目が音がした後ろのほうへ惹きつけられているのを確認してからさっと膝を大きく開き、すぐに閉じて両手で裾を抑える。
(誰か見てた者が居たかしら・・・)
 そう思っても、全校生徒を一瞬で見定めることなど出来る筈もない。大多数の者が後ろを覗いていたのは間違いない。しかし、中には前方を注視している者が居たかもしれなかった。

 その後、圭子は膝を一度も開く事なく、無事全校始業式を終えた。自分に指示をした犯人が自分の痴態を目撃したかどうかは判らなかった。しかし自分としては言われたことは成し遂げたのだと主張したいと思った。もし、そんな機会があったらの話ではあるのだが。
 教室へ戻る前に、バターンという音がしたのは寺田が癲癇のひきつけを起こしてひっくり返ったのだと知らされた。どうも遅刻してきたので、最後列に並ばされていたらしい。突然泡を吹いてひっくり返り、何人かの先生方に保健室へ連れていかれたようだった。圭子は一旦教室へ出てから様子を見に行くことにした。
 圭子が教室に入っていくと、皆の目が一斉に自分に注目していることに気づいた。普段とは違う、妙な目線だった。心持ち、自分の下半身に向けられているような気がした。
 「先生、今日はノーパンなんですかあ。」
 素っ頓狂な声をあげたのは、寺田の子分とも言える大石だった。
 「大石君、何てことを言うの。そんな訳ないでしょ。」
 動じたところを見せないようにきっぱり言い切った圭子だったが、胸の内では心臓が大きく鳴っていた。
 「だって、先生。あれっ。」
 大石が指差した黒板の隅に書かれていた文字を見て圭子は真っ青になる。
 (高野先生は今日はノーパンです)と書かれてあったのだ。
 「だ、誰っ。こんな悪戯をしたのは。」

blackboard

 圭子は黒板に走り寄っていって、すぐさま黒板消しを使ってチョークの文字を拭きとる。
 「皆さん、静かに。誰が書いたか知りませんが、こんな悪戯は校長先生と相談して厳罰に処しますよ。いいですね。先生は寺田君の様子を観に行ってくるので、暫く自習していてください。それじゃあ。」
 早口にそう言うと、教室を振り返らないように廊下へ出て行った圭子だったが、生徒全員の視線が自分の腰の辺りに向けられていたような気がしてならないのだった。

 保健室の先生に容体を問うと、心配することはないとの事で念の為に午前中いっぱい安静にさせておくとのことだった。夏期学校もあったばかりなので疲れが溜まっていたからではないかという。
 カーテンを開けてベッドに横になっている寺田は案外けろっとしていて、起きていたようだった。
 「寺田くん。大丈夫なの。」
 「ああ高野先生。俺だったらぴんぴんしてるとも。あそこもね。」
 そう言って薄い毛布の下で股間あたりを指で突き上げる。
 「下品な真似しないで。そんな元気があるのなら大丈夫そうね。心配して損したわ。」
 「ねえ、先生。今日はノーパンって本当?」
 「えっ、あなたまで何でそんな事を・・・。」
 「さっき、大石と工藤の二人が来て、黒板にそう書いてあったって教えてくれたんだ。」
 「ねえ、それ・・・。何時から書いてあったのかしら。」
 「さあね。俺は遅刻したからまっすぐ体育館に行ったから判らないけど、大石たちは教室から来たんだから、朝からじゃないの。」
 圭子はどきっとした。もしかしたらクラスの者全員が壇上の自分の事をノーパンではないかと膝頭を注目していたのかもしれなかった。
 「そんなバカな話、信じちゃ駄目よ。悪戯に決まってるじゃない。」
 「ふうん・・・。そんならスカート捲って見せてみてよ。」
 「バカっ。そんな事、する筈ないでしょ。」
 「ちぇっ、けち。でも、ストッキングは着けてないんだね。」
 「あっ・・・。き、今日はこんなに暑いのに式典でスーツだったからね。暑いから素足にしちゃっただけよ。」内心、上手く騙せたかと思ったが、寺田の観察力が鋭いのに惧れを覚えた圭子だった。

 教室に戻る前に職員室へ寄った圭子は、同学年担任の先輩教諭の谷野から校長が呼んでいたと告げられ、先に校長室へ向かうことにした。

chairman's room

 「失礼します。お呼びだったそうで。」
 「ああ、高野先生。ちょっと内密な話があるんで、そこ鍵を掛けてからこっちへ来てくれないか。」
 内密な話と言われて圭子はどきりとする。何やら嫌な予感に襲われながら校長室の内鍵を掛ける。
 「ま、そこに座ってくれないか。じつはこれの事なんだがね。」
 校長は圭子を応接セットのソファに座らせると、自分の執務机の抽斗から何やら取り出してきて、圭子の真正面に座る。テーブルの上に置いたのは透明なビニル袋に入れられたものだった。すぐに帰りのバスで石田が寺田から取り上げた落し物の事だと気づく。
 「これが何だか判る・・・よね、高野先生。」
 意味ありげに校長は圭子の顔をじっと見ている。
 「じょ、女性物の下着だと・・・思いますが。」
 「実はね。これは君のじゃないかと噂になっていてね。」
 「えっ。噂って。誰がそんな事を・・・。」
 「いや、不特定の生徒等がそんな事を言っていると耳にした先生がおられてね。」
 「不特定?ってつまりは・・・。」
 「いや、誰かに訊くと誰々がそう言ってたと。それでそっちに訊くと今度は別の誰々がってね。」
 「つまりは出所が判らない噂ということですね。」
 「ま、そういう事だ。それで、どうなんだね。これっ・・・。」
 校長は試すような目で圭子をじっと見つめている。圭子はシラを通し切れるとは思えなかった。かと言ってここで全てを白状する訳にもゆかないとも思っていた。
 「女子生徒の誰かの物だということになると、それはそれで問題でね。」
(生徒の物ではないとなれば、もう不問にすると言うことなのだろうか。)
 「判りました。正直に言います。それは私のです。ですから、もうこれ以上の詮索は不要です。」
 「それがですね、先生。もうひとつ、確かめておかねばならぬ事があるのです。」
 「な、何ですか。もうひとつって・・・。」
 「それは、つまり・・・。その・・・。」
 「はっきり仰ってください。」
 「では、はっきり申しましょう。この下着ですが、かなり長い間穿き続けていたような節があるのです。あの夏期学校の三日間あった訳ですが、同じ下着を穿き続けるということがあり得ますかな。」
 「えっ・・・。」
 これには圭子も答えに窮してしまった。
(替えを持ってゆくのを忘れたと言えば信じて貰えるだろうか。)
 「じ、実は・・・あの時・・・。」
 「先生は、テニスをする時の格好で朝の体操の指導をされたとの事ですが、それは本当ですかな?」
(それは夏期学校に行った誰もが知っている事実だ。)
 「えっ、はい。そうですが。」
 「ほう。それは何故?」
 「あ、あの・・・。他に適当な身に着けるもの・・・。スポーティな服が他に無かったからです。」
 「ほう。山登りの時はミニスカートで行かれたそうですが。」
 「えっ。そんな事まで・・・。は、はい。その通りです。」
 「で、帰りのバスは今度はまたテニスウェアで?」
 「何が仰りたいのですか。」
 「不自然ではありませんかな、高野先生。」
 校長はまたも探るような目で圭子をじっと見つめている。圭子はこれ以上の言い逃れは苦しいと認めざるを得なくなった。
 「わかりました。正直にお話します。実は、夏期学校で現地に着いてすぐ私のバッグから衣服が一部盗まれていることが判ったのです。」
 「ふうむ。一部・・・と言いますと?」
 「下着が全てと、テニスウェアのアンダースコートと・・・、そして体操用のジャージのズボンです。」
 「ズボンは他には持っていらっしゃらなかった?」
 「ジーンズを持っていったのですが、前のチャックの部分が壊されていました。」
 「ははあ、それでテニスウェアで体操をしたり、山登りにミニスカートで行ったりしなければならなかった訳ですな。」
 「はい、そうです。正直に話さなくて申し訳ありませんでした。」
 「で、犯人の心当たりは?」
 圭子は咄嗟に山登りの時に悪ガキ三人組と一緒で皆からはぐれてしまった際に、寺田が口を滑らせたような事を言ったのを思い返していた。しかし正確には何と言ったのかは思い出せない。下着や服を盗んだのがこの子たちだったのではないかとその時思ったのだった。
 「い、いえ。見当もつきません。」
 「生徒達の誰かとか・・・。」
 「わかりません。証拠もなく迂闊なことは言えません。」
 「それもそうですな。最初から生徒だと決めつける訳にはいきませんからな。まさかと思いますが、先生方の誰かでないと言い切れる訳でもありませんしね。」
 「えっ、まさか・・・。でも、そうですね。誰と言う証拠は何一つありませんから。」
 「それで、たった一枚の下着ですが、それが落ちていたというのは、どういう事です?」
 またしても圭子は答えに窮してしまう。盗まれなかったたった一枚の下着が落ちていたという事はその後は下着を付けていなかった事を意味するからだ。
 「あ、あの・・・。」
 「言いたくない気持ちはわかります。しかし、学校側としてはどの程度の犯罪が・・・、いや、どの程度の事があったのかはある程度は抑えておかねばなりません。わかりますね、私が申し上げている意味が。」
 「え、あっ、はい・・・。」
 「先生は山登りの途中で痴漢に遭われたそうですね。」
(あの悪ガキたちの嘘がもう校長にまで伝わっていたとは・・・。)
 「え、えっと・・・実は・・・。」
 「生徒達が見つけた時には、手錠まで掛けられていて、犯される寸前だったとか・・・。」
 「いえ、ええ・・・。そ、その通りです。」
(こうなったら、あの嘘に便乗してしまうほうが好都合かもしれない)
 「で、その痴漢にはどこまでされた・・・。あ、いや、そこまでは話さなくていいです。ただ、下着はその時、奪われたんですね。」
 「えーっと・・・。多分、そうだったと思います。」
 「ははあ、それで大体判ってきた。つまり、先生の最後の一枚の下着を奪ったのは、生徒ではないという事ですな。勿論、先生方でもないと。」
 「そ、その通りです。」
 「そうすると、その後、生徒の誰かがその下着を拾ったという事になりますな。」
 「ええ、そうなのでしょう。」
 「そうなると、もうこの件に関しては、生徒達に問い質す必要な無いということになりますな。それで宜しいですね、高野先生。」
 「え、はい。そうしてください。」
 「わかりました。それではもうひとつだけ。今度は先生に関してお尋ねしたいことがあるのですが。」
 「いったい、どんな事でしょうか。」
 「実は、今生徒等の間で、先生がノーパンで居るなどという噂が飛び交っているというのですが。これは、本当でしょうか。」

no panty answer

 圭子の顔がみるみる蒼褪めていく。校長を目の前にして、ソファに腰掛けていて、膝の位置がいつもより高くなっていた。はっとして、慌てて両膝の上に手を翳す。その様子はあまりにも不自然だった。
 「そ、そんな事・・・。そんな訳、ありませんわ。」
 そう言いながらも額から汗が滑り落ちていた。
 「これをお使いなさい。」
 そう言って、校長がポケットからハンカチを取り出す。目の前に突き出されたハンカチを条件反射のようについ受け取ってしまった圭子だったが、その時に隙があった。校長が身を乗り出すと圭子のぴったり閉じていた両膝を思いっきり力を篭めて左右に開いてしまったのだ。
 「あっ、何をするんです・・・。」
 慌てて手で隠した圭子だったが、校長にはしっかり見られてしまっていた。
 「申し訳ない。無礼な振る舞いで。しかし、あなたも嘘を吐いていましたな。こういう仕事を長年やっていると、嘘を吐いている人間というのは自然と判ってしまうものなのです。校長という立場にいる以上、職員や生徒の事には責任があります。本当の事を知った上で対処を考えねばなりません。変な噂を立てている輩がいるだけなのか、本当の事が噂されているのか・・・。」
 圭子はうな垂れていた。恥ずかしい部分を校長に観られたのもショックだったが、嘘を見破られていた事のも大きなショックだった。
 今更正直に脅されていて、ノーパンにならざるを得なかったのだと告白しても、俄かには信じて貰えない気がした。それに本当の事を言えば、石田や寺田たち生徒等をどんどん巻き込むことになってしまうのだ。少なくとも今日の事の首謀者は、石田でも寺田たちでも無いことは明らかなようだった。
 「あなたは時々、自分からノーパンにならなくては居られなくなってしまうのではありませんか。そして、それを誰かに知って貰いたくて仕方ないのではありませんか。」
 「・・・・。」
 「やはりそうでしたか。そういう人は世の中には幾らかは居るのだと精神科医の兄が言っているのを以前に聞いたことがあります。性的な錯乱状態に陥ってしまうのです。性的な満足感を得られるまでは、異常な心理状態が続いてしまうのです。」
 「あ、あの・・・。」
 「だから、こういう事をしなくてはならなくなるのでしょう。これです。」
 そう言って、校長が背広の胸ポケットから取り出したのは、一枚のコピーだった。それを開き始めた時、すぐにそれが何なのかを気づいた圭子だった。それは前日に圭子に送りつけられた用務員室でまさにフェラチオをしようとしている自分の写真なのだった。
 ソファに座っていた圭子だったが、突然その上に校長がのしかかってくるとソファに押し倒されてしまう。そのまま校長は馬乗りになると、自分のズボンのチャックを下し硬くなりはじめた自分の陰茎を取り出したのだ。圭子が除けようとするのを両手を小手に押さえつけて下半身を顔に突き出す。圭子はそれを咥える他はなかったのだった。

 校長は圭子の口の中で果てた後、ソファのサイドテーブルに置きっ放しになっていた校長が圭子に差しだしたハンカチを取り上げると、まだ濡れそぼっている自分の陰茎を拭きとってから圭子に手渡す。圭子は頭が真っ白になりながらも、受け取ったハンカチが先に校長が使ったものであることが悔しくて、校長が使ったところを裏返してからその中に憎しみを篭めて口の中に残った精液をペッと吐きだす。
 校長は自分の執務机の向こうでズボンの中に陰茎をしまいながら、圭子のほうは見もしないまま圭子に話し掛けた。
 「あの龍厳寺の住職は私の古くからの友人でね。そんな間柄だから多少無理を言っても、座禅の修行も面倒を見てくれるんだよ。今度の君の事も色々気に掛けてくれてね。私にいろいろ話してくれたんだよ。それだから、ノーパンで居たくて仕方なくなったら、何時でも私のところに来るがいい。私が宥めて癒してあげるから。それが管理職の勤めだからね。」
 圭子には校長が何を言っているのか、半分も理解出来なかった。
 「龍厳寺のご住職さんて、お耳が不自由なんでしょう?」
 「何だって。誰がそんな嘘を。何時だって私と電話でいろいろ話をしてるよ。」
 圭子は狐につままれたような気持ちになった。何が本当で、何が嘘なのか全くわからなくなってしまったのだった。

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