捨て身誘惑

妄想小説


被虐の女スパイ



 五

 「もうお仕事の話は終わったんですよ、旦那様?」
 「ああ、だいたいな。今日はあとはゆっくり寛ぐことにしようか。キャサリンって言ったな、君。なかなかその制服似合ってるね。」
 「ああ、ありがとうございます。」
 99号はわざと短いスカートの裾がずり上がるように背伸びをしてから客に近づき、客の眼が裾から覗いてしまっているショーツの端の方へ泳いでいるのを確認していたのだ。
 「ここへ、儂の隣へ座んなさい。」
 「はいっ、ただいま。今、お酒をお作りしますね。」
 隣に腰掛けることで、短いスカートは更にずり上がる。お客の為に酒を作るのに、両手が膝の上からおろそかになったのをいいことに、男は遠慮も無く無防備な99号の生脚の太腿の上に手を置く。
 「もうすぐにお国へお帰りになってしまうのですか?」
 名残惜しそうにしているのを装いながら、取引の為に何時まで居るのかを確認する。
 「うむ。明日が大きな取引の日だからな。それが終わった明日の夜までは居るつもりだ。だから明日の夜も、もう一度ここへ来ようかな。」
 「あら、嬉しいわ。」
 「本当かあ? だったら、酒はもういいからお前の自慢のボディを俺に見せてくれ。こんな邪魔なもの、もう取っちゃえよ。その為に人払いしたんだからな。」
 「あら、私の身体が見たいの。うん、いいわよ。じゃ、胸のボタン。外してくださる?」
 「もちろんだとも。胸のボタンだけじゃなくて、スカートのホックもな。ほれっ。」
 「あ、いやん。まあ、ここ、もうこんなになってる・・・。」
 99号はさりげなく相手の怒張している股間を触って刺激する。
 「もうズボンがきつくてかなわん。チャックを下ろして自由にしてやってくれんか。代わりに儂もお前のショーツを、ほれっ。下してやるわい。」
 「あん、恥ずかしいっ。」

捨て身接待

 あっと言う間に着てるものを全て剥ぎ取られ、硬くなった陰茎の上に跨らされてしまった99号だったが、取引の場所を確認するのを忘れない。
 「ねえ、明日も取引、終わったらすぐ来れるの?」
 「ああ、もちろんだとも。こっからすぐだから5分もかからんだろう。」
 「なんだあ。ここだったらいいのに・・・。」
 「いや、荷物を船に積まなきゃならんからな。それさえ終わればすぐ駆けつけるさ。」
 「ええっ、船もお持ちなの?」
 「まあ、そこの桟橋に着けられるぐらいのだから、そんなに大きくはないがな。」
 話の流れから99号は取引の場所が今いる秘密倶楽部からほど遠くない3号桟橋の傍であることまでをさり気なく訊きだしたのだった。

99号

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