妄想小説
被虐の女スパイ
二
「君がフロアレディに応募してきた鈴木華子君だね。」
「はい、そうです。よろしくお願いしますぅ。」
「募集要項に均整のとれた魅力的な身体とあるのは知ってるね。」
「はい、もちろんです。それには自信があります。」
「そうか。ならばここで服を脱いで見せて貰えるかな。」
「あ、下着姿になれっていうことですね。」
「いや、下着も全て取るんだ。矯正下着なんかで無理やり作っている身体では合格ラインには入れんからね。あ、いやなら今すぐ帰っていいんだよ。」
「え、いえっ。どうしても合格したいんです。私、ちょっとお金に困っていて・・・。すぐ脱いでお見せしますわ。」
99号は躊躇わずにブラウスのボタンを外すとスカートのホックも外し一旦下着だけになってからブラジャー、ショーツと外していく。
「ああ、両手は背中に回して。身体を隠さないで。」
「は、はいっ。わかりました。」
たわわな乳房も、薄く処理してある恥毛に隠れた陰唇も手で蔽うことすら許されないのだった。
「そこは、自分で処理してるのかね?」
薄く剃ってある恥毛のことを言っているのだとはすぐに察知する。
「そ、そうです・・・。」
「勤めるとなれば、全部剃り落して貰うが構わんかね?」
「え、全部剃るのですか? ・・・・。そうしろとおっしゃるのなら。」
面接者の男たちは食い入るような目つきで99号の股間を見つめている。裸を晒すことで動揺したりすることのないように訓練もしている。しかし全く恥じらいがないように見えても怪しまれる惧れがあった。
「あ、あの・・・。恥ずかしいのでもういいでしょうか。」
「いや、まだだ。脚を広げて少し腰を落としてみてくれ。膝を閉じないようにして。」
「え? こ、こう・・・ですか?」
言われた通りに99号はがに股の姿勢を取る。
「陰唇の両側に手を添えて左右に広げるんだ。」
「え? そ、そんな事・・・。わ、わかりました。」
「我々はちょっと特殊な組織なのでな。セキュリティには念を入れねばならないのだ。以前に股間にマイクやカメラ、通信機器などを隠し込んで入ってきた輩が居てな。」
「な、何も入れたりしていません。ほらっ、この通りです。」
99号は相手のしたたかさに舌を巻く。チーフが通信機器などを持ち込まないようにと注意した意味がやっと分かった気持ちだった。
「よし、いいだろう。じゃ、今度は後ろを向いて。壁に両手を突くんだ。」
「こ、こうですか。」
「尻の穴もチェックさせてもらう。」
「え? そんな・・・。」
さすがにそこまでされるとは思っていなかっただけに躊躇いが出る。しかし言うとおりにする他なかった。両手を尻たぶにあてて左右に割り開く。男らの視線が肛門の菊座を注視しているのが痛い様に感じられた。
「今度は髪の毛を上に挙げて貰おうか。イアリングはしていないな?」
「あ、はいっ。」
99号は背後の気配で男たちが視線を交わして相談しているのを感じていた。
「確かにいい身体だ。それなら合格点と言っていいだろう。採用だ。今、女を迎えに来させる。コスチュームを試着しておいてくれ。」
「あ、はいっ。あの・・・、服はもう着ていいですか?」
「駄目だ。こちらで念入りにチェックするので全部置いて行くんだ。なに、ずっと裸のままで居ろっていう訳じゃないから安心しろ。鈴木華子と言ったな。お前はここではこれからキャサリンという事にしよう。金髪が似合うからな。」
99号は迎えにきた女に腕を取られて制服らしきものを誂えてもらいに地下へ向かったのだった。
次へ 先頭へ