妄想小説
被虐の女スパイ
十
再び目を醒ました99号は自分が先ほど居たのとは別の部屋で壁に両手、両足を広げさせられて磔にされていることに気づいた。手枷、足枷が鎖で頑丈そうな木枠に取り付けられていて、いかにもその手の責め苦を与える為に作られた「調教室」と呼ぶにふさわしい部屋のように思われた。
「私をこんな所に磔にして、いったいどうしようっていうの?」
「傷めつけても堪えないお前には逆に快楽を与えてやろうっていうのさ。」
「快楽ですって?」
「男にあそこを慰めて貰う悦びさ。片時もそれをして貰えずにはいられない身体にしてやろうっていうのさ。ふふふ。」
「それをして貰えずにはいられないですって? そんな、性欲の塊みたいなのには成り下がるつもりはないわ。」
「さて、それはどうかな。この薬をあそこに塗りたくられてもかな。」
「な、何なの。それは・・・。」
「ふふふ。まあ掻痒剤といったようなものかな。あの部分がじいんとなって痒みから逃れたくてたまらなくない、自分から腰を振ってチンポを挿してって叫ぶようになるのさ。」
「そんなもの、塗られたって堪えきって見せるわ。」
「それは愉しみだな。これに堪えられた女は未だ嘗て居ないのだからな。」
男はそういって99号の目の前に薬の壜から掬い上げたどろんとした粘り気のある薬剤を指の先に塗りたくって翳して見せるのだった。
「い、嫌よ。そんなもの・・・。やめなさいよ。」
「ふふふ。すぐに気持ちよくて堪らなくなるぜ。しかもこの薬には麻薬も混ぜ込んであるんでな。その気持ちよさが欲しくてたまらなくなる常用性を持たせる効果もあるんだぜ。」
「何ですって? や、やめなさいっ。」
「え、さっきまでの強がりはどうした? お赦しくださいって、泣いてお願いしてみな。でも赦してはやらないけどな。」
「くっ。悪魔のような奴ね。わかったわ。もうどうとでもするがいいわ。」
「いい覚悟だ。それじゃ、、ここに突っ込まさせて貰うぜ。」
「ああ、やめて・・・。ああ。」
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