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アカシア夫人



 第五部 新たなる調教者




 第五十八章

 夫が貴子を全裸に近い格好で拘束したまま出て行った意図を、貴子は薄々気づいていた。また尿意を催させて辱めようとしているのだ。その意図どおり、貴子は催し始めていた。深夜の山奥の別荘地だ。誰かがやって来る筈もない。他人の目は無いと分かっていても、外で立ったまま放尿するなど、考えられない。ただひたすら我慢を重ねて夫が帰ってきて戒めを解いてくれるのを待つしかないと思っていた。
 そろそろ我慢の限界に達しそうと身悶えし始めていた頃、漸く聞き覚えのあるレンジローバーのエンジン音が近づいてくるのが聞こえてきた。
 (貴方、お願い。早くして・・・。)
 貴子は太腿同士を擦り合わせるようにして堪えていた。

 「貴方、お願いです。もう洩れそうなの。これを解いて、私をトイレに行かせて。」
 夫の和樹が車を降りて、フレンチ窓を開けて目の前にやってきたのを気配で感じた貴子は、堪らずにそう言ったのだった。
 (駄目だ。今ここでしてみせろ。)そんな事を言われるのではないかと、貴子は想像していた。
 「お前、何か隠し事があるだろ。正直に白状しろ。」
 (電動自転車の事?もう、ばれてしまったのだろうか・・・。)
 貴子は正直に話してしまおうかと一瞬思った。しかし、隠し事をしているなどと、例え電動自転車を黙って買ったぐらいの事でも、夫の信用を失えば、その後、どんなに疑われ、その度にどんな仕打ちを受けるか分かったものではないと思い返した。
 「貴方に隠し事など、ある訳ないじゃありませんか。外出の時だって、あんなに恥かしい思いをして、言う事を聞いてオムツも外さなかったじゃありませんか。」
 「本当だな・・・。」
 「信じて・・・。」
 それで和樹が信じてくれたかどうか貴子には自信はなかった。しかし、和樹は貴子の肘を縛っていた縄を解いて、首輪から繋がる鎖も、何処かに留めていたのを外したようだった。手錠も外して貰えると思っていた貴子は期待を裏切られる。
 和樹は貴子の身体を押して、バルコニーの太い木の手摺りに乳房を載せるように俯かされたのだった。手摺りから身を乗り出すような格好だ。貴子が落ちないように和樹は貴子の手首に掛けられた手錠をしっかり握っていた。
 「え、どうするの・・・。」
 その返事は、和樹の具体的な行動で行われた。貴子の剥き出しの尻の谷間を割って、和樹の屹立したペニスが押し入ってきたのだ。
 「そ、そんな・・・。」
 潤ってはいない筈の膣の中に、硬くなった陰茎が意外なほどするりと挿し込まれてきた。和樹は潤っていないことを見越して、何かをペニスに予め塗っていたようだった。
 「駄目っ。洩れちゃう・・・。」
 深々と差し込まれたペニスの刺激と、今にも洩れそうな尿道口の疼きとが錯綜して貴子を狂わせる。
 「あああ、駄目えええっ」
 和樹の激しいペニスの抽送を貴子は唇を噛んで必死で堪える。下半身の感覚がなくなりかけているような錯覚さえ覚えていた。
 最後の一突きの後、和樹がペニスを引き抜くと、貴子は限界を超えた。尿道口からゆばりが迸り出る。その勢いを抑えることも出来なかった。ウッドデッキの床を叩きつけるようにゆばりが迸っていた。その激しい姿に、和樹が貴子の裸の尻に射精してしまったのも気づかないほどだったのだ。

madam

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