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アカシア夫人



 第五部 新たなる調教者




 第五十三章

 「もう我慢出来ないっ。お願いっ。俊介のモノで挿してっ。」
 俊介に陰唇を刺激され、夢中になった貴子は最初の決意をもう忘れていた。俊介が身を起こすと、自分から脚を大きく開いていた。俊介は慌ててズボンとトランクスを脱いで貴子の両腿を抱きかかえる。
 「ああ、して・・・。」
 貴子は待ちきれない気持ちだった。
 挿し込まれてきた熱い肉棒は、太く硬かった。初めて経験する夫以外のペニスだった。しかし、その後は単調なものだった。若い俊介には挿入で女性を悦ばせる術をまだ学んでいなかったのだ。
 「出そうになったら言ってね。咥えてあげるから。中に出しては駄目よ。」
 暴発するのを畏れた貴子は念を押しておく。そうしておいて、貴子のほうから腰の動きを俊介の拙い挿抜に合わせていった。
 「あうううう・・・。」
 「駄目よ、出しては。抜いてっ。」
 慌てて身を引いて、ペニスを抜き出させた貴子だったが、口に咥える前に俊介の精は宙を飛んでいた。まだ、脱いでいなかった貴子のブラウスの胸元をその飛沫は直撃した。
 「ああああ、す、済みません・・・。」
 「いいのよ。」
 服を汚してしまったことを謝る俊介に、貴子は構わずまだ膨らみを喪っていないペニスを優しく口に咥えるのだった。

 俊介に縛らせる時に口にした言葉は本心ではなかった。逆に俊介に姦通の罪を負わせるように思われて良心の呵責を感じていた。それなのに夫への貞操を言い訳にしたのは、せっかく俊介に抱かれるのに、より大きな興奮を感じたかったからだ。若者同士の幼稚な逢瀬ではなく、夫以外の男と大人の悦びを確かめたいと思ったからだった。

 「奥さん。どっかで服、買いましょうか。」
 「いいのよ。もう真っ直ぐ、山荘に帰るだけだから。」
 そう言いながら、乗り込んだ俊介の車の中で、さきほど拭い取った胸元に微かにまだ沁みが残っている部分を見ながらそう答えた貴子だった。

madam

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