スカート捲れ

騙された新人女優とマネージャー



 第二部



 二十九

 由里は辺りに人影が無いことを再度確認すると、スカートのホックに手を掛ける。
 『脱いだスカートは多目的トイレの入口の把手に掛けておけ。それからトイレを出て北側の木立の方へ向かって歩いて行け。懐中電灯に照らされた太い幹の樹の前に立って待っていろ。』
 仕方なく由里はスカートを脱ぎ取ると、言われたとおり公衆便所の入口真正面の多目的トイレのドアの把手に脱いだスカートを押し込んで掛ける。

便所スカート残し

 スカートを失った由里の下半身はブラウスの裾がショーツまで届くかどうかのギリギリまでしかなく、そのままの格好では到底公園の外に走って逃げることも出来ない。言われた通りに公園の北側の方の木立が茂っている奥の方へ向かって暗闇の中を歩き出す。
 樹々が鬱蒼と繁っている中に入ると、一際大きい樹の太い幹に向けて何処からか懐中電灯の光が差し込んでいる場所を見つけるのだった。
 (ここの前に立てと言うのね・・・。)
 懐中電灯に照らされた幹の前に立つと、今度は由里自身がスポットライトを当てられたように自分の身体が闇の中に煌々と照らされるのを自覚する。
 『よし。そこで明かりの方を向いて裾を持ち上げてみせろ。』

スカート自捲り

 由里は命令に従えば下着を晒すことになることは分っているのに逆らうことが出来ない自分がもどかしかった。せめて命令している男以外の他の誰にもみつかりませんようにと祈るしかなかった。声のする方向から男は自分を照らしている懐中電灯の後ろ側に居るらしかった。その為に逆光になって男の姿は由里のほうからは全く見えない。
 「さてと、これからする質問に正直に答えて貰おうか。まずあの写真が撮られた晩にお前達二人が行っていた別荘は誰の物だ?」
 (別荘・・・? やはりあの場所まで来ていたんだわ。だとしたら二人でしてたことも撮られているのかもしれない。)
 「あ、あの別荘は剛さんが監督から借りたものです。監督のスポンサーの一人が持ち主だそうです。あそこまで貴方は付けて来ていたのですね。」
 「ふふふ。それが仕事だからな。」
 「どうやって屋敷の中に入ったのです?」
 「そんな事は朝飯前さ。俺たちはスクープ写真を撮るプロだからな。」
 「ああ、やっぱりあの時のことを撮ったんですね。」
 「あんな写真が世の中に出回ったらどういう事になるか判るよな。特にあの剛って男の奥さんにはショックだろうな。」
 「ああ、駄目っ。お願いです。あの時の写真を公開するなんてことはしないでください。」
 「で、50万円は持って来たんだろうな。」
 「そ、それが・・・。そんな大金、私が自由に出来る金額ではありません。何とか10万だけ搔き集めてきました。それで何とかならないでしょうか。」
 「ふん。たった10万であんな凄い写真が買い戻せるとでも思っているのか? 甘いな。写真週刊誌に売り渡せば幾らになると思っているんだ。50万円というのは破格に安くしてやってるんだぜ。」
 「ああ、でも・・・。私にはそんなお金は自由にはならないのです。だったらせめてもう少し時間をください。」
 「時間か・・・。そうだな。それじゃ、絶対にお金をなんとか工面するっていう決意を態度で見せてみろ。それによっては考えてみなくもない。」
 「決意を態度で見せろって・・・。どうしろっていうんですか?」
 「ここでパンツを下して上着の裾を捲り上げて見せるんだ。どうだ、出来るか?」
 「えっ? そ、そんな事・・・・。」
 「出来ないんなら写真週刊誌に売り渡すまでだ。それでいいんだな?」
 「ま、待ってください・・・。わかりました。」
 由里は男の言うことを聞くしかないのだと観念した。

自捲りパンツ下し

 自らの手でショーツを降ろすと恥ずかしさで顔をあげることも出来ない。
 パシャッ。
 突然強烈な光が浴びせられ、由里は自分がした恥ずかしい格好がストロボが焚かれて写真に撮られてしまったことを悟る。
 「金が用意出来なければこの写真も世の中に出ることになるんだぜ。いいな。」
 由里はゆっくりと頷くことしか出来ないのだった。



yuri

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