騙された新人女優とマネージャー
第二部
二十七
茉莉は下着が露出してしまわないように裾や胸元を精一杯伸ばしてみるが、スリップドレスが蔽ってくれるのは身体のほんの一部にしか過ぎないのだった。
「着替え終わったかね、茉莉クン?」
「あ、はいっ。監督、これで宜しいのでしょうか?」
「おお。なかなかいいじゃないか。いやっ、君のその表情がだよ。想像しておったとおりだ。さ、そこのベッドの上に腰掛けてみてくれんか。」
「わ、わかりました・・・。」
茉莉は言われたとおりベッドの上に浅く腰掛ける。
「あ、あの・・・。私・・・、顔が強張っていませんでしょうか?」
「いや、いいんだ。そのままで・・・。変に表情を取り繕おうとしないほうがいい。自然なままでいいんだ。恥ずかしければ恥ずかしいなりに、その感情をそのまま剥き出しにすればいい。」
茉莉は深沢が自分が恥ずかしがるように態と露出が多くなる衣装を選んでいるに違いないと気づいた。しかし監督から求められている格好を断れる立場にはないことは重々承知の上だった。全ては事務所の由里を売り込む為なのだと自分に言い聞かせる茉莉なのだった。
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