OL泣かせ

妄想小説

淫乱インストラクタ ~ 嗚呼、勘違いの一人相撲



第十二章 与えられた罰

 浅川が戻ってきたのは2時間以上が経過してからだった。なにやら紙包みを抱えていた。しかも、浩子のショルダーバッグも一緒に抱えていたのだった。
 浩子は両手を背にしてテーブルの上にうつ伏せになったままで、近づいてくる浅川をただ睨んでいた。短いスカートの裾から覗く裸の尻は浅川の目に丸出しだが、隠す術もなかった。
 浅川は買ってきたものらしい紙包みの中からガラスの壜を取り出した。口がぴったり密閉できる漬物や梅酒などを漬けておくのに使うような容器だった。浅川は床に押しやられていた洗面器を中身をこぼさないように慎重に持ち上げると、容器の蓋を開けて浩子の出した小水を壜の中に注ぎ始めた。洗面器の中身をすっかり壜に空けてしまうと、しっかりと壜の蓋を閉める。
 (どうするつもり・・・。私を辱めるのに使おうというつもり・・・。)
 小水を採っておかれるなど、顔から火が出そうなほど恥かしいことだった。小水を入れ終えると、浅川は大事そうに壜ごと紙袋の中にしまいこむ。その紙包みをドアのすぐ近くまで持ってゆくと、再び浩子の元に戻ってきて、うつ伏せになっている浩子の顔の前に、ショルダーバッグを置いた。それと同時に、パチンという音がして、浅川が中を、がさごそ探る気配が感じられた。
 浩子は持ってきたショルダーバッグに入れておいたものを思い出していた。
 (中を探られているんだわ。)
 「バイブはちゃんと持ってきたみたいだな。しかし、この布袋は余計だ。今度から剥き出しで入れておくんだぞ。…。」
 (バイブを持ってきたか、チェックしたのね。)
 浩子には、見えないところで、自分のバッグの中身を探られるのは、スカートをまくられて下着をチェックされているような恥ずかしさを覚えた。
 「これはなんだ。…。ふうむ。…やっぱりそうか。」
 浩子はどきっとした。見られたくないものが入っていることを思い出したのだ。カサカサと乾いた音がすぐ傍でしていた。それが何を意味するのか、浩子は考えたくなかった。
 突然、浅川の手が伸びてきて、浩子の剥き出しの尻の割れ目から前のほうの陰唇をまさぐられた。
 「あっ、嫌。」
 脚をすぼめて防護しようとした時には、湿りを帯びている陰唇をまさぐった指が抜き取られていた。
 「ほう、やっぱり。生理じゃないんだな。しかも、こんなに濡らしている。」
 何かが浩子の鼻先に突き付けられたのがわかった。見ないでも匂いでそれが何だがすぐにわかる。
 「生理でもないのに、こんなにナプキンの替えを持って来ているのか。昨日パンティの裏に貼り付いていたこれもそうだったな。」
 浅川の手が解いたビニル袋の中から、丸められたものを取り出して広げ始めた。
 「あ、いや…。」
 しかし、両手に手錠をかけられ、股間をテーブルに繋がれた浩子には身をすこしよじるくらいしか出来ない。男の手は、浩子の鼻先に広げたものを突きつけてきた。
 「パンティの下にいつもこんなのを付けていたんだな。直に穿いていると、どれだけ汚してしまうんだ。」
 「い、嫌っ…。言わないで。」
 恥ずかしさに顔を真っ赤にさせながら、浩子はうつむいてしまう。
 「何の為にパンティの下にナプキンを当てているんだ。おい、言ってみろ。」
 浩子の顎が男の手で乱暴にしゃくられた。顔を上げさせられた浩子は恥ずかしさに唇を噛む。
 「ナプキンを当ててないと、パンティがぐしょぐしょになってしまうんだろ。えっ、図星か。」
 浩子には答えることが出来なかった。
 「答えないんなら、もう一度調べてやる。お前があそこを何で濡らしているのかな。」
 「い、嫌です。やめて…、やめてください。」
 しかし、両手の自由を奪われた身では、どう抵抗することも出来ないのはわかっていた。浅川の手が浩子のスカートの中に忍び込んできて、ぴっちりと脚と脚をくっつけて防ごうとしている股の間を割り込むように浅川の指が押し入れられる。
 「ああっ、嫌よ・・・。」
 しかし、無情にも浅川の二本の指が浩子の陰唇に突き立てられ、こねられてから抜かれた指が浩子の鼻先に塗りつけられた。じとっとした感触が浩子の鼻筋を襲った。
 「むむむ・・・。」
 「ほら、こんなに濡れているんだぜ。ううっ・・・。凄い臭いだな。」
 「や、やめて。言わないでっ・・・。」
 浅川の辱めに身を悶えさせて逃れようとする浩子だったが、両手の手錠とテーブルに繋がれた腰の責め具が、浩子の身動きを完全に封じてしまっていた。
 泣きじゃくっていた浩子の嗚咽がひとしきり終わったところで、浅川は持ってきた紙包みを再び取り上げ、中から何か出して浩子にかざして見せた。
 「今日からお前には罰を与える。」
 「な、何のこと・・・。」
 不安に怯えながら、浅川のほうに顔を上げた浩子だった。浅川が手からぶら下げていたのは、白いパンティだった。レースの入ったハイレグの横が紐程度にしか布の無い、頼り無げな代物だった。普通の女性用洋品店で買ったものとは思えず、浩子が先日付き合わされたアダルトショップのようなところで買ってきたもののように思われた。
 「今日から俺がいいと言うまで、このパンティを身に着けて貰う。着替えることは許さない。俺がいいと言うまで同じ物をずっと穿き続けるんだ。勿論、内側にナプキンを当てることも許さない。」
 「何ですって・・・。」
 浩子は唖然として二の句が継げなかった。
 「お前の今度の生理は何時だ。」
 そんなことは恥かしくて男性に答えられるものではなかった。が、浅川は答えなければ容赦はしないという目つきをしていた。
 「・・・。こ、今月の終わり頃だと思うけど・・・。」
 浩子は、恥かしさに浅川の目を向けられずに下を向いてやっと答えた。
 「じゃあ、一週間は大丈夫だな。・・・。お前には今日からこの携帯電話をいつも持っていて貰うことにする。カメラが付いたテレビ電話機能のある最新機だ。お前のカードでさっき契約してきてやったんだ。」
 浩子は浅川が出て行く時に浩子のショルダーバッグを持っていってしまったのは、浩子のカードを使う為であったことを知った。
 「今、使い方を見せてやる。」
 そう言うと、浅川は袋から出した折り畳み式の携帯電話を取り出しながら、浩子に近づいてきた。
 「俺からの呼び出しがなったら、すぐに取って、このボタンを押すんだ。5秒以内にカメラのレンズをスカートの中の股間に向けるんだ。こうやってな。」
 浅川は浩子の脚と脚の間に携帯電話をひっくり返して差し込んでいた。
 「そうすれば、こっちの携帯に画像が映るって仕掛けだ。もし電話が鳴った時に、ちゃんとこのパンティを穿いていなかったら、もっと酷い罰を与えることになるから、よく憶えておけよ。」
 そう言いながら、浅川はもう一台の携帯の画面を浩子に向けてみせる。浩子のスカートの中に差し入れられた物が撮影しているらしい女の股がくっきりと写っている。ショーツの刺繍の模様まではっきり判るのだ。
 「俺が、指示したら、パンティを下ろして内側も見せるんだ。ナプキンなんか付けていないか俺がカメラで監視してやるから、指示どおりにするんだぞ。」
 そういうと、浅川はテーブルにうつ伏せになっている浩子の背後にしゃがみこみ、片足ずつあげさせて、浩子に買ってきたパンティを穿かせてしまう。スカートをたくしあげて、しっかり腰骨の上まで穿かせてしまうと、背中のバックルで鍵を回して腰に巻かれた貞操帯をようやく外した。
 貞操帯を外した代わりに、再び浩子の首には「牝豚奴隷マゾ女」の銘が刻まれた首輪が嵌められ、鍵が掛けられる。最後に後ろ手の手錠が外されたが、無理な姿勢をずっと強いられていた為に、膝に力が入らず、床に座り込んでしまう浩子だった。浅川は力なく崩れ落ちた浩子を放っておいて、一人倉庫を出ていってしまうのだった。
 その日から、浩子の屈辱の一週間が始まったのだった。浩子が常に身に着けているように命令された下着は、脱ぐことが出来るのは、風呂に入っている間だけ、腿まで下ろすことさえ、用を足す時だけと厳しく言い渡されていた。そして、その命令を破ってはいないかと、何時浅川からの電話が掛かってくるか判らないのだ。
 携帯電話がなったら、すぐにその指示に従わなければならない。大抵は短い命令文の携帯メールで、殆どの場合、携帯に付属したカメラで下半身を写し、その映像を相手に送るよう求めてきた。そのメールは街角を歩いている時でも、電車に乗っているときでさえ、掛かってくるのだ。それは四六時中見張られているのと同じだった。周りに他人が居る中で、携帯電話機をスカートの裾の中に突っ込んで下着を映さねばならないのは、不審に思われないようにするのにとても苦労する。幸か不幸か、浩子が身に着けるのを許されていたスカートはとても短いものばかりなので、股下ぎりぎりの裾まで手を伸ばせば、カメラアイは、容易に下着を覗ける位置に置くことが出来た。浩子は素知らぬ振りであらぬ方向を見ながら、裾のほうに携帯をもつ手を伸ばすのだった。アパートに帰って、もう寝ようとする時にも電話は掛かってきた。寝ている間だけ下着を替えさせない為だった。
 ナプキンを当てることは何度も考えた浩子だったが、電話が掛かってきて、その瞬間に外すのはとても出来る芸当ではなかった。片手で携帯機のボタンを操作しながら、もう片方の手で下着に指を突っ込んで素早くナプキンを抜き取るのは機械的には出来るかもしれないが、衆目の前で、下着からナプキンを誰にも見られずに取り出すことなど出来る筈もなかった。
 浅川もその辺りは考えていて、アパートで寝ている時などは、まず下半身を写せと命令してくるのだった。下半身全体を映しながら、徐々に下着にカメラを近づけさせられるので、作為的なことは何も出来ないのだった。
 二日ほどは、何とか過ごすことが出来たのだったが、三日目には、さすがに下着の裏側の汚れが目立ってきた。薄っすらとした染みが次第に濃くなってゆくのがトイレに入る度に如実に感じられる。汚れた染みだけならばともかく、三日目には微かに匂うのが、自分でも分かった。浩子は腰にまとう短いスカートに少しきつめにコロンを吹くことで誤魔化すことにした。
 しかし四日目には、それでもコロンの香りの他に、かすかな動物的な臭いが混じっているのに気づいてしまうほど、浩子のショーツは汚れてきていた。仕事中は下着のことを考えまいとするのだが、どうしても気になってしまう。誰かとすれ違う度に、相手が自分の匂いを気にしなかったか、ついつい確かめてしまう。一番嫌な相手が課長の磯山だった。磯山は以前から浩子の匂いを気にしている風があった。自分が気にしているせいだと思おうとするのだが、何かで一緒になると、決まって鼻をぐすんと言わせるのに、気付いてしまう。以来、磯山とは一緒のエレベータには乗らないようにしていた。
 浅川の浩子への虐めは、その磯山と浩子を一緒の場所に居させることにまで徹底していた。磯山から残業でこなすのを頼まれていた仕事をわざと浩子に押し付けることを画策したのだった。元々その仕事は浅川が頼まれたものだった。顧客リストをひとつひとつ確認しながら、チェックし、その後、承認印を課長である磯山が押すという段取だった。誰にでも出来る仕事だったが、急ぎだったので、気安く頼める浅川に話を持ちかけたのだ。磯山はその後、今度も浅川を誘って飲みに行き、浩子の話題を肴に猥談を楽しもうという魂胆だった。

 「課長、昨日頼まれた例の仕事ですけれど、桂木さんに代わって貰っていいですか。」
 桂木と聞いて、磯山はちょっと狼狽する。課長と部下とは言え、男と女が二人だけで残って仕事をすることになるのだ。
 「そりゃあ、構わんが、急に言って、桂木君のほうは大丈夫なのかね。」
 「それだったら、心配は要らないです。彼女は、僕に借りがありますから。」
 磯山は思わずにやりとする。
 「ほう、そうかね。桂木君が君に借りをね。え、いったいどんな借りなんだろね。」
 「はっはっは。それは秘密です。」
 浅川もさも冗談かのように、笑って誤魔化す。浅川も、磯山が内心で桂木と二人っきりになってみたいのを感づいていたのだった。

 「そういう訳で、今晩は定時後に課長と残って伝票発行作業をして貰うよ。前に、僕の頼みなら聞いてくれるって言ったよね。」
 いかにも何か約束があったかのように、有無を言わせぬ調子で浅川は浩子に告げた。
 「今じゃ駄目なのですか。」
 浩子は、少し離れたところに居る課長の磯山に声を掛けた。磯山と二人だけになり、しかも直ぐ傍で仕事をしなければならないのは何としても避けたかった。
 「それが、経理から伝票が届くのが5時になるっていうんだよ。それを今日中に持ってゆかなくちゃならなくってね。本当は浅川君がやってくれるって言ってたんだが。彼も急に都合が悪くなっちゃったって言うんで。何、大して時間は掛からないから1時間もしないで終わるよ。ちゃんと残業代は出すからさあ。」
 そこまで言われると、断わることが出来なくなってしまった。浩子は傍らの浅川を睨むが、浅川のほうはとぼけて無視をしていた。
 定時のチャイムが鳴り、皆がぞろぞろと片付けて事務所を出てゆき始める。その中に浅川の姿もあった。
 「じゃ、桂木君。下の経理まで書類を取りにゆこう。間違えるといけないから、僕も一緒に行くから。」
 (貴方一人で行ってきてください。)と喉まで出掛かったが、さすがにそうは言えなかった。どの位の分量があるのか分からないし、どんな種類の帳票なのかも事前に聞いてなかったので、自分一人で行くとも言えなかったのだ。
 「じゃ、一緒に来て。」
 磯山のほうが先に立って、エレベータ―ホールのほうへ向かう。ちょうど退社時の為にエレベータは混んでいた。が、何とか磯山と浩子二人は滑り込めるだけは空いていた。肩を押し合うような状態だったが、浩子は磯山の隣に縮こまって立つ。長身なので、小柄な磯山よりはるかに背が高い。それはその分だけ磯山の顔が浩子の下半身に近いことも意味していた。
 動き出したエレベータ庫内は、ぎりぎりまで乗り込んだ人息れで、汗臭いようなむせ返る空気だった。が、その中に、それとは異なる臭いが混じっているのを浩子自身も感じている。まわりの視線を気にするが、皆、黙ってエレベータが目的の階につくのをじっと待っているだけだった。が、一人だけ鼻をくんくん言わせている男が居た。それがすぐ隣の磯山だった。
 (ピンポーン)
 チャイムが鳴って、浩子らが目指す経理部署のある三階に到着する。一階まで降りる大多数の者たちを掻き分けるようにして、磯山と浩子の二人だけが外へ出る。
 「あ、こっち、こっち。」
 磯山が先頭に立って、どんどん歩いてゆく。浩子も経理部署には何度か来たことはあったが、外回りの多い彼女にはあまり馴染みの場所ではない。
 「えーっと、これと・・・、それからこれがリストだね。えーっとあとは社内控え。あ、桂木君は、こっちのほうを持ってくれる。」
 書類の一部を渡されたが、一人では持ちきれないほどという量でもなかった。
 再び、エレベータホールで上がってくるのを待つ。上りはさすがに退社時刻なので空っぽだった。今度は磯山と二人だけで乗ることになることに浩子は気づく。馴染みのない場所からの帰りだけに、いつもの忘れ物をしたという嘘がつけない。
 ドアが閉まり、二人だけの庫内になると、急に気詰まりになった。無言だが、また磯山が鼻をむずむず動かしているのが気配でわかった。5階までの僅かな時間だが、浩子には気が遠くなりそうなほど長く感じられた。
 「奥の会議室を使おう。この時間なら、もう誰も使っていないから。」
 磯山が指し示したのは、浩子がスカート丈を切り詰めさせられた会議室だった。二人で作業するのには、ちょうどいいテーブルがあって便利なのだが、二人きりで部屋に篭るというのが、浩子にはそれでなくても抵抗があった。しかし、その場所はいやだとは言い出せなかった。印鑑を持ってくると言って自分の席へ一旦戻った磯山を置いて、浩子は一人で会議室へ入る。テーブルの角のところに書類を置いて座って待つ。会議室はしいんと静まり返っていた。が、それは人が皆帰ってしまった事務所でも同じ筈だった。
 磯山が判子とスタンプ台を手に部屋へ入ってきて浩子の直ぐ隣に座る。浩子は先に磯山に座らせておいて、少し離れたところに自分が席を取るようにすべきだったと思ったが、もう遅かった。
 「えーっと、じゃ、ここを上から読み上げていって。僕が、こっちのリストを見てゆくから。」
 「判りました。じゃ、T県営業所の分からいきます。・・・。」
 浩子が経理から渡された顧客リストの数字を順に読み上げる。その横で磯山が一枚、一枚の伝票の数字をチェックしながら、判子を押してゆく。単純な作業だった。伝票の数字をチェックする磯山の視線が座った浩子の腿のほうに時々ちらっ、ちらっと動く。浅川に命じられて穿かされている短いスカートは、浩子の腿をかなり大胆に露わにしてしまっていた。普段は机の中に深く座り込んで隠しているが、テーブルの席に真横に座られては隠しようがなかった。かろうじて下着までは覗かないので、腿を見られるぐらいは我慢することにして、作業のほうに専念した。
 その時、浩子の携帯が鳴ったのだった。
 「あれ、君のかい。着信音、変えたんだね。」
 浩子は磯山が自分の着信音まで把握していたことに、寒気さえ感じた。が、顔には出さないで黙っていた。問題はそれどころではなかった。発信相手は浅川だと判っていた。そして、その指示内容も。
 「ちょっと失礼します。」
 そう言って、バッグから携帯を取り出し、席を立って部屋の外へ出る。ドアが完全に閉まるのを待ってから、ドアを背に携帯を開く。着信メールがいつもの指示を示していた。
 浩子は携帯機をひっくり返すと、脚を開いて、カメラアイをスカートの下にかざした。
 「おうい、桂木君・・・。長くかかりそうかい。」
 磯山が会議室の中から声を掛けてきた。
 「あ、いま。すぐ終わりますから。」
 磯山にこちらに来られてはいけないと、慌てて会議室の中の磯山に返事をする。携帯電話の画面を見ると、浅川がオッケーサインを出していた。携帯を切ると、磯山のすぐ隣の席へ戻る。今更、離れた席には着けなかった。
 「彼氏かい?いひひひひ・・・。」
 意味ありげに下品な笑いを浮かべる磯山に、浩子は腹が立ったが、平静を装う。
 「早く、仕事を仕上げてしまいましょう、課長。」
 浩子はきっぱりと言い放った。

 「じゃ、私はこれで。」
 有無を言わさぬ調子で、最後の帳票を読み上げ終わると、浩子はさっと席を立った。ショルダーバッグを肩にかけると、磯山のほうを振り向きもしないで、会議室のドアへ一目散に向かった浩子だった。事務所を出ようとして、ばったりと浅川に出遭ってしまう。
 「あ、浅川さん・・・。」
 近頃は人前でもすっかり「さん付け」になってしまっている。
 「あ、ちょっと忘れ物をしてね。課長、まだ居るかい。」
 「まだ会議室です。失礼します。」
 これ以上何も命令されないようにと、浅川の横をすり抜けてさっとエレベータホールへ向かう。今度は誰かと一緒にならないようにと、エレベータは使わず、非常階段を下りることにした浩子だった。階段を降りながら、磯山と浅川が交わすであろう会話を想像する。自分のことが何か話題に出ることは間違いないだろう。浩子は口惜しさに唇を噛み締める。

 その夜、浩子は一人湯船に浸かりながら、会社での屈辱の責め苦を思い起こしていた。もう四日も穿き続けのパンティは内側がすっかり汚れが染み付いてしまっている。汚れたパンティを穿き続けさせられることがこれほどの苦痛であるとは思いもしなかった。しかも、今日は磯山にはっきり臭いを嗅がれてしまったのは間違いないと思った。それなのに、また明日もその汚れた臭うパンティを穿いて磯山の前に立たなければならないのだ。
 浩子は湯船を出て、身体を念入りに洗う。特に股間の茂みの下側は石鹸を含ませ何度もこすりあげる。しかし、どんなに綺麗に洗い上げても、あの汚れたパンティを穿かされていることを思うと、却って被虐感につい潤みを洩らしてしまうのだ。
 風呂から上がって、バスタオルで綺麗に身体を拭いた後、折角綺麗にした股間に再び汚れた臭いのするパンティを当てなければならないのが、一番辛かった。しかし、その頃合いを見計らって、浅川からの携帯が必ず掛かってくるのだ。それまでに、パンティを穿いておかなければならないのだ。
 (もう、こんなことは我慢がならない。明日、どうしても浅川に許してもらうしかない。)
 そう心に決めた浩子だった。

 その日も一日、浩子はなるべく立ち歩かないで、自分の席にじっとしているように努めた。動くだけで、空気が流れて、臭いが発散するような気がしたのだ。
 浩子は自分から浅川に密かにメールを打つことにした。
 「浅川さま…。」
 書き出しからもう浅川を主人として従う奴隷の気分だった。
 「もうこれ以上我慢出来ません。今日、定時後に2階の倉庫で待っています。」
 そこで、土下座でも何でもして、浅川の許しを貰うつもりでいた。

 5時になるや、浩子はすっと席を立って早足でエレベータホールに出て、エレベータはわざと使わずに階段で二階まで降りた。浅川の前を通り過ぎるときに、そっと浅川の様子を盗み見たが、浅川はわざとか、浩子には気付かない振りをしている様子だった。
 音を立てないように、倉庫のドアを開け、中に滑り込むと再びそっと音を立てないようにゆっくりドアを閉める。あたりはしいんと静まりかえっている。すぐには浅川は来てくれそうもない様子だった。だが、待つしかない。
 浩子は倉庫の奥の窓の際に立つ。外からは電車が緊急停止でもしない限り、覗かれる心配はない筈だったが、念の為、窓枠の一番脇に立って窓に背を向け、おそるおそるスカートの裾の前を持ち上げる。今日も白いプリーツのミニスカートを穿かされている。捲り上げるのはたやすかった。すぐにショーツが露わになる。すでに恥丘の頂きにあたる部分は外から見ても沁みが広がっているのがうっすらと感じられる。
 (ああ、何とかしてもらわなくては。)
 そっとショーツの上のほうのゴムを伸ばしてみて、内側の様子をみようとするが、内側の汚れを目の当たりにするのは、自分でも怖かった。気のせいかと思うが、ぷうんとアンモニア臭が漂い始めた気がして、さっとショーツを戻しスカートの裾をおろす。
 その時、外の廊下を歩く、コツコツという物音が遠くから聞こえてきた。
 (浅川だわ…。)
 浩子は身体中にアドレナリンが充満してくるのを感じていた。
 「浅川さん、お願いです。もう許してください。」ドアを開けて、浅川が入ってくるなり、浩子はその目の前にひれ伏して頭を下げた。
 「パンツを替えないでいるのが、そんなに辛いか。」
 軽蔑するような声で、浅川が頭上から声を掛けた。
 「こんな辱めは、もう堪えられません。どうか、どうか、もう許してください。」
 暫く沈黙が流れる。浩子は浅川が返事をしてくれるのを待った。頭の上で、チーッという音が聞こえた。浅川がなにやらもそもそ動いている気配が感じられた。おそるおそる浩子が頭を上げると、浅川の陰茎がすぐ目の前にあった。
 「あっ…。」
 思わず声をあげてしまった浩子だった。すぐに顔をそむけて、視線をそらす。が、浅川が一歩前に踏み出したので、陰茎はまさに浩子の顔のすぐそばにきた。ぷうんと刺激臭が浩子の鼻を突いた。
 浩子が目を伏せたまま顔を顰めたのを確認すると、浅川は少し後に下がる。
 「パンツをここで脱いでみせろ。」
 一旦、上目づかいに浅川のほうを見つめてから、浩子は身体を起して、スカートの下にお尻のほうから手を上し、ショーツを引き下げた。クロッチの部分が露わになりそうになるが、わざとそこは見ないようにして、片足ずつをショーツから引き抜いた。
 「裏返すんだ。」
 「えっ、…。」
 浩子は言葉を失った。しかし、浅川の言葉に逆らうことは出来ない。脱いだばかりのショーツをそちらを見ないようにして、くるりと裏返す。
 「その内側の股に当っていた部分をこっちにようく見せるんだ。」
 口惜しさに唇を噛みながら、言われたとおりにする浩子だった。
 「何だ、その沁みは。凄い汚れ方だな。自分の汚したものを、自分でもようく見てみるんだ、。」
 浅川の命令は非情だった。おそるおそる浩子が目をやると、頼りなげな布切れ1枚のショーツは薄汚れて、真中の部分は黄色っぽい沁みがべっとりついている。
 「臭いを嗅いで見ろ。」
 浅川は浩子を更に責める。浩子は顔を顰めながら、その汚れの中心に顔をゆっくり近づける。
 「嫌ッ…。」
 思わず顔をのけぞらせてしまう浩子だった。が、浅川が素早い動きで浩子の手から汚れた下着を奪い取ると、その汚れた部分を浩子の顔面にこすりつける。
 「嫌です…。」
 浩子が逃れようとするのを、浅川は空いたほうの手で浩子の髪を掴んで引き摺り倒し、更に浩子の汚れた下着を浩子の顔面に押し付けた。
 「うううっ…。」

パンツ嗅がせ

 浩子のくぐもった嗚咽がショーツの下から沸き起こった。
 「どうだ。匂うか。お前の正体だ。臭くて、汚いお前自身だ。」
 「ああ、言わないで…。」
 「言ってみろ。私は、臭くて、汚いメス豚ですとな。」
 「嫌、そ、そんな…。」
 泣きべそをかきながら、浩子は横へ逃れようとする。それを腕を捩じ上げるようにして浅川が捉えた。一旦、下着を傍らのテーブルの上へ放り投げると、ポケットから取り出した縄で、浩子を後ろ手に縛り始める。一旦縄が浩子の手首に回されると、浩子は抵抗するのを観念した。あっという間に抵抗出来ないように縛り上げられてしまった。
 浩子は膝を付いて浅川の前にしゃがまされている。そしてその目の前には浅川の鎌首を擡げはじめた肉棒の塊があった。
 「どうだ。俺のペニスを見て、あんなに嫌がっていたが、お前のおまんこで汚したパンツの内側とどっちが汚くて、臭いか、ようく比べてみるんだな。」
 「…・・。」
 浩子は返事も出来ずにいた。涙があとから後をついて出てきて止まらない。
 「汚いパンツを履き替えたかったら、こいつを口でしゃぶってお願いするんだな。」
 浅川はまた一歩浩子に近づいて、ペニスを突き出す。浩子はプライドをずたずたに引き裂かれて、自虐的になっていた。
 (自分は、このきたならしい男根以下なのだわ。)
 目を瞑ったまま、目の前の肉棒を口に含む。つうんと強烈な臭いが浩子の鼻をついた。しかし、もう浩子は構わなかった。必至で浅川の肉棒の汚れを、しゃぶり取るかのように夢中で口と舌を動かした。浅川も浩子の頭を両手で抑え込んで、浩子の顔を前後に大きくゆすぶる。
 「ああ、いい、いいぞ…。ううっ…。」
 あっという間に、浅川は絶頂を迎えた。久々のスペルマが固くなった怒張からほとばしり出る。それは浩子の口の中に生温かいものとして満たされる。浅川はペニスを抜こうとしないので、呑みこむしかなかった。
 「むむむ…。」
 声にならない悲鳴を上げて、浩子は咽び泣きながら、浅川のザーメンを呑み込んだ。
 たっぷり浩子に吐き出したザーメンを舐め取らせてから、ようやく浅川は浩子の顔を放した。倒れ込んでいる浩子の背後で、大事な戦利品の汚れたショーツを取り上げて、持ってきたぴっちり封の出来るビニル袋にしまいこむ。
 「今日はノーパンで帰るんだ。来週からはパンツを穿いてもいいが、ちゃんとミニスカートで来るんだぜ。駅で着替えたりしたら、また罰を与えるからな。」
 蹲る浩子にぴしゃりと命令をしてから、汚れたパンツのはいったビニル袋をポケットにしまいながら、意気揚揚と倉庫を後にした浅川だった。

眼鏡あり

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る