170丸太担ぎ

妄想小説

牝豚狩り



第三章 三箇月前

  その4


 最終的にハンターが決まって狩りの実施日が決まったのは良子の時と同じ三日後のことだ。狩りの実施は、獲物の捕獲から早過ぎてもいけないが、遅すぎてもいけない。獲物となる女性の捜索が始まってはやっかいなことになる。しかし、ハンターは厳選して選ばなければ危険も多いし、今後の商売の発展上も支障をきたすのだ。最終的なビッドで競り落としたのは、何度か経験も積んでいる中級者ばかりだった。
 しかしそれでも設定条件には工夫が必要だった。空手の名人なので、両手の自由を奪うのは必須のことだ。足技もかなり得意とみなければならない。かといって、手錠と足枷で完全に自由を奪ってしまっては、狩りとして成立しないし、中級者であるハンター達の醍醐味を損ねてしまうことになる。
 そこで今回の狩りでの獲物の設定に考案されたのが、丸太負いの磔だった。ちょうど十字架磔の中心の心棒がない状態で丸太に両手を手首と二の腕のところで縛り付けて拘束するのだ。脚は自由にするが、丸太の重みでそれほど軽やかには走り回れない。しかし自分が括り付けられている丸太を振り回して反撃をすることも出来るのだ。
 その攻撃を受けないように何とか獲物を捕縛し、いたぶれるかが勝負となる。今回は逃走する獲物を追うことよりも、追いついてからの捕縛のほうに重点を移したのだ。それは、捕らえて監禁してから何度か様子を観に行った際の、決して屈服しようとしない飽くなき闘争心と復讐に燃えた鋭い視線から得た印象にも拠るものだった。
 (この雌豚は闘わせなければ面白みがない。それに、放っても、ただ逃げ回るだけということはあるまい。)
 最初の警察官だった良子の時とはかなり大きく異なる印象だったのだ。

 後ろ手に手錠で拘束し、鎖で丸太の柱に繋がれた全裸の由紀に油断しないように近づく男に、由紀は復讐に燃えた目で睨み返してきていた。全裸で男の前に晒されている羞恥心も、こんな目に遭わされていることの屈辱感には、どれほどのものでもないようだった。
 勿論、まだうら若い女性である由紀にとって、男の前で、股間の茂みさえも隠すことが出来ないのは、耐え難い恥ずかしさがあった。が、自分を捕らえた男への復讐心がそれを忘れさせるようだった。だから、自分の相手になるとは思えないか弱そうなメイドに自分の身体を拭われたり、自分の出した排泄物の処理をされたりすることのほうが、復讐心も燃えたぎらせられない分、却って恥ずかしさにたまらなかった。特に、おまるの中に大便をひり出した後に、尻の孔を拭かれる屈辱は、由紀の目を涙で潤わせた。
 そんなことをされるのだったら、男に一思いに処女を奪われて、貫かれて犯されるほうがよっぽどましだった。が、男は抵抗出来ない由紀の丸裸の格好にも性欲を湧き立てられないのか、襲ってくる気配がなかった。
 しかし、狩りの本番になる最後に由紀の前にやってきたときは少し様子が違っていた。

 油断しないように由紀の傍に近づいて、由紀の顎を手でしゃくりあげるように上向かせ、由紀の不敵な面構えを楽しむように見つめていた。由紀が、今にも飛びつかんばかりにしている猛獣のように身構えているのが男にも感じられた。

 由紀のスポーツウーマンらしく短くまとめられた髪を後頭部で鷲掴みにして、首を後ろに無理やり反らさせると、男はもう一本の手を由紀の股間に伸ばした。男の指が由紀の陰唇に触れるや、由紀は身体中をくねらせて男の手を阻もうとする。が、それは空しく鎖をじゃらつかせただけで、男の手から逃れることにはならなかった。由紀は必死で両腿をしっかり閉じて、男の指が陰唇の奥に入ってくるのを防ごうとする。由紀は身体を丸めて蹲るようにして、男の手の蹂躙を拒んだ。しかし、その分白い尻は無防備にならざるを得なかった。陰唇への進入を拒まれた男の手は、機敏な動きで、由紀の尻の穴を捕らえた。由紀は後ろ手錠の腕をもがかせて逃れようとしたが、男の手が自由にならない腕を押さえつけたために、尻のほうへの男の指の侵入は避けきれなかった。
 動き回ると、アナルの部分に激痛が走るので、由紀はおとなしくして力を抜くしかなかった。
 「どうだ、悔しいか。・・・それともいい気持ちかな。」
 由紀は唇をかみ締めて堪えた。
 「こんなことして、何がしたいの。女の自由を奪って、辱めることがそんなに楽しいの・・・。」
 背中の腕と尻の穴をしっかり男に抑えられたまま、由紀は肩を床に突いたうつ伏せの格好から男を振り返るように睨みながらそう吐き捨てるように言った。
 男の尻の穴に当てられた指に力が篭められ鉤型に曲がるのが感じられた。
 「ううっ・・・、い、痛いっ・・・。」
 由紀の額には汗が滲んで床に垂れた。
 「えいっ。」
 掛け声とともに、由紀の繋がれた両足が、二本とも揃えられたまま、由紀に覆い被さっている男の向こう脛を思い切り蹴り返してきた。男は咄嗟に避けようとしたが、避けきれなかった。
 痛みにやっとのことで、由紀の尻を放し、由紀から届かない場所まで引き下がって、蹴られたばかりの向こう脛を痛そうにさすっていた。
 由紀のほうも、尻の穴を思いっきり引っ掻かれた痛みに、顔を歪ませていた。血までは出ていないようだったが、痛みはすぐには消えそうもなかった。

 「なかなかいい根性をしているようだな。ふふふ、・・・。明日の本番が楽しみだ。さて、今夜はメイドに存分綺麗にして貰うんだな。そしてゆっくり静養して鋭気を養っておくがいい。」
 男はそう言うと部屋を出て行き、代わりに湯を張った洗面器を抱えたメイドがいつものように部屋に入ってくるのが由紀の目に入ってきたのだった。

 由紀がその晩念入りに身体を綺麗に拭かれ、髪まで洗われて化粧を施された後、食べさせられた食事には適量の睡眠薬が仕込んであった。勿論、そんなこととは露ほども疑わない由紀は、眠らされたという認識もないまま、すぐに寝込んでしまった。
 ぐったりしていることを確認してから、男は注意深く由紀を後ろ手に拘束している手錠を外し、綺麗に洗濯された制服を着せていく。ただ、下半身だけは睡眠薬が切れて目が醒めてからの排泄のことを考えてパンティの代わりに紙おむつを当てさせる。綺麗に制服を着せてしまってから、男は由紀を縛り付ける丸太を持ってきた。直径20cm以上もある太い丸太は20kgほどの重さもあった。両手を横に広げた長さより少し長いくらいのその丸太を由紀の首の下に通し、正体なく寝入っている由紀の両手を目一杯広げさせると、由紀の両手を手首の部分と腋の下の部分でしっかりとロープで丸太に結わえ付けてゆく。さながら十字架に磔にされる女奴隷といったところだ。手の自由を丸太で奪ってしまうと、立ち上がれないように、両方の膝を折らせて、片方ずつ足首と太腿を結わえ付けてしまう。これで自力では立つことも起き上がることすら出来なくさせてしまう。両膝を折って股を広げた格好は、それでなくても短くてずり上がってしまうスカートからパンティの代わりに穿かされている紙おむつを丸出しにさせていた。しかし、由紀は睡眠薬でしっかり眠らされている為に、自分の恥ずかしい格好にも全く気づかずに為されるがままに横たわっていた。
 不自由な格好で固定されている上に丸太20kg分の重量があると、さすがに男も車までは抱えていけない。そこで車までは救急車などで使うストレッチャーが使うことにした。男はこのアジトにはメイド以外に他の協力者を入れることを好まなかったのだ。
 車は大型のバンを用意していた。アメ車のワゴンで後部が広々しているものだ。2m近くある丸太に括りつけたままで女を運ぶにはそれぐらいの車が必要だったのだ。
 ストレッチャーから女を運び入れ、搬送途中に目を覚ましても暴れだせないように、口にガムテープを貼り、手足をロープで車のシートベルトアンカーに固定してから上からシーツほどの大きさの黒い布を被せ、用意は完了した。車がスタートしたのは、まだ未明の薄暗い頃だった。

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