ワゴン車

妄想小説

牝豚狩り



第三章 三箇月前

  その12


 由紀は三人の男の手で抱えられて、網に包まれたまま、連れてこられた時と同じ外車の大型バンの後部荷室に担ぎこまれ、床に転がされてしまった。リアゲートがドスンという音を立てて閉じられた。
 「おい、ぐずぐずしてないで、すぐに眠らせちまえ。」
 リーダー格らしき男が小男に指示する。小男は手に何かスプレーのような缶を持っていた。由紀は最初にリムジンの中で嗅がされて眠らされた時のことを思い出していた。
 小男が車の前部の座席を乗り越えて、バンの後部荷室へ入ってきた。由紀の睨みつける視線をみて、やけににやにやしている。
 「なあ、眠らしてしまう前に、ちょっとだけ楽しませてくれよ。いいだろ。どうせ、今回のゲームは終わりで、次まではちょっと時間があるんだからさ。」
 そう言うと、網の中で自由にならない由紀の身体を触ってくる。網の上からでは物足りないと思ったのか、括り上げられた網の口の紐を緩め、そこから手を突っ込んできたのだ。
 「ちょっとだけだぞ。あんまりゆっくりは出来ないんだからな。」
 リーダーらしき男は煙草を加えると車外に出た。
 荷室に一人になった小男は手を伸ばして由紀の股間を探りあてていた。指をショーツの中にねじ込んでくる。小男の指は執拗に由紀の陰唇を弄ぶ。幾らもがいてもどうにもならなかった。どんな辱めであっても、生理的反応は嫌悪感とは別にやってきてしまう。由紀の割れ目が潤みはじめると、小男も堪らなくなってきたようだった。小男は一旦由紀の身体を離し、運転席のほうへ身を乗り出して何かを取り上げた。
 それは、綺麗に研ぎ上げた登山ナイフだった。それをかざしながら、由紀の身体の上に覆い被さると、網の口をゆっくり解き始める。ナイフの刃は、ぴったりと由紀の喉元に当てられた。
 「下手に動くと、すっぱりやるぜ。おとなしく俺にやらせるんだ。いいな。」
  そう言うと、片手でナイフを由紀の喉元に当てたまま、ゆっくり網の口を開いていく。由紀の脚が網の中から出ると、男は自分の足で由紀の股を開かせる。そして尻の後ろに手を伸ばして、由紀のショーツを後ろから剥くように剥ぎ取り、膝までたくし上げる。由紀の恥部が露わになってしまうと、男は自分のズボンのチャックに手を伸ばし、既に硬くなりつつあるペニスをズボンから突き出した。
 「いいな。殺されたくなかったら、おとなしく受け入れるんだぜ。」
 しかし、幾ら大型の外車のバンとは言え、後部荷室は性交にはいささか狭かった。自由な体勢が取れないので、なかなかペニスを由紀の股間に押し当てられない。男は脚で押しながら、由紀を犯しやすい体位に持ってゆこうとする。由紀の股間の位置を確認しようと下半身のほうに目をそらした時が由紀には最後のチャンスだと思われた。くるっと身体を回転させるようにして、小男に手錠でつながれたままの肘を突き出して、顔面に一撃を加える。ナイフの刃がすこしだけ由紀の皮膚を切り裂いたようで血が飛んだのが判ったが、致命傷ではない。小男がよろけてバンの荷室の壁にぶち当たる。
 「畜生、このアマっ。」
 小男の頭には血が上っていた。

 「おい、何やってんだ。」
 外に居たリーダー格の男と、もうひとりが物音にバンのドアを叩く。しかし中には呆然としゃがみこんでいる小男しか見えない。身を乗り出すように車の中を覗くと、女が床に蹲って倒れている。その白い剥き出しの腿の先に赤い鮮血がほとばしるように出ている。倒れている女の下腹にはナイフが深々と突き刺さっていたのだった。

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