騙された新人女優とマネージャー
第四部
六十五
空港の待合室で何気なく夕方のニュースを大型テレビの画面で見ていた由里は、聞き覚えのある名前が聞こえてきてはっとする。
『たった今入ってきたニュースですが、つい先程都心から長野方面に向かう国道20号線でバランスを崩した車両が路上で反対車線を走ってきた大型トラックを除けようとしてハンドルを切り損ね、ガードレールに激突した上で後続の車両に追突され大破した模様です。車内にはxx放送局のアナウンサー高島綾子氏が助手席に乗っており重症の模様です。尚、運転していたのは所持していた免許証からフリーカメラマン兼記者の須藤恭輔氏ではないかとみられております。須藤氏の生死に関しては今の所不明とのことです。』
(大変だわ。すぐ新垣さんに知らせなくちゃ。)
由里から連絡を受けた茉莉は将にその時、車で須藤の事務所へ向かっている最中だった。
「わかったわ。こっちのことは全て私に任せて、貴女は予定通りにカンヌへ向かって。」
「分かりました。後はお願いします。」
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