自目隠し

騙された新人女優とマネージャー



 第四部



 六十一

 茉莉が目隠しを椅子の上で眼に当てて頭の後ろで縛って固定する。その間に芦原が足許に剣山を並べているらしいことが気配で感じられる。それでもう茉莉は椅子から飛び降りて逃げることも出来ないことを悟る。
 「邪魔が入るといけないからスタジオには内側から鍵を掛けさせて貰うぜ。」
 ガチャリという音が遠くで聞こえて完全にスタジオは茉莉と芦原だけになったことを悟る。
 「さてと。それじゃ、そのままの格好でしゃがんで貰おうか。」
 (しゃがめって? それじゃ・・・。)
 パイプ椅子がわざと50cmほど離してあった意味がやっと分かる。二つのパイプ椅子に跨るように乗っているので、そのまましゃがめば脚は大きく開いたままにするしかないのだ。
 茉莉は椅子から転げ落ちないように手探りでパイプ椅子の背もたれを探ると、それを掴みながらゆっくりと腰を下げていく。スカートの裾は大きく割れてその下のショーツは丸見えの筈だった。
 「背もたれから手を離して両手は背中で交差させておくんだ。」
 茉莉は芦原が(縛らせて貰う)と言っていたのを思い出した。その状況では芦原が茉莉の両手の自由を奪うのに何の抵抗も出来ないことを意味していた。

パイプ椅子乗り剣山

 「こ、こんな手の込んだ事しなくても、おとなしく縛られるわよっ。」
 「悪いが俺は用心深いタチなんでね。」
 そう言いながら芦原が椅子の上の茉莉の背後に廻って後ろに回した手首に縄を巻き付けていくのを感じ取る。完全に両手の自由を奪われてしまうと、茉莉は不自然か格好でしゃがまされていて膝が次第に疲れてきてじっとしているのが辛くなってくる。
 「ねえ。何時までこんな格好させておくつもり? 脚が痺れてきそうなの。ここから転げ落ちてしまいそうで怖いわ。せめて目隠しだけでも外してっ。」
 「そうか。辛いか。じゃ、目隠しは取ってやろう。」

yuri

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