ミニスーツ

妄想小説

営業課長・桂木浩子 ~ 嗜虐の誘惑 (淫乱インストラクタ続編)



第二章

 浩子は樫山との逢瀬の日が決まると、居ても立ってもいられないほど待ち遠しくなって、そのことばかりを考えるようになっていた。浩子が身を捧げ出すという宣言をした後、樫山は仔細にわたって指示をしてきた。日にちを指定し、やってくる経路も細かく指示された。以前にG県の工場のある事業所を訪れた時には、最寄の駅まで樫山が車で迎えに来てくれたのだった。しかし、今回は、自分で最後まで、電車に乗って独りで来るように言われた。それも、これまで乗っていった路線ではなく、東京駅から一旦、下町のほうへ出て、そこから始発で出ているローカル線に朝早くから乗るように言われたのだった。
 今では自らが課長で、予定も取り仕切っているので、何時、何処へ出張しようが、自由に采配出来るのだ。樫山にどう指示されようとも、その通りに実行することに何の問題もなかった。
 着てゆくものも指示された。ビジネススーツで、しかもスカートの丈は出来る限り短くするように言われていた。ミニのスーツは持っていたが、浩子は新しいものを新調することにした。営業用の服として、請求書を会社のほうへ付けることも出来るようになっていたのだ。浩子は会社から二駅ほど離れた繁華街にあるキャリアウーマン用のスーツを専門に扱う店へ行って、誂えを注文した。店の若い女の子には、「海外からの賓客を案内するので、それなりの身なりにしたい。」と言っておいた。(こんな感じに)と、海外ドラマのヒロインの写真を持参した。弁護士をする女性キャリアウーマンの役で、着こなしはとてもセクシーなものだった。スカートの膝丈を計るのに、浩子は勇気を振り絞って、女の子に指示した。
 「ううん、もうちょっと短く。外国の殿方は、セクシーなのに慣れてるから。そう、もう少しだけ短くね。いや、もうちょっと・・。」
 きりっとしたビジネススーツでなかったら、娼婦用の衣装かと間違われそうなほどの丈だった。浩子は上背があるので、脚だけには自信を持っていた。店の子も、浩子のスタイルのよさに、それを引き立たせる超ミニを見て、「とてもお似合いになります。」と感激して誉めた。下に合せるストッキングも、薄い色がかかったセクシーなものを選んだ。靴も高いピンヒールのものを合せるつもりでいた。背の高い浩子は営業では、相手の男性の気を使って、あまり高いヒールのものは遠慮して履けないでいたが、幸い、樫山は、高いヒールを穿いても見劣りしない背丈があった。
 それからいつもはいかない高級そうな美容室へ足を運んだ。それまで、どちらかと言えば髪はあまり構わず、長く伸ばした髪をばさばささせていただけだったが、思い切って、アメリカの弁護士役に倣って、髪をストレートにパーマし、アップで上げてみることにしたのだ。
 仕上がった顔を鏡で見て、自分がこれまでどれだけ髪形で損をしてきたかを改めて悟った。田舎っぽい感じが嘘のようにきりっとして見え、細身の営業用の眼鏡がよく似合った。

 樫山に指示されたそのローカル線は思いがけないほど朝から混んでいた。都心といっても、下町に近い。郊外のオフィスや工場で働くサラリーマンも多くいるようだった。その駅からは、沿線上にそういった会社も多く存在している。朝の混雑を予想していなかった浩子のほうが迂闊だったかもしれない。
 浩子の出で立ちは、傍目にはとても目立つものだった。特に、極端に短いタイトスカートから伸びる脚は、浩子の上背も加担して、刺激的だった。しかし、ホームに溢れる人波は、却って行き交う乗客からの視線を遮ってくれた。浩子の露わな下半身に気づく者はあまり居ないようだった。それでも押し合うようにしてそのローカル線に乗り込むと、わざとではないのかもしれないが、浩子の張ったヒップラインを鞄や荷物だけではない生身の手が触れるのを感じない訳にはゆかなかった。浩子は触れてくる手を振り払うようにしてなるべく奥のほうへ進んだが、座っている乗客の前には立たないで、通路の真ん中へ立つように努力した。座っている乗客の前で、露わな脚をこれみよがしに晒すのは、避けたかったからだ。
 始発駅を出発した電車は、最初が一番混み合っていた。郊外へ向ってゆくにつれ、夫々の会社に寿司詰めの乗客は少しずつ散って降りていった。都心を離れるにつれ、降りてゆく者ばかりで乗って来るものはあまり居なかったのだ。30分も走った頃には、始発駅を出た時の寿司詰め状態が嘘のように、車内は閑散としてしまっていた。そのことは、顕わになっているミニスカートから伸びる見事な脚線美を余計に目立たせていた。既に、座席は殆ど空いていたが、浩子は座るのを躊躇っていた。タイトなスカートなので、座れば裾はさらにずり上がってしまう。手にしているのは、樫山から持つのを許された小さなポシェットのみで、膝元を蔽うのにはちょっと頼りなかった。それでも、少し離れた方から、時折、ちらちら送られてくる男達の好奇に満ちた視線にいたたまれず、浩子は空いた席に腰掛けることにした。出来れば、車室の隅に席を取りたかったのだが、空いている隅には反対側に男が座っていて、視線の格好の餌食になりそうだった。それで、真正面に誰も居ない車室の真中あたりに席を取り、さりげなくポシェットを膝に置いてからさっと脚を組んだ。デルタゾーンは上手く隠せたが、反面組み上げたほうの脚の裏側はかなり奥のほうまで覗いてしまっている筈だった。ミニを穿き慣れない浩子には、どれだけ見えてしまっているか加減が判らず、不安なまま、それでも平然を装っていた。
 樫山が指示した駅まではまだ相当あるようだった。時刻表を正確には見てこなかったが、およそ二時間は掛かる筈だと踏んでいた。前回までは特急や快速のある主要幹線だったが、今回乗るローカル線は、各駅停車しかなかったのだ。それでも、樫山の居る会社までは主要幹線の最寄駅よりは随分と近いようだった。

眼鏡あり

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