妄想小説
営業課長・桂木浩子 ~ 嗜虐の誘惑 (淫乱インストラクタ続編)
第十一章
目を醒ました時、浩子はベッドの上に寝かされていた。シーツ一枚が身体の上に掛けられていたが、手錠で両手の自由は奪われていたままだった。指で感じられる尻の感触で全裸のままであるのが見なくても判る。目を開けると、アイマスクは外されていた。どれくらい眠っていたのか判らないが、窓の外はもう暗くなっていた。部屋に灯りはついていないが、廊下に灯されている明かりが、部屋のドアについた曇りガラスの小窓から洩れていて、かろうじて、部屋の様子が判る程度だった。
浩子が目を醒ましたのは、再び襲ってきた尿意のせいだった。なんとか身体を捩って起き上がろうとすると、肩からはらりとシーツが滑り落ちた。裸の乳房が露わになる。脚をベッドの下におろして立ち上がると、すっかりシーツが肌蹴け落ちて、全裸になってしまう。しかし、こうして寝ている訳には行かなかった。
(早くトイレに駆け込まねば・・・。)
それだけが、目下のところの浩子の問題だった。自分が何処に寝かされていたのか皆目判らない。どうも、渡良瀬寮の空いた一室らしかったが、何階なのかもわからない。後ろ手でそおっとドアノブを捻り、灯りのついた廊下に出る。しいんとして人の気配はない。廊下の向いの外に向った窓から眺め下すと、どうやら浩子の居るのは三階のフロアらしかった。身に纏うものを探すより何より、募り来る尿意を何とかするのが先決だった。
(シャワー室へもう一度行くしかない。)
すぐに浩子は意を決した。裸足のままだったが、構っていられない。足音を忍ばせて夜の廊下を進むには、却って都合がよかった。下へ降りる階段まではすぐに辿り着けた。これをワンフロア下りて廊下を突っ切れば、シャワー室の筈だと浩子は思い出しながら、小走りに階段を進んだ。二階の廊下に出て、辺りを見渡して人の居ないのを確認しながら、シャワー室へ駆け寄る。慌ててガラリ戸を開こうとして、ゴロゴロっという音を立ててしまう。静まり返った廊下にその音は響き渡ってしまった。閉めると又音を立ててしまいそうで、入口の扉は開いたまま脱衣所を通り抜け、浴室へのガラス戸を、今度は音を立てないように慎重にゆっくり開いてゆく。なんとか身体を滑り込ませられるだけ開けると、音を立てないように浩子は浴室に入り込む。薄暗い中、排水講のある辺りを目を凝らして探して居る時、廊下のほうで足音がした。ぎくりとした浩子は、慌てて浴室への入口から陰になる壁際へ背中を当てて身を隠した。
(やはり、さっきの音を聞かれてしまったのだ・・・。)
浩子は慌てたことを後悔していた。足音はおそらく管理人に間違い無いと思われた。懐中電灯の光らしいものがちらちら廊下のほうを照らしているようで、風呂場のシルエットが明るくなったり暗くなったりする。足音はとうとう風呂場の入口まで到達した。
(ガラス戸が開いているのを不審に思ったのだろうか。)
その開いているガラス戸の隙間から懐中電灯のサーチライトの光が浴室のほうへ向けられてきた。
「誰か居るのかあ。」
管理人の間の抜けたような声が、しいんと静まりかえった浴室のほうへ響いてきた。浩子は息を止めて、身体を硬直させる。しかし、その間にも、尿意はどんどん募ってきている。しかし、身動きをすることは出来なかった。浩子は音を立てないようにじっと立って、ひたすら括約筋をきゅっと締めて堪えた。
管理人は入ってくるでもなく、それでもすぐに去っては行こうとしない。浩子は唇を噛んだ。
(もう我慢しきれないっ・・・。)
痺れるような股間の疼きに思わず力が緩む。それと同時に、生温かいものが浩子の内股を流れた。慌てて背伸びをするようにして、下半身の筋肉を締め直し、なんとか迸り出てしまうのは堪えた。
(は、早くして・・・。)
しかし、もう我慢の限界だった。少しずつ、浩子は立ったまま股間から小水を垂れ流していた。内股を伝っていく小水は、風呂場に響くような音は立てなかった。が、立ったまま垂れ流しているのは惨めだった。
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