240チアもろ捲れ

妄想小説

牝豚狩り



第五章 三箇月後

  その5



 良子も非常階段から後を追う。33階の廊下へ出ると、冴子が廊下の隅のソファに腰掛けていた。良子も黙って横に並んで座る。
 「3342号室よ。エレベータのすぐ奥の左側の部屋。」
 「ねっ、どうしたらいい。美咲に危険はないの。」
 「大丈夫だと思うわ。でも、念の為、貴方はここに待機していて。もし、危険があるようだったら、携帯を鳴らすから、すぐにドアへ向かって。ドアを叩いて、ボーイか誰かに鍵を開けさせるのよ。でも、そんな事態にはならないと思う。彼らの尻尾を掴むのが第一の目的よ。私からの合図が無かったら、男がドアを出てきても何もしないで、知らぬ振りをして見送って。いい。」
 「わ、わかった。」
 冴子はてきぱき指示すると、荷物を持って一人非常階段へ向かう。

 屋上に出た冴子は、カムフラージュに着てきたドレスを脱ぎ捨て、荷物にもってきた黒ずくめのジャンプスーツに着替える。訓練では着慣れた格好である。それから目立たないように黒く塗られたロープの束を肩に抱えると美咲と医者が入ったと思われる部屋の真上らしき場所へ立ち、鋼鉄製の手摺にロープの端をしっかりと結わえ付ける。それから今度はロープを腰に潜らせるとフェンスを乗り越え、ロープをゆっくり手繰りながら、ビルの下方へ向かって降りてゆく。普段から訓練でなれている動作で、何の不安もない。冴子はあっと言う間に3342号室の窓の横まで到達した。窓のカーテンは開放されていた。おそらく東京の夜景を楽しめるように、普段から開け放たれているのだろう。広い、スィート風の部屋だった。真中にキンズサイズほどの円形のベッドがあり、そこへ正体を失った美咲が仰向けに横たえられていた。男は美咲が持ってきた紙袋の中身をチェックしている。じきに男はコスチュームを取り出し、美咲の横へ広げだした。

 冴子は背中のリュックから、小型のビデオカメラを取り出す。高性能のCCDカメラで、暗いところでもかなりはっきりと撮影することが出来る。が、男は覗いているものがいる筈もないと安心しきって、シャンデリアの明かりを煌々とつけていた。
 男は、チアガールの衣装を全て出してしまうと、今度は美咲の服を脱がし始めた。すうすうと寝息を立てている美咲はすっかり薬で眠らされていて、ちょっとやそっと乱暴に扱っても目を醒ます気配もなかった。ピンクのスーツの上下が外され、スリップも外し取られて、美咲はブラジャーとショーツだけの姿に剥かれていた。ストッキングも丁寧に脱がされていた。

 下着だけの格好にしてから、今度は男は丁寧にチアガールの衣装を美咲に着け始めだした。真っ赤なジャージの袖を片方ずつ通し、脚からこれも真っ赤な超ミニの襞つきスカートを穿かせる。そうしておいてから裸足の足に白い厚手のソックスを穿かせてから真新しい白いスニーカーまで履かせた。
 チアガール姿の美咲は、本当にチアリーディング部に所属していたのではないかと思われるぐらい、似合っていた。男は満足そうな笑みを浮かべている。

 すっかり着せ終わると、今度は脱がせたスーツを丁寧に畳んで部屋の隅へ片付け、撮影の準備を始めた。男は大型のデジカメを用意していた。部屋の間接照明になっているスタンドの覆いを外して、美咲の姿態にたっぷりと光が当たるようにする。男はベッドの上の美咲の回りをぐるりと周りながら、ありとあらゆる方向から、あられもない美咲のチアガール姿を撮りまくっていった。
 一通りの位置から取り終わると、今度は正体ない美咲の手脚を曲げさせて、いろんなポーズを取らせては写真に収めていく。スカートの裾も付け根が覗いてしまうぎりぎりまでたくし上げたり、
 翻えさせたりもしている。
 最後は、男は持ってきたバッグからロープを取り出し、美咲を俯かせて両手を背中で合わせて縛りあげた。それは美咲の自由を奪うという為よりも、縛られた姿を撮る為らしかった。縛り上げるとすぐにカメラを取り上げて、縄を巻かれた白い手首や、縛られた背中の全身などを撮りまくっていった。
 それが終わると、今度は縛ったまま美咲の身体を表に返し、今度は縛られた格好を前から撮り始める。脚を組ませたり、膝を抱える格好にしたり、ありとあらゆる痴態をさせて、それをデジカメに収めていった。
 遂には男の手が美咲の無防備な短いスコートの中にもぐりこんだ。冴子は慌てて携帯を掛ける準備をする。良子を呼び出すボタンを押す寸でのところで留まった。

 男は美咲のスコートの奥から、穿いたショーツを膝の上まで下げさせたら、その格好で美咲の姿の撮影に戻ったのだ。
 美咲を犯すことは、どうやら男の眼中にはないようだった。ただただ、縛られた格好のチアガールの恥かしい格好をデジカメに収めるのが目的のようだった。

 最後にスコートの前を肌蹴させ、美咲が股間の茂みを丸見えにさせられた格好をデジカメに収めてから、男は美咲のスコートを元に戻した。それを見て、冴子は手にしていた携帯を再びポケットにしまう。
 男はそおっと美咲の手首からロープを外すと、それをまとめてバッグに戻し、美咲の身繕いを丁寧に直してから、そっと上からシーツを掛けた。

 まだ美咲は目を醒ます様子はないのを確認してから、男は部屋に用意されていたミニバーのへ向かう。レミーマルタンの大瓶を開け、ふたつのグラスに少しだけ注いでから、ボトルの残りを洗面所で流す。二人でずっと飲んでボトルを空けてしまったかのようなカムフラージュをしてしまうと、最後に男は美咲に宛てた置手紙を書き始めた。

 「寝込んでしまったので、君を置いて先に帰るよ。明日、大事な手術があるんだ。チアガールの姿、僕にも見せてくれて、ありがとう。とても素敵だったよ。今度は素面の時の演技も観てみたいな。部屋のチャージは済ませてあるから、心配しないでね。また今度逢ってほしい。 篠崎」

 冴子は男が置手紙を書き出したのを観届けてから、腰に巻いたロープを手繰り屋上へ戻っていった。ジャンプスーツでは目立つので、再びシックな黒のドレスに着替えると、良子の待つ33階へゆっくり戻っていった。


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