169婦警運搬

妄想小説

牝豚狩り



第二章 半年前

  その2


 目が醒めた時、どれくらい時間が経っているのか見当も付かなかった。頭ががんがんして痛かった。目は何も見えず、口も何故か動かせない。それどころか、手も足も自由にはならなかった。後ろ手に縛られ、足首まで繋がれているような感じはあったが、確認できない。目と口にも何かが貼り付いているようだ。ガムテープのようなものかもしれない。それも判らなかった。
 はっきり判るのは、さっきからずっと募っている生理的な自然現象だ。それが元で目覚めたのだろう。募り来る尿意に堪え切れなくなってきているのだ。それだけ長い時間、こうして拘束されているのだろうと良子はぼんやりする頭の中で考えた。
 良子は身体が時々揺すられるのを感じていた。それが、何とか堪えようとしているものを余計に刺激して、洩らしてしまいそうにしている。走っている車の中、それもおそらくトランクのような場所であることまでは判る。頬や膝に当たる感触から、何か大きな布のようなもので包まれているようだった。(人間がすっぽり入ってしまうような、何か大きな袋のようなもの・・・。)

 ブレーキ音がして、振動が止まったことで、車が停められたのだと判った。ドアが開いてから、閉じる音がした。その後、すぐ傍で再び扉が開くような音を聞いた。良子は自分の身体を包み込んでいる物ごと、自分の身体が持ち上げられるのを感じた。そしてどすんと地面に落とされた。
 袋が頭の上のほうで開かれたようだった。頭の動きが自由になるのを感じる。しかし手足の自由は依然として無い。
 良子は自由にならない口に貼り付けられた何かの下で、もぐもぐと声を立てた。必死で喋ろうとした。誰かの手が頬に触れた。そして口に貼り付けられたものが少しだけ開いた。
 「お、お願い。もう、漏れそうなの・・・。」
 どういう訳だか判らないが、こんな格好にされているのは理不尽なことに違いないと思った。そんな格好を強いられていて、最初に発しなければならない言葉が、こんなことなのは自分が情けなかった。
 暫く、沈黙が流れた。良子は自分の目が貼り付けられた何かの下で涙を浮かべているのが分った。
 「お願い・・・。」
 良子はもう一度、自分をこんな目に遭わせている相手に、頼みこむようにそう言った。

 自分の身体から袋のようなものが引き剥がされ、下半身に男の手が触れたのが判った。地面に転がされたまま、脚が持ち上げられている。下穿きとストッキングがまとめて膝のところまで下ろされたのが分った。そして裸の尻を両方から持ち上げられた。後ろ手に縛られた両手首と同じく一纏めに縛られた足首とが括りつけられているのが分る。その格好では、自分では放尿する格好を取れない。頭と肩を地面に擦り付けるようにして、うつ伏せの格好になり、括りつけられた手足を上にして膝頭で腰を浮かした。男が地面に付いている両膝を開かせた。
 途端に、じゅるじゅるという音を立てて股間から小水が漏れ出すのを感じていた。もう自分の力ではどうすることも出来ず、自然の摂理にまかせるしかなかった。我慢していた期間が長かった分、出てくる量も半端ではなかった。地面を叩きつけるように迸り出た奔流は、地面で跳ね返って太腿の内側を濡らしていた。下穿きも穿いたままよりはましだったかもしれないが、撥ねで結構濡れているのが分る。地面に落ちて作られた水溜りは、どんどん周りに広がり、良子の身体を支えている両膝のところにも届いていた。

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