妄想小説
恥辱秘書
第八章 書庫室への罠
十一
口の中の生温かい精液は、どうしても飲み込むことが出来ず、矢作が顔を離さないので、唇の端からだらだらと垂れ流した。それは美紀の顎を伝って、ぽとぽととしゃがみ込まされた美紀の剥き出しの内股に垂れて流れた。
漸く、矢作は美紀の頭を離し、陰茎を引き出して、立ち上がった。目の前には陵辱された雌犬のような女の惨めな姿があった。それは撒き散らした小水の水溜りの中にうずくまるようにして、矢作に救いを請うように見上げていた。
矢作はその後をどう始末したものか思案していた。何か事情があってここへ来たのだろうから、すぐに陵辱されたと訴えるとは思えなかったが、自分のしてしまったことが取り返しのつかない事であるのも薄々気づいていた。しかし、このまま放っておく訳にもいかなかった。
矢作はもう一度しゃがんでいる美紀の背後に廻って手錠と括っている紐を確認する。手錠は嵌められたままだが、柱に括りつけているベルトは美紀の手で外せそうなことに気づく。それで、一旦手錠に廻したベルトを外し、美紀の首に首輪のように掛け、ぐったりしている美紀を立ち上がらせて首輪にしたベルトの反対の端を書棚の柱の高い位置に括り直した。これで手錠の手は、足首を繋ぐビニル紐にも首を固定するベルトにも届かなくなり、自力では逃れられなくなった。
それを確認すると、ズボンを手繰りよせ、ベルト無しでずり落ちないようにしっかり紐で留めてから美紀を独り残して、螺旋階段を昇っていってしまう。上のほうで、重い鉄の扉がばたんと閉められ、鍵が掛けられる音を聞いた美紀は、絶望感に襲われた。このまま矢作が戻ってこない筈はないと思いながらも、暗い中に独り繋がれたまま残される恐怖感は堪えがたかった。
矢作が戻ってくるのは随分時間が掛かった。それはおそらく小水で汚された服の着替えを探すのと、身体を綺麗に洗うのに時間が掛かったのだろうと思われた。最初に来た時とは違う作業着に濡らしたタオルを持って現れた。
気づくと、矢作のもう片方の手には、銀色に光るデジカメが握られていた。矢作が普段、現場工事の業者の検収の際に、現場写真を撮るのに使っているもののようだった。
カラカラに乾いた喉を振り絞るようにして美紀は矢作に呼びかけた。
「矢作さん、また洩れそうなの。早くして。ああ、もう我慢できないっ・・・。」
美紀は身を捩じらせて堪えていた。矢作は今度は冷静に奥のほうから古いバケツを持ってきて、縛られたままの美紀の足元に置き、少し離れた位置から下半身を丸出しにして繋がれている美紀の痴態をデジカメで撮り始めた。何度もフラッシュの閃光が走った。
美紀は放尿のシーンは撮られたくなかったが、募り来る生理現象を最早抑えることは出来なかった。ジョボジョボ卑猥な音を立ててバケツに小水を垂れ流すシーンを矢作は夢中でデジカメに収めた。
放尿が一通り収まると、やっとのことで矢作は黙々と美紀の足首の紐を解き始めた。足が自由になると、首輪はまだ解かないままで、美紀の濡れた小便臭い下半身を持ってきた濡れタオルで拭い始めた。矢作にはせめてもの罪ほろぼしのつもりなのかもしれなかった。それから脱ぎ捨てられた美紀のスカートと濡れたパンティを拾い上げ最後に首のベルトを外して取り去ると、先に立って螺旋階段を昇り始めた。美紀は下半身裸のまま、矢作の後に従うしかなかった。
螺旋階段の一番上まできて、やっと振り向いた矢作は美紀に告げた。
「今日撮った写真は、お前が今日のことを黙っているなら、そっと仕舞っておく。が、明るみにするようなら、俺もこれをばら撒いてやるからな。いいな。」そう言うと、美紀にスカートと濡れたパンティを突き出した。怪訝な顔で手を出して受け取ろうとしたが、それは美紀の手に渡る前に宙を舞った。矢作が螺旋階段下の地下倉庫に向けて投げ出したのだった。下半身裸のまま外に出る訳にはゆかない美紀はそれを取りに再び独りで地下に戻らねばならない。その間を使って、矢作はそこを立ち去るつもりだったのだ。
「じゃあ、あばよ、別嬪さん。ここの鍵は掛けないで置いてやるからな。」
そう言うと、バタンと大きな音を立てて扉を潜って出て行ってしまった。上から見下ろすと、美紀のスカートとパンティは奥のほうの書棚の隅に引っ掛かってぶら下がっていた。場所を確認すると、へなへなと座り込んでしまい、すぐにはそれを取り返しに降りてゆく力も出ない美紀なのだった。
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