妄想小説
恥辱秘書
第六章 二人の葬儀
六
痒みで散々焦らされていた美紀は、芳賀の充血したペニスの激しい突きによる愉悦に、我を忘れていた。その時、美紀の淫らな嗚咽を聞いていたのは、離れの奥で眠れないでいた美紀の夫の両親だけではなかった。村の集会所で酒を酌み交わしていた男連中が、逝き別れた人妻の後家が、独り悶々として自慰に耽っている筈などと痴話を言い出したものがいて、勢いでこっそり見に行こうということになっていたのだ。
「おい、昨日、やってきた深堀の家の後家。喪服姿がなかなか艶かしかったなあ。」
「今頃、独り寝の寂しさに、裾をはだけさせて、オナニーに耽ってるんじゃないか。」
「おう、想像するだけで、よだれが出そうだなあ。あの喪服の腰の線。ありゃあ、いい玉だぜ。」
男たちの話はだんだんエスカレートしていった。
「おう、酔い醒ましに、ちょっと深堀の家に皆で忍んで行ってみねえか。あの他所もんの後家がどんな寝乱れ方をしてるか、見てみたくねえか。」
ある者が言い出した提案に、一同は、誰一人異を唱えるものはいなかった。
我さきに、靴や草履を引っ掛けると、一目散に暗い夜道を、村はずれの深堀家を目指す。
深堀家の忌中の堤燈が見えるあたりまで一同が近づくと、それまではしゃぎ回っていたのを示し合わせるように口を噤み、物音を立てないようにして、這うように近づいていった。
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