
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第四部
七十三
男はゆっくり車から降りて来ると、しっかりと車を施錠してしまう。ヨンは走って逃げる訳にはゆかなかった。下半身は股間丸出しの素っ裸な上に後ろ手錠を掛けられて、それを手で隠すことも出来ないのだ。
「どうした。逃げなくていいのか?」
「貴方が言ったとおり、こんな格好じゃ逃げる訳にもいかないわ。」
その時、ヨンはふとあることに気づく。
「貴方、私のマンションに忍び込んだのにそこで犯さずにわざわざこんな所まで連れてきたのはただ犯すだけじゃないんでしょう。」
「ふふふ。やっとわかったか。」
「私を犯した後、この場所に置き去りにするつもりね。」
「やっとリベンジの意味が分かったようだな。その通りだ。お前は俺に犯された後、この場所に置き去りにされるのさ。それが仕返しってもんだ。」
「ま、まさか。後ろ手錠を掛けて下半身丸出しのまま置いていく積りじゃないでしょうね。」
「その位の仕打ちは受けたって充分なくらいのことをお前は俺にしてくれたんだぜ。さ、犯してやるからそこに膝を突いて四つん這いになりな。」
「待って。お願い。フェラチオでもなんでもするからせめてスカートだけは返してっ。」
「ふん、フェラチオだって? もうその手には乗らないぜ。俺のペニスを咥える振りをしてまた急所を蹴って逃げようっていうんだろ? 生憎、フェラチオはして貰わなくったって復讐してやるって気分でもうここはビンビンに立ってるんだ。ほれっ、見てみろっ。」
男がズボンのチャックを下ろして一物を取り出すと、既にそれは天を向くほど怒張していた。
「い、いやっ。そんなもの、見せないでっ。」
「だったら早く背を向けて地面に膝を突くんだ。それなら俺を蹴り上げることも出来まい。」
ヨンは男の用心深さに舌を巻く。
「膝を突くまでは出来るけど、四つん這いにはなれないわ。だって後ろ手錠を掛けられているのよ。」
「ふん。手を突かなくったって、顔と肩を地面に付けて尻だけ持ち上げれば四つん這いにはなれるさ。」
「そ、そんな・・・。いやよ。自分からそんな格好するの。」
「しょうがねえな。じゃ、少し痛い目をみて貰うか。お前が自分の置かれた立場がよく分かるようにな。」
男はそう言うと、ズボンから革のベルトを引き抜く。
「な、何をするつもり・・・。」
ヨンは男がしようとしていることに気づいて思わず後ろにあとずさりする。その瞬間に男は革のベルトを振り上げていた。
パシーン。
「あううっ・・・。」
後ろ手の手錠では避けようもなかった。ベルトはヨンの無防備な裸の腿に打ち当てられる。男が更に二発目を当てようとしているのを見て、ヨンは慌てて逃げようとする。しかし後ろ手の手錠では身動きが自由に出来ずにすぐに前に転んでしまう。それは男に裸の尻を打ってくれとばかりに差し出したようなものだった。

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