Z15

早季子先生





 三

 「さて、そのままじゃ大事な部分がよく見えないな。邪魔なものを剃り落してあげようじゃないか。」
 いつの間にか早季子の前の床には、洗面器と石鹸、髭剃用の剃刀が置かれている。洗面器の中に魔法瓶から熱い湯が注ぎ込まれ、タオルが浸けられた。湯気のたつタオルが早季子の股間に押し当てられた。充分恥毛が柔らかくなったところで手際よく石鹸が塗りこまれていく。自分の恥部を暖かい泡が包んでいく恥ずかしさと一種の心地良さの中で、早季子は目を閉じてその辱めに耐えている。
 ぞりっと音がして最初の一刀が加えられた。小気味よく次々と剃り落されていく陰毛が洗面器の中に散らばっていく。
 早季子は恥ずかしさに目をつぶったままでいたが、やがて剃り終わったらしくタオルで股間が拭われると、その剃り痕にローションのようなものが塗りこめられた。かっとその部分の皮膚が熱くなるような気がする。
 幼い童女のような姿にされた剥き出しの性器を二台のカメラがしっかりとテープに収めていく。
 「さて、次の仕打ちは何だか分かるかね、先生。」
 あまりの辱めに心が麻痺してしまい、もはや虚ろな目で見返す気力も早季子にはなかった。
 「先生に、この格好のまま、おしっこを漏らしてもらうんだよ。」
 「何ですって。」
 あまりの惨めさに我を忘れて早季子は声を上げた。
 「ふふふ、さあ。先生にたっぷりビールを飲ませてやりな。」
 男が二人がかりで早季子の口にビールの瓶ごと押し当てると無理やり飲ませていく。
 首がしっかり抑えこまれて注ぎ込むので飲まないわけにはいかなかった。たっぷり二本分のビールを飲まされ、酔いの中で差恥心が次第に揺らいでいく。
 早季子の前に扇風機が用意され、その冷たい風が早季子の尿意が高まるのをうながしていく。男たちは女が我慢出来なくなるのをじっと待っている。
 早季子はビールを飲まされる前からもかすかな尿意を覚えていた。そのうえの仕打ちであるから、堪えられる訳はなかった。すぐにするどい尿意が襲ってきた。しかし、こんな格好で垂れ流すのを見られるのも耐え難い思いである。しかもその姿をビデオにまで撮られようとしている。
 「お願いです。おトイレに行かせてください・・・。」
 もう早季子の我慢も限界にきていて、両脚をこすり合わせるようにしてこらえている。
 「ううっ、お、おしっこが・・・。も、漏れる、漏れてしまうわ・・・。ゆ、許して、く、下さい。ああっ、が、我慢が出来ないわ・・・。」
 「だいぶ苦しそうだな。すぐ楽にさせてやるよ。おい。」
 真ん中の男が合図すると、横にいた男が毛ばたきのようのものを取り出して早季子の脇腹を撫で始めた。堪え切れない刺激に思わず股間の緊張が緩んでしまう。
 早季子のつるつるに剃り上げられた股の真ん中から殆ど透明の熱い液がほとばしり出てきた。一度、失禁を始めたら止めることは出来なかった。
 大量のおしっこが早季子の太腿まで下ろされたパンティを濡らし、内股を伝って床の上に流れ出た。早季子の足元はすっかり水浸しになり、スカートの裾もぐっしょり練れてしまっている。
 早季子の大胆な放尿シーンをすっかり撮り終わると、やっと男たちは早季子を解放する気になったようだった。足首を縛っていたロープの片一方だけを柱から外した。
 男たちはカメラを収めると、揃ってエレベータのほうへ向かった。
 「手錠の鍵はビルの入り口に置いてやるから、自分で取りに来な。」
 そう言い残すと、男たちはエレベータで降りて行ってしまった。
 早季子はがっくりと膝を落した。縛られて無理な格好のままを強いられてきたので、まだ膝ががくがく震えていた。

 暫くは立ち上がることもできなかった。
 ようやく起き上がると、後ろでのまま足首のロープを外し、濡れた下穿きとソックスを脱ぎ取った。スカートの裾と白い靴は濡れていたが、脱いでいく訳にはいかなかった。
 後ろから手を回して、たくし上げられたスカートは引っ張って戻したが、胸のボタンは手錠を掛けられたままでは、はめようがなかった。
 胸元は剥き出しのままでエレベータを降りるしかなかった。
 もしこんな格好のところを見知らぬ男に襲われたら、犯してくれと言わんばかりの姿である。早季子は階下に誰もいないことを祈るような気持でエレベータを降りることにした。
 エレベータのボタンは手錠を掛けられた手では届かず、肩でやっとの思いで押した。
 階下のエレベータの扉が開いたすぐのところに、小さな鍵が落ちていた。幸い、あたりには来た時同様に誰の姿も無かった。急いで後ろ手で鍵を拾い上げると、やっとのことで手錠を外すことが出来た。
 早季子は由紀子を救う為にここに来たのであるが、自分が罠にかけられるとは思いもしなかった。さっきまでの悪夢のような出来事の一瞬でも思い出す度に恥ずかしさがこみあげてきて、居ても立ってもいられない気持になるのだった。

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