早季子先生
十
終業のチャイムは早季子には天の響きのように聞こえた。まだチャイムが鳴り響いている間に早季子は立ち上がった。
「終業のベルだわ。健二君。席に戻って。今日はこれでおしまい。」
そそくさと教室を出ると、早季子は職員用の女子トイレに急いだ。健二と勝の二人が後ろを付けて来ているのは分かっていたが、無視した。
トイレの個室に駆けこむと、何度も鍵を確かめてからスカートを捲りあげ、思いっきり股間を掻きむしった。強制的にオナニーをさせられているようなもので、苦しいより心地良かった。便器に腰掛けて思いっきり両脚を広げ、秘密の花園をいじっていると、陶酔感に酔いしれてしまいそうになる。
ひとしきり掻きむしってから、貞操帯を外そうと試みた。が、それは早季子の股にしっかりと食い込んでいて離せそうもなかった。仕方なく脚の付け根のわずかな隙間からやっとのことで指を突っ込んでナプキンだけは抜き取った。早季子はほっと息をついたが、パンティのほうにも山芋のエキスがもう浸み込んでしまっていて、痒みはいっこうに治まらなかった。
パンティは貞操帯からはどうしても抜き取ることが出来そうもなかった。やはり、あの二人に頼んで、外してもらうしか手はなかった。
うなだれてトイレから出てくると、目の前に二人が立っていた。
「いい気持だったかい、先生。」
早季子はあたりに誰も居ないのを確かめると、健二の手を取って懇願した。
「お願い、これを外して頂戴・・・。お願いっ。」
早季子は目に涙をためて健二に頼んだ。
「次の授業がはじまったら、またあのトイレに来な。男用のだぞ。じゃあな。」
二人は冷たく早季子を置いて、去ってしまった。
次の授業は他のクラスだったが、急用があるからと自習を命じておいて、早季子は例のトイレに急いだ。
さすがに自分から男子用トイレに入るのはためらわれた。が、誰も居ないのを見計らって飛び込むようにして中に入った。
中には誰も居なかった。まだ、来ていないのか。彼等は授業を抜けてくるのだろうか。早季子は不安な面持ちになった。が、一つの個室の扉が開いていて中に置き手紙が貼ってあるのが見つかった。
(貞操帯を外してほしかったら、言う通りにすること。言いつけを守っていなかったら絶対に外してやらないからな。
まず、スカートをさっきのようにたくしあげておくこと。それから上のタンクに掛かっている手錠を自分で両方の手に掛けて待っていること。手錠はタンクの配管に通したままにしておくこと。)手紙の下のほうには丁寧に、万歳の格好に手錠で繋がれた格好の女の絵が描いてある。
頭上を見ると、水洗のタンクから出ている配管のところに手錠がひっかけてある。両手を繋いでしまったら、万歳をしたような格好で何の抵抗も出来なくなるのである。
それでも従わざるを得なかった。トイレの戸をそっと閉めた。が、ロックを掛けることは出来ない。あの二人が入ってこれなくなるからだ。
早季子はスカートを自分で捲ると腰掛け用便器をまたぎ、両手を伸ばして手錠を片方ずつ掛けていった。もはや彼等の意のままにされるしかなかった。
この時になって初めて、とんでもないことに早季子は気付いた。
(もしあの二人ではなくて誰か他の人が入ってきてしまったら・・・。)
早季子は背筋が寒くなるのを禁じ得なかった。
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