男子トイレ連行

新任教師 美沙子





  七

 デパートの中は休日とあって、混んでいてなかなか前に進めない。しかも鎖で男に繋がれているので、一人で縫うようにどんどん歩いていく訳にもいかないのだった。やっとのことで2階に通じる階段まで辿りつく。トイレのあるほうは、人混みもすこしは無くなっていた。2階に上がる踊り場を曲がって見上げた美沙子を絶望に落とし入れる光景がまっていた。「掃除中。使用禁止」の看板が入り口に下がっているのだ。しかしもう他を捜している余裕は無かった。
 男は顎で隣の男性用を指し示す。そちらは掃除中ではなさそうだった。
 「まさか、俺を女子便所に引っ張っていくつもりではあるまい。」
 男は肩で美沙子を押すようにして男子トイレに美沙子を追い立てる。美沙子は躊躇している余裕はもはや無かった。
 幸い、男子トイレの中には誰も居なかった。美沙子は急いで個室に飛びこもうとした。が、その美沙子を男が鎖で引いて制止したのだった。そして、掴んでいたその鎖の端を男性小便器の上の給水管に結わえ付けてしまったのだ。
 「何をするの。やめてっ。」
 しかし、男は非情にも少し離れた位置で美沙子の窮状を楽しそうに眺めているばかりだ。
 「もう我慢が出来ないの。お願いっ。」
 「無理することはない。そこにしたらいい。」
 男が顎で示すのは男性便器のアサガオだった。さすがにそれは美沙子も躊躇われた。しかもスカートも下着も付けたままである。
 「こんな格好じゃあ出来ないわ。」
 「だったら、パンツを下ろしてくださいって頼むんだな。」
 男の仕打ちに愕然とした美沙子だったが、生理的要求がいまや美沙子の理性を支配していた。
 「分ったわ。 ・ ・ ・ パ、パンティを、 ・ ・ ・パンティを下ろして、く、くださいっ。」
 男はゆっくり近づいてきて、楽しむように美沙子をじらしながら、腰の両側から手を廻し、スカートをずり上げ、パンストとパンティを一緒に少しづつずりさげていく。
 「駄目、もう我慢出来ないっ。」
 完全にパンティを下ろしきらないまま、美沙子は堪らずに男子便器に股間を押し付ける。
 生まれて初めて男子便器に、それも両手を縛られたまま立って用を足す術は、持ち合わせている筈もない。最初の一滴は充分に開き切らない太腿の内側を伝って、まくれきっていないスカートと膝上に引っ掛かっているパンティを濡らした。が慌ててガニマタポーズで便器を跨ぐ格好で何とか途中から便器めがけて放尿が続けられた。

 出し終わった後も、美沙子は息が切れて仕方ないような気がした。濡れたパンティが足元にまとわり着くようで気持ち悪かった。恥ずかしさに顔が上げられなかった。そして涙がとめどなく溢れてきていた。
 「いつまで感傷に浸っているつもりかい。誰かがいつ入ってくるかもしれないぜ。」
 男の冷たい言い口にはっとした美沙子だったが、慌てて何処かへ隠れようと動こうとした途端に給水管に繋がれた鎖に思いっきり首を引っ張られ、繋がれた身であることを思いしらされた。
 「早くこれを外してください。」
 「それが奴隷の分際でご主人様に言う言葉か。」
 男の言葉は非情だった。
 「そこに土下座して(私が悪うございました。これからは貴方様の言うとおり何でも聞きますから、私をお許しください。)とお願いしてから鎖を外して貰うんじゃないのかい。」
 美沙子は屈辱感に顔が真っ赤になる。しかし、男の言うことを聞くしか、この場から逃れる術は無かった。仕方なく、美沙子はトイレのタイルの床に膝をついた。
 「わ、私が、 ・ ・ ・ 私が悪うございました。 ・ ・ ・ これからは、 ・ ・ ・ これからは貴方の、あ、貴方様の言うことを、 ・ ・ ・ 何でも聞きます。ですから、これでもう許してください。」
 美沙子は口惜しさに涙を流しながら、男の言うままの言葉を口にした。
 「頭を便所の床に付けてお願いするんだ。」
 男は更に責めたてた。
 美沙子は仕方なく、膝をついたまま頭を下げた。が、首輪に填められた鎖が便器に繋がっていて床までは頭は届かない。
 「出来ません、これ以上は。」
 頭を下げたまま、美沙子は男をなじるように言った。その美沙子の頭に男の靴が乗っかってきた。繋がれた首輪で美沙子は首を締められ息が止まりそうになる。
 「生意気なことを言うな。奴隷の分際で。少し思い知らせてやる。」
 頭を下げたままの美沙子の背後で、男はズボンからベルトを引き抜いた。革製の分厚いムチだった。それを短いスカートから剥き出しになっている白いむちっとした臀部に振り下ろした。
 「あううっ。」
 大声を立てそうになるのを、かろうじて堪えた美沙子だった。声を立てて誰かがくれば、困るのは美沙子のほうだった。唇を噛んで必死に堪える。
 男は容赦なく二発目を美沙子の無防備の尻に向かって振り下ろしてきた。
 「あううっ。 ・ ・ ・ ゆ、許してっ。許してください。」
 そう叫ぶのがやっとのことだった。

 その時だった。トイレの外でなにやら話し声が聞え、それも近づいてくる様子だった。男は素早く便器の給水管に括ってあった鎖を解き、美沙子の肩を抱えてすぐ近くの個室に押し遣った。男が一緒に入ってきて個室の扉を閉め鍵を掛けるのと、外から誰かが入ってくるのはほぼ同時だった。男二人連れで、何やら会話の続きをしながらトイレに入ってきたのだった。
 美沙子がほっとするのもつかの間で、男はズボンのチャックを下ろし股間の一物を取出すと、美沙子の髪の毛を掴んで、その一物の前に美沙子の顔を押し付けた。
 美沙子の目の前には屹立する男性自身が天を向いていた。美沙子の髪を掴んでいる男の手に力がこめられた。否応もなかった。咥えさせようとしていた。美沙子は吐き気を感じながらも、外の男達に気づかれないようにする為には黙って口にするしかなかったのだった。
 つ~んとする臭いが美沙子の口元に広がった。男の物で顎が外れそうなほど口を開かなければならなかった。口の端からよだれが流れるのを止めることも出来なかった。
 扉の外側では、男二人がまだ会話を続けていた。美沙子の前の男は、美沙子の髪を掴んで前後に振り出した。美沙子にしゃぶりながらのピストン運動を強いているのはすぐに美沙子にも分った。外の男等に気づかれないようにするには、素直にそれに従うしかなかった。男の一物はそれで硬度を増したように思われた。

牽かれ


 美沙子にはすれ違う誰もが自分の口の周りのべとべとした性液をあざ笑っているように思えるのだった。しかし実際のすれ違う者たちには、まさか口のまわりにスペルマを浴びせられたまま歩いている女が居るなどとは思う者は居ないので、何気なく皆んな通り過ぎてゆくのだった。
 男は溜まっていたものを放出してしまった安堵感に浸っているようで、更に強い責めを美沙子に仕掛けてこないのが、美沙子に取ってのせめてもの幸いだった。

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