看護9

妄想小説

恥辱秘書






第五章 付き添い婦への姦計


 八

 美紀が居なくなるやいなや、晴江は今洩らしたばかりの股間に貼り付けたビニル袋の様子を確かめる。ビニル袋はたっぷりの小水で満たされ、その下部は短い晴江の看護婦の裾から少しはみ出して覗いてしまっている。美紀に見られてしまったかもしれないと晴江は蒼くなる。
 今のうちに外してしまわねばと思うのだが、外した後の小水入りビニル袋をどこに隠したものかと思案に呉れていた。下手に放置すれば美紀にすぐに見つけられてしまいそうだった。かと言っていつまでも貼り付けたままでは動くに動けない。(しかし、兎に角外してしまおう)と思い立ってスカートを捲り上げたところで、ドアノブがガチャリと音を立てた。慌てて裾を元に戻すと、美紀がなにやら手にして戻ってきてしまった。
 「持ってきてあげたわよ。何かしら。」
 紙袋に包まれたそれを見た瞬間、晴江は閃いた。(芳賀が持っていってしまった吉村重役の服なのだろう。)晴江は、吉村の下半身を裸にしたままであったことを思い出した。こちらも何とか吉村が起きてしまう前に着せておかねばならなかったのだ。点滴の袋を見ると終わりかけている。もう一刻も猶予がならなかった。
 「あの、多分、吉村重役の為の着替えか何かじゃないかしら。その辺に置いておいてくださらない。」平静を装ってさり気なく言い切った晴江だった。
 「何で着替えなんかが居るのかしらね。」
 「さあ、芳賀課長さんが何か頼まれたのでしょう。」
 一瞬どきりとした晴江だったが、しらばっくれることにした。美紀はそれ以上は追求してこなかった。

 「ねえ、田代さん。私、芳賀課長から吉村重役が起きるまでここに付いていてって頼まれているのだけれど、ちょっと用があって。・・・そう5分で済むから、すぐ戻って来るんで居たことにしてくれる。」
 晴江にとっては願ってもない話だった。
 「こちらのことなら、看護婦の私に任せておいてくれて大丈夫よ。ゆっくり用を済ませてきて。」
 「そう、助かるわ。なるべく早く戻るから。」
 そう言うと、美紀はさっと立ち上がって出ていってしまった。

 美紀は5分と言っていたので、余裕は無かった。まず吉村の服を着せてしまうことが先決だった。美紀が無造作に芳賀のところから持ってきた紙袋は、ソファの前の低いテーブルのところに置かれていた。ストレッチャーの架台のパイプに繋がれた晴江には手を伸ばしても届かない。晴江は吉村を起こさないようにそおっとストレッチャーのキャスターのストッパーを外して、吉村を乗せたまま、ストレッチャーを動かすことにした。
 1mほど動かすことで何とか手を伸ばして美紀の持ってきた紙袋を手にすることが出来た。中をあらためると確かに先ほど脱がした吉村のズボンとトランクスだった。
 出来れば作業を終えるまで応接室の扉を内側からロックして置きたかった。が、その為には更に5mほどストレッチャーを動かす必要があった。そこまでしている余裕はないように咄嗟に判断した。
 さっと吉村の下半身を蔽っていたシーツを剥ぎ取る。すでに勢いを失って萎えてだらしなく垂れている陰茎が目に入る。口に含まされたことを思い出すと、吐き気がした。が、躊躇している暇は無かった。袋からトランクスを出すと、片足ずつそうっと持ち上げて穿かせ、徐々に腰のほうまで引き上げていく。中途半端な位置までしかあげれなかったが、とにかく形だけでも急いで取り繕う必要があると思ったので、ズボンのほうに取り掛かる。こちらも片足ずつ持ち上げて何とか穿かせる。尻の下に何とかズボンを押し上げ、ベルトをして、股間のチャックを上げようとして、慌ててチャックにYシャツの端を噛み込ませてしまった。
 (落ち着いて、落ち着いて。)
 自分に言い聞かせるように一旦深呼吸してから、もう一度力を入れてチャックを引き下ろし、噛み込んだ布を外す。晴江の手が吉村の陰茎にトランクスを介してではあるが触れてしまう。途端に、吉村がびくっとして動いた。晴江は心臓が止まるほど驚いたが、目覚めるまでは至らなかったようだ。
 再び慎重に、今度は陰茎に手が触れないよう細心の注意を払ってズボンのチャックを引き上げた。Yシャツとズボンはよれよれになっていたが、直すに直せないので、放っておくことにした。寝乱れたのだと思ってもらうしかないと思った。

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