秘書9

妄想小説

恥辱秘書






第一章 嵌められた女秘書


 五

 その命令は、次の日の朝、メールでやってきた。前の日は膨大な量の「服従」という題名のメールしかなかった。中身も画像一枚だけで、何のメッセージもついてない。その日は周り中を気にしながら過ごさねばならなかった。しかし、あのメールを送りつけてきた者からの何の連絡もなかった。
 が、次の朝は具体的な命令だけが送りつけられてきた。

 「朝、10時に体育館の横の男子トイレの個室に行って、穿いているパンティとブラジャーを脱いで置いてくること。」簡単に命令だけが書いてある。差出人は前と同じ、CBX0036云々とある。

 取り合えず従わない訳にはいかなかった。美紀は朝から気が気でなかった。何度も時計を確かめなければならなかった。早めに行くわけにもいかない。しかし、遅れることも出来ない。

 10時きっかり10分前に事務所のフロアを出た。トイレに入る。重役や総務課長の芳賀などに何か用をいいつけられてはいけないと思った。トイレの個室で5分が経つのを待った。5分前になったところで、エレベータで下に降り、急いで体育館の建物へ向かった。

 体育館は社員の運動クラブなどに使う為に会社の中に設置されていた。勿論、就業時間中には誰も入っていない。しかし鍵などは掛かっていない筈だった。以前に新入社員の入社式を行うのに手伝って、会場の準備をしたことがあったので、よく知っていた。
 トイレは体育館の奥のステージの脇にあった。右が男子用、左が女子用になっている。指定は男子用トイレだった。さすがに美紀も男子用トイレには入ったことがない。

 体育館の脇の入り口から、誰も居ないのを確かめてそっと音を立てずに中に入る。微かに板張りの床がきしむ。摺り足でトイレに急ぐ。
 ちょっと躊躇ったが意を決して男子トイレの中に駆け込む。白いアサガオの便器が並んでいるのを見ると、顔が赤くなる。こんなところを誰かに見つかったらと思うと、冷や汗が流れてくる。

 個室は3つあった。その真ん中に入って鍵を掛ける。時間はあまり無かった。ブラウスのボタンを震える手で外し、背中に手を回してホックを外す。胸は豊かなほうだと自分でも自信があった。その乳房がブラジャーを外すとぶるんと震える。肩紐を抜いてブラジャーを外すと扉の真ん中にあるフックに引っ掛ける。そしてスカートをたくし上げる。もう迷っている暇は無かった。美紀は何も考えないようにした。両方の腰の後ろ側からパンティの端をつかむと、くるりと巻くように尻からパンティを下げる。
 靴を履いたまま、片方ずつ、脚を抜く。脱いでしまったパンティをそっと広げてみる。2重になったクロッチの部分は、やはり濡れて染みになっている。そんなものを見られるのは、もう恥ずかしいという感覚を超えている。しかし男のたくらみのほうが怖ろしかった。

 わずかな抵抗だったが、パンティの滲みになったところが見えないように丸めると、ブラジャーで軽く括って扉のフックに再び引っ掛け、逃げるように個室から飛び出た。

 もう後も振り向かずに、小走りに体育館のフロアの抜け、外に飛び出た。息がはあはあ切れそうだった。目の前に美紀が居る事務所のある建物が見える。窓が並んでいて、そのどこからか美紀の様子が窺っている者が居るような気がする。しかし美紀のほうからはガラスが反射していて見えはしない。美紀は唇を噛んで悔しさに耐え、事務所に向かって小走りで急いだ。

 ノーパン、ノーブラを強いられてのは、勝気な美紀には屈辱的なものだった。犯人がどこかで笑っているかと思うと、悔しさに唇が震えた。しかし、美紀は敢えて毅然とした態度で振舞った。さすがに階段の昇り降りには気を遣わねばならない。普段でもパンティが覗いている訳でもないが、ノーパンだと、見えてしまいそうな気になって、無意識のうちにスカートの裾を抑えてしまう。
 ブラウスは薄手だが、上にチョッキの制服をまとっているので、乳首が見えてしまうことはない。が、抑えていない豊かな胸は、振り向くたびに胸がゆさゆさ揺れてしまうのが、他人には判らない筈なのだが、本人には気になって仕方がない。
 困るのは、それでなくても濡れてくるあそこが、何も無いため内腿に垂れてきてしまうことだ。まさかそれが狙いでパンティを脱がされたのだとは、さすがに美紀も思いもしなかった。美紀は誰かに気づかれる危険を冒して、机の下で脚を開いてティッシュを使わねばならなかった。その姿を芳賀が見逃す筈もなかった。しかし、気づいたのは芳賀だけで、美紀のそんな行為は他の誰も予測だにしない。

 美紀は残してきた下着のことも気になっていた。誰がそれを見つけるか判らない。犯人に回収されているに決まっているとは思いながらも、放置されているかもしれないと思うと、気が気でなかった。
 とうとう意を決して、再び体育館に忍び込む。小走りにトイレの入り口に近づくと、すっと忍び込み、個室の扉を開ける。やはり下着は無くなっていた。男に自分の汚した部分を覗かれているところを想像し、美紀は恥ずかしさと悔しさに思わず歯軋りする。

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