妄想小説
恥辱秘書
第十七章 仕組まれた罠
七
裕美は一瞬躊躇う振りをして、背後のカメラを振り向き、唇を噛んで口惜しさをかみ締めている振りをしてから、腰骨の両端のところで、スカートの中に手を入れて、ゆっくりショーツを膝小僧のすぐ上まで下ろしてゆく。
スカートの裾より下まで下着をおろした状態で、裕美は長谷部の命令を待つように、潤んだ目で長谷部を見上げる。
「さあ、続きを。そのまま、さっきのように裾を上げて。」
最早、誘導しなくても、長谷部は裕美に命令するようになっている。
「本当にそんな恥ずかしい格好をお命じになるのですか。」
「そ、そうだ。早くっ・・・。そのままの格好で、スカートを捲って見せるんだ。」
「私は、あなたの部下ですから、命令に従わない訳にはゆかないのです・・・。」
再び、カメラのほうをちらっと振り向いて、口惜しさにいっぱいという表情をしてから、おもむろに長谷部に向けて、裸の恥部を露わにする。
長谷部はしばらく、スカートの下から現れた頼りなげな叢の茂みに見入っている。演技でやっているつもりの裕美も、その部分が次第に潤んできて濡れているのを感じていた。
「もう、これ以上は、縛られないと出来ません。」
突然そう言うと、さきほど内側からロックを掛けた扉の前に走り寄る。最初に部屋に入った時に、お茶の盆とは別に小さな布製の袋を持ってきていて、ドアのところにそっと置いておいたのだ。
その中から裕美は麻の縄を取り出す。そして長谷部の机の上にぽんと置くと再びさきほどの位置へ戻って、長谷部の正面に向き直るのだ。膝頭の部分にはまだショーツがぶら下がっている。
「わ、わたしに、縛られるように命令される、おつもり・・・ですか。」
「・・・。そうだ。縛られるのだ。」
「私が、嫌だと抵抗しても、縛ってくださいますか。・・・私はマゾなのです。嫌と言っているのを無理やり縛られないと、感じることが出来ないのです。」
「・・・、そうか。判った。さあ、こっちへ来なさい。いや、こっちへ来い。命令だ。」
裕美は長谷部が次第に興奮して上気だってきているのに気づいていた。もう、既に冷静に自分が何をしようとしているのか、自分の意思でしているのか誘導されているのか、冷静には考えられなくなっていた。
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