姦計9

妄想小説

恥辱秘書






第十四章 再びの仕組まれた接待


 九

 「沢村さん、ごめんなさい。待たせちゃって。でもね、裕美ちゃんが沢村さんにサービスしたいからと、わざわざ着替えてきてくれたのよ。さ、お入んなさいな。」
 急に変な衣装に着替えてきたことの訳を悟られない為の美紀の機転であるかのように裕美に思わせる作戦だった
 美紀は裕美の背を押すようにして、裕美を中へいれる。沢村は裕美の格好を見上げ(おおっ)と声を上げる。
 「いいねえ、裕美ちゃん。ちゃんと僕の趣味を知っているんだ。これは凄いプレゼントだ。好きなんだよ、その格好。さ、こっちへ来て座って。」
 沢村は身を乗り出すようにして手招きする。
 美紀は、裕美に目配せで紙袋を示して、(これ、お店の人に預けてくるから)と言わんばかりの合図をして部屋を出ていってしまう。

 裕美は沢村の横にぴったりくっついて座らされる。低いソファに腰を下ろすと、ワンピースの裾はずり上がってしまうので、脚をぴったり閉じているが真正面から見たら、裾の奥は丸見えの筈だ。横にいる沢村のほうは覗けない位置に居るが、部屋の入口から誰か入ってきたら丸見えになってしまう。裕美は膝の上にさりげなく手を置いて、裾の奥をガードする。
 いつの間にか、テーブルにはアイスバケットにはいったシャンパンのボトルが運び込まれていた。沢村はその脇に置かれていた背の高い細身のシャンパングラスを手にすると、裕美に注いでくれるように顎で合図する。
 氷水の中のボトルは縁に掛けられたナフキンで下を覆いながら持たないと壜から水が垂れてしまう。そもそも重いボトルは片手だけでは持つことが出来ない。このことは必然的に両手が塞がり、裾のガードがおろそかになることを示していた。裕美がバケツからボトルを両手で掲げ持ち、沢村のグラスに注ぎ込もうとした時に、タイミング悪く、ボーイが入ってきた。裾の上を手で隠したいが両手は塞がってしまっている。しかも沢村のグラスを持つ手がゆらゆら揺れるので、思うように一気に注ぎ込むことが出来ない。ボーイの目は露骨に裕美の着ているワンピースの裾の奥に覗くデルタゾーンに釘付けになっている。
 やっとのことで沢村のグラスに注ぎ終わり、ボトルを戻して膝の上に手を置いて隠した時には、灰皿を替え終わったボーイが外に出るところだった。裕美は、自分のパンツ丸見えの格好をボーイが思い出しながらあざ笑っているかと思うと、口惜しさに唇を噛んだ。

 そしてやっと美紀が戻ってきた。手にはさっきの紙袋を持っていない。裕美は濡らした自分の服がどうなったか気になってはいたが、沢村の前ではその話題に触れる訳にはゆかなかった。
 裕美は、美紀が自分のことを「失禁症」と言っていたのも気になっていた。「失禁症」という言葉は知らなかったが、そういう病気があるのだと半分信じかけていた。裕美自身にも何故そんなに急激に何度も尿意が襲ってくるのかわからなかったのだ。放尿してはビールで大量の水分を採らされているので、次から次へ尿意が起こっても不思議はないのだが、この店に来る前から尿意を催してばかりいるのは、美紀の言うとおり、急性の病気なのだろうかと思っていた。
 沢村の機嫌を損ねないように接待しなければならないので、沢村に酒を薦めながらも、自分もどうしても飲まざるを得ない。この間のように酔い潰れることはないように気をつけてはいるのだが、沢村が気を使って強い酒にしないようにしているのか、ビールばかり薦めるので、裕美は酔いよりも新たな尿意にばかり気を取られていた。

 結局、その日は裕美が潰れる前に、沢村のほうが酔い潰れて寝入ってしまったようだった。裕美はそれまでに何度かトイレに立とうとしたが、沢村が酔って倒れこんだりして、その度に美紀が裕美に声を掛けてなんとか沢村を支えるのを手伝わせるので、行きそびれてしまった。そして、遂には紙おむつの中に我慢できずに洩らしてしまった。
 裕美は、美紀が自分がおむつを嵌めていることを知っているので、座ったまま洩らしているのを気づかれまいか、それだけが気になった。気づかれないように極力平静を装いながら、そっと放尿したのだが、それでもその一瞬は眉間に皺が寄ってしまう。しかも出し終えた時に、思わず身体をぶるっと震わせてしまった。美紀の目はその一瞬を見逃さなかったように裕美には見え、恥ずかしさに俯くしかなかったのだ。

 沢村が酔いつぶれたので、美紀は沢村の介抱を裕美に預け、店の人にタクシーを呼んで貰う為に出ていった。正体なく寝入っている沢村に安心して、裕美は美紀が出ていくと、バドガールの衣装を捲り上げ、紙おむつから尿が洩れていないかを確かめる。最初に着けていた紙おむつが尿を洩らしたことで、裕美は不安で仕方なかったのだ。まさかそれが吸水剤がすりかえられていたなどとは思いもしなかった。ワンピースの裾を捲って股間を調べている裕美を、実は寝入った振りをしていた沢村役の原が薄目を開けて後ろから覗いていることにも、裕美はまったく気づいていなかった。沢村が酔い潰れているのは演技だったのだ。
 美紀が戻ってきて、タクシーが来たので、二人で沢村を両側から抱えあげて運ぼうというのにも裕美は全く疑いを抱いていなかった。
 美紀と両側から腕を肩に乗せて何とか、沢村を立たせ、駐車場まで運んでいくのだった。酔った振りの沢村役の原は、裕美が信じきっているのを利用して、寝入って何気なく下ろした振りで手を裕美の胸元に伸ばして、乳房に触れたりして感触を楽しむ。裕美のほうは、まさか沢村に意識があるとは思っていないので、胸に沢村の手が触れても、仕方がないと沢村が倒れこまないことのほうばかり気にしていたのだ。

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