姦計6

妄想小説

恥辱秘書






第十四章 再びの仕組まれた接待


 六

 いつもは、股間だけにじわっと生温かいものを感じ、それがゆっくりと吸収体に染込んでいくのを感じるのだが、その時、革張りのソファのシートに直に触れている太腿に生温かいものが広がってくるのを感じたのだ。
 (えっ。)
 裕美はそっと腿を上げて手をあて、そこに触れたものに愕然とする。紙おむつから小水が漏れ出していたのだ。裕美は慌てる以前に、あまりのことに呆然としてしまって、暫く動けないでいた。
 (どうしよう・・・。皆んなが戻ってくる前に何とかしなければ。)
 そう思うのだが、どうしていいのか頭の中が真っ白になってしまって身体が動かない。

 やっとのことで我に返って、テーブルの上のオシボリを取り、腰を浮かして革張りのソファの濡れたところを焦って拭う。スカートのお尻の部分がもうぐっしょり濡れていた。
 (どうしてこんなことに・・・。)
 裕美はソファを拭きながら、もう涙目になっていた。
 沢村や美紀の分のおしぼりもあるだけ全部使ってなんとか小水を吸い取ったが、ぐっしょり水分を吸ってアンモニア臭を漂わせているおしぼりをそのままにしておく訳にもいかなかった。裕美は上着を脱ぐと、腰の周りに巻いてスカートの濡れたところを隠し、水分を吸ったオシボリを抱えてトイレめがけて走り出した。廊下に出たところで向こうから歩いていく美紀の姿を認めた。向こうもすぐに気づいたようだったが、立ち止まる訳にはいかない。裕美は顔を下げて無視して通り過ぎようとする。
 その手を美紀の腕ががっしり掴んだ。
 「あら、裕ちゃん。慌てて何処へいくの。席が空っぽになっちゃうじゃない。」
 「ご、ごめんなさい・・・。」
 それだけ言うのがやっとだった。美紀の制止を強く引き払うように振り切って、トイレに向かった走ってゆく裕美だった。その後ろ姿を憐れみと蔑みの思いで見送る美紀だった。

 裕美は芳賀と美紀の策略にまんまと嵌ったのだ。その日の朝早くに秘書室に忍び込んだ美紀は、裕美のロッカーの奥にしまいこまれている紙おむつのパックを全て芳賀から渡されたものにすり替えておいたのだ。それは、ひとつひとつ丁寧に内張りを剥がし、中身の吸水凝固剤をただのスポンジに入替えたものだったのだ。外観の見た目には本物と全く区別の付かないそれを、裕美は当ててしまっていたのだ。ただのスポンジで出来たおむつが洩らした尿を染みとってくれる筈もなかったのだ。

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