写真パネル晒し

騙された新人女優とマネージャー



 第四部



 七十二

 「おう。奥の部屋でいいものを見つけてきたぜ。ほらっ。この写真に写ってんのはおめえだな。」
 玄太が手にしていたのは深沢に撮って貰った全裸写真のうちの一枚のパネルだった。それを縛られて吊られている茉莉の前に翳して見せるのだった。
 「奥にこんなパネルが幾つも山のようにあったぜ。おめえ以外にも有名な大女優のエグイエロ写真もあったしな。こりゃ高く売れそうだな。」
 「だ、駄目よっ。売るだなんて・・・。それは私のも含めて世間には公表しないって約束の元で先生に撮って貰ったものなの。」
 「ふん。そんな口約束なんざ関係ねえよ。これらの写真はオジキのものだろ? ってことはオジキが死んじまえば相続人の俺のモノって訳さ。売ろうが発表しようが俺の自由ってことよ。」
 「そ、そんなこと出来ないわ。出来ない筈だわ・・・。」
 茉莉は玄太の背後で由里がソファの陰から顔を覗かせているのに気づく。その由里がソファの陰からスマホを出して画面を指差している。動画を撮って会話を録音しようとしたほうがいいかと訊いているのが分かる。茉莉は玄太に気づかれないように由里に頷いてみせる。
 「ねえ、貴方の義理の父親が外の廊下で心臓発作を起こしているのよ。それを貴方は救急車も呼ばないで見殺しにしようとしている。これはれっきとした殺人よ。そんな貴方に相続権が移る訳がないじゃないの・・・。」
 茉莉は必死で玄太から言質を取ろうとする。
 「見殺し・・・? まあ、そういうことになるかな。だが、それは俺がそうしたって証拠が残ればの話さ。ここにはお前と俺しか居ねえんだ。証拠が残りようがねえのさ。そうだな。後で警察にはお前がそんな格好で心臓の弱いオジキを興奮させて心臓麻痺を起こさせたって証言しといてやるよ。こんなパネルの写真が残っていたとなりゃ、誰もが俺の言うことを信じるぜ。」
 「ひ、卑怯もの・・・。そんなこと、絶対にさせないわ。」
 「そうだ。オジキが残してた遺言書も見つけたぜ。やっぱり財産も所蔵品も俺には一切譲らないなんで余計なことが書いてあったぜ。ほら、これだよ。俺がこれを見つけたからにゃ、世間に見つかる前に燃やして処分しちまうからよ。」
 「だ、駄目よっ。そんな事・・・。それこそ犯罪よっ。」
 「大丈夫さ。何も証拠は残りりゃしないからさ。こいつは後でお前が見てる前で燃やしてやるから、その前にお前をちっとは可愛がってやろうかな。ずっと縛られたままであそこが触って欲しくて疼いているんだろ?」
 玄太は手にしていた遺言書らしき紙をくしゃくしゃにして丸めるとポイっと床に投げ捨てる。そして立ち上がって縛られている茉莉の前に立つと、ズボンのベルトを緩め始めるのだった。

yuri

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