妄想小説
牝豚狩り
第八章 思いがけぬ手掛かり
その８
冴子は早速、知り合いの新聞記者に、内密で記事掲載を依頼した。昨今ではどの新聞社もネット上の記事掲載サイトを持っている。ネットでの記事掲載は、通常の紙面と違って、掲載内容のチェックは甘い。インターネットでの情報の伝わる速さに、編集部そのものが追いついていかないのだ。掲載記事は早いものは分単位でどんどん更新されてゆく。そんなものに一々編集会議や、デスクのチェックの目が行き届かないことも多いのだ。
冴子が頼み込んだ記事は、いわば捏造記事である。事実が発覚すれば、友人の新聞記者としての首が飛びかねない。しかし記事そのものは、誰かが事の真偽の裏を取ろうと思うようなものではない他愛も無い三面記事の類である。発覚する畏れはまず無いといえた。だが、冴子は安全の為に、美咲の所属する横浜市戸塚署の署内ボーリング場で行われたボーリング大会の記事も用意させる。そして写真が取り違えられたことにすることにしたのだ。ボーリング大会の記事のほうは、職務外の懇親の場であるにもかかわらず警察官の制服姿で写っているため、好ましくないとの理由で没になったことにさせたのだ。
この手の記事は、新聞社のメインのポータルサイトという看板ページからリンクされている。一旦、そのリンクされたニュースサイトに掲載し、すぐにメインページからのリンクを外す。秘密の会員以外で、特に美咲の顔をしっている戸塚署内の者などがサイトを閲覧しては困るからだ。
冴子はその記事がネット上に掲載されるや否や、秘密のサイトの掲示板に書き込みを仕掛けた。
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156 ：147：04/12/16 18:28:13 ID:476mwHPK
さっき、「婦警 痴漢 逮捕」で検索掛けたら、生意気そうな婦警の逮捕劇が写真入りで出てた。
157 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 18:30:30 ID:DafWxEaz
どこのサイト。 教えて。
158 ：147：04/12/16 18:33:55 ID:476mwHPK
検索って、時々、意外なものが引っ掛かるよね。
159 ：147：04/12/16 18:39:23 ID:476mwHPK
>>157
××新聞のローカル記事で、もうアップされていないけど、下のサイト。
ttp://www2.webcity.jp/da/html/information.html
この婦警、ちょっと可愛いけど、調子乗ってるって感じ。こういうの、懲らしめてやる必要があるよね。
160 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 18:42:25 ID:Ka3rmxjJ
実名も載ってるの？
161 ：147：04/12/16 18:45:44 ID:476mwHPK
今、記事見た。実名記載はありませんねぇ。
痴漢がこの警察官に襲い掛かっている場面の画像があるといいのに。
（ある訳、ないか） でもちょっと可愛い。
162 ：147：04/12/16 18:48:03 ID:476mwHPK
お茶目な雰囲気で敬礼しているのが、そそられるうううう。
紺系の衣装はやっぱ、コスプレじゃなくて本物だからいい。
163 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 18:58:19 ID:Ka3rmxjJ
この女警官に捕まったの、こんなかに居たりして。
164 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 19:52:36 ID:JvrH4a2x
とりあえず俺じゃない。
165 ：147：04/12/16 19:53:13 ID:G8ecwaaB
制服のスカートの下、どんな下着つけてんのか見てみたい。
166 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 20:23:16 ID:JUbuH0xT
こういうちゃらちゃらしたのに限って、意外と清楚な白パンだったりするんだ。
167 ：名無しさん＠ピンキー：04/12/16 20:48:08 ID:rqqVFPil
見てきたみたいなこと言うね。
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冴子、そして美咲の思惑通り、秘密のサイトの掲示板は、美咲の捏造された痴漢逮捕による表彰の写真と見間違うよう掲載された、実はボーリング大会のブービー賞を自慢気にかざしている写真の話題で持ちきりになった。
美咲は、冴子にうまく首謀者がこの掲示板の書き込みから、贋の記事をみて、良子と同じ所轄内に居た同僚であることに気づいてくれればいいがと話した。が、冴子はあの男が、美咲の写真を観て、すぐに美咲と気づき、アプローチしてくるだろうことを予感していた。これまで見てきたあの男の用意周到さが、却ってこの罠に引っ掛かってくるだろうことを予感させたのだ。
この秘密のサイトへの連絡メールを盗み取った例の医者、篠崎のほうへは、これも冴子自身が秘密のサイトに似せて作った贋のサイトのURL を送ってある。篠崎は美咲の顔を知っている。警察官であることは知らないが、それだけに篠崎が見てしまうと、騙していたことが発覚してしまうからだ。篠崎のほうへは、都合の悪い情報はまったく伝わらないように冴子が工夫していたのだ。
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