股舐め拷

妄想小説

プール当番



 第三章 用務員の狼藉


 圭子は目隠しは取られたものの、両手、両脚を繋がれ、スカートは大きくまくり上げられた無防備な格好で、プールの用具室におきざりにされたのだった。
 最初に何かを嗅がされて気を失っていた時間を含めて、もうかなり時間がたっている筈であった。日曜日で誰か来る可能性は少ないが、人が来てもおかしくない時間にはなっている筈だった。

 圭子は自分の格好をあらためて観察してみた。両方の手首には綿ロープのようなものでしっかり結わえ付けられており、その端は用具室の壁の隅を走っている配管、おそらくシャワー室へつながる給水管であろう、に繋がれている。脚を繋いだロープも、部屋の隅にある机と用具棚の足に繋いである。
 圭子の薄手のワンピースは前がおおきくはだけられ、ブラジャーが上へ持ち上げられて乳房の半分がはみでている。スカートは前の部分でまくられてはだけられたところへつっこまれている。ちょうど脚の付け根の部分だけが覗けるくらいにまくられている。おそらく前から見たら、白いパンティが丸見えなのだろう、そう圭子は思った。
 目の前の壁にはちいさなガラス窓がある。その向こうは更衣室の建物の壁があるだけで見通しは効かない。用具室と更衣室の間の狭い通路を誰かが通らない限り、そこから覗かれることはなさそうだ。さっき男が出ていったドアは縛られた圭子の真後ろにあり、両手を強く引かれているので、振り返って見ることもできない。

 一瞬、圭子は血の気が引いた。目の前のガラス窓の前を男が通ったのだった。圭子の知っている顔だった。用務員で、鮫津という名だった。初老に近いような歳格好で貧相な感じを圭子はよく覚えていた。声を交わしたこともない。
 その鮫津がガラス窓の外を通り過ぎるのを垣間みたのである。こちらには気づかなかったようだった。
 圭子は助けを求めるべきか迷った。こんな姿を誰にも見られたくなかった。が、自力で脱出できる自信もなかった。
 何とか自分で縄が解けないか、もう一度手をねじるようにして弛めようと試みた。が、縄はかなり念入りに締め込んであり、そう簡単には緩みそうもなかった。
 手首のロープに暫く気を取られていて、目の前のガラス窓からじっと圭子の様子を伺っている鋭い視線にはしばらく気づかなかった。
 食い入るような視線にばったり目があってしまった瞬間、圭子は観念した。
 「た、助けて。. . . お願い。」
 懇願するような目で、鮫津を見て首を垂れた。
 恥ずかしさに目を合わせていることが出来なかった。

 鮫津が窓から消えた。用具室の外側をぐるっと回って来る様子だった。計ったようなタイミングで圭子の背後のドアが開く音がした。
 が、それから暫く沈黙が続いた。

 圭子には自分の痴態を覗かれているのがたまらなかった。
 「お願い、早く解いてください。」
 圭子はただ、そう嘆願するしかなかった。が、鮫津はいっこうに近寄ってこない。どうするか、迷っているのだろうと思った。

 ごくんという喉を鳴らす音が聞こえたような気がした。
 そして、その後すぐ、後ろから圭子の裸の太股の内側を触ってくる皺だらけの掌を感じた。
 「や、やめて。. . . そ、そんなこと、しないで。」
 思わず声を立てた圭子だが、あたりをはばかって大声は上げられなかった。

 「そんなことしたら、あなた、飛んでもないことになるわよ。私、あなたを訴えるわ。首になるわよ。いいの。」
 しかし、男の生理はもう抑えきれないようになっているらしかった。いきなり鮫津は圭子に抱きついてきた。後ろから乱暴に身体をまさぐってきた。さっきの男とは明らかに違った。はあはあという息づかいが荒い。鮫津は完全に理性を失っている様子だった。
 「駄目、だめよ。. . . 今なら許して上げるから。誰にも言わないから。お願いだから縄を解いて。」
 必死に叫ぶ圭子だったが、もう止められなかった。鮫津の右の手が後ろから圭子の下穿きの中に忍び込んできた。せかしない指の動きで圭子の恥毛をまさぐっている。
 後ろで、もう片方の手で、鮫津は焦りながら自分の股間のいちもつを探り出そうとしていた。圭子が身をよじって逃れようとするのが、かえって鮫津に興奮をあたえていた。鮫津がやっとペニスをズボンのチャックからだした。捲り上がったスカートの下の裸の腿にそれが当たったのを感じた。膨れ上がったそのモノはまだしかし、完全に固くはなりきっていなかった。
 鮫津の右手の指が圭子の割れ目を捕えた。ねっとりとそこが濡れているのをもはや隠しようもなかった。
 「ああっ、. . . 。」
 後ろで鮫津が声を上げたと思った瞬間、圭子の内股を生暖かいものが流れた。

 あまりに興奮した鮫津が慌てて果ててしまったのだった。鮫津は狼狽していた。横目で見た圭子の目に、すでに萎え始めた惨めな陰茎を奮い立てようとしている鮫津の姿があった。
 おそるおそる見上げる鮫津の視線を圭子はきっとした目で睨んだ。
 (今、ここで気をゆるしてはいけない。)
 そう思った圭子は勇気を奮い立たせて叫んだ。
 「なによ、もういっちゃったの。駄目なチンポね。貧弱でお粗末なモノね。もう駄目よ。立たないわよ。」
 畳み掛ける圭子の言葉に鮫津のモノはすっかり萎えてしまっている。
 「手を解いて。そうしたら、何も無かったことにして上げる。」
 果たして、それで鮫津がそれ以上何もせずに縄を解いてくれるかは自信がなかった。しかし、圭子にはそうするしか方法がなかった。いつまた、鮫津の男が復活してくるか分からなかった。そうすれば、どうあがいても犯されてしまうだろう。

 その時、ピシッという音が突然した。

 ガラス窓が割れていた。だれかが小石を投げたらしかった。
 鮫津の顔が真っ青になった。圭子も慌てた。
 「誰か居るんだわ。ねえ、早く縄をといて。そうしないと、あなたがしたこと、言うわよ。」圭子は慌てて叫んだ。
 ガラスの割れる音がしたきり、あたりは誰もいないかのように静まり返っている。

 鮫津は、おどおどした様子で後づ去りすると、圭子の背後にまわり、片方の手の縄を緩め始めた。圭子はほっとした。(は、早く。)
 これ以上、誰にもこんな姿は見られたくなかった。

 片方の縄がゆるみかけたところで、鮫津は顔を隠すようにして、脱兎の如くドアへ向かった。ドアが乱暴にバタンと音を立ててしめられるのを圭子は背後に聞いた。

 縄は簡単には解けなかった。が、鮫津がある程度緩めてくれたお陰で、もがいているうちになんとか自分で縄を解くことが出来た。
 脚の縄も外して、コンクリートの床にしゃがみ込んだ圭子の膝はまだがくがくしていた。随分長い間、大きく脚を開いたまま立たされていた為に、足の筋肉が吊りそうに緊張していた。手首にはまだ生々しい縄の痕が残っていた。
 内股の陵辱の痕は、すでに乾いていた。すぐにシャワーで身体を清めたかったが、その前にしておくことがあった。

 圭子は服の乱れを直すと、すぐさま用務員室へ向かった。早く釘を差しておかねばならないと思ったのだ。
 プールから出るとき、あたりを注意して伺ったが、人の気配は感じられなかった。

 用務員室は、プールと反対側の学校の隅の森のようになっている界隈にあった。古い木造の建物は朽ちずにやっと立っているというような代物だった。
 戸はきちっとしまっていた。鍵も掛かっている。が、そこに鮫津が居るのは間違いなかった。圭子が近づくと、中でごそっという音が聞こえたからだった。
 「鮫津さん、居るのでしょう。分かっているわ。」
 圭子は曇りガラスのドア越しに中に向かって喋った。
 「いいこと。この仕事を失いたくなかったら、今日のことは誰にも言わないことよ。あなたがこれから一切黙っていたら、今日のことは許してあげるわ。それから変な気をこれから二度と起こさないことを約束して。そうじゃなかったら、私にも考えがあるわ。いいこと。」
 そう言いおいて、圭子は用務員室を後にした。

tbc


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