逆襲5

妄想小説

恥辱秘書






第九章 美紀の逆襲


 五

 逃げられなくなったところでやっと幸江は意識がはっきり戻った。目の前にストッキングを被った男が立っている。何故か両手の自由が効かず、書棚の柱から身体を動かすことも出来ないようにつながれているのが判った。
 (犯される!)咄嗟にそう予感した。
 「助けてえ~。」
 幸江は大声を上げたが、すぐに矢作の手に口を塞がれた。そしてその口には矢作のポケットからだされた薄汚れたハンカチが詰め込まれた。大声を上げても誰にも声の届かない工場敷地の奥の遠い地下だったが、矢作は幸江の声を封じたかった。
 身をよじって逃れようとする幸江だったが、所詮両手の自由が効かずなす術もなかった。幸江の脚の上にのしかかって蹴り上げるのも封じた矢作は、逸る思いを抑えながら、幸江の胸の釦をひとつひとつ外してゆく。幸江の胸は美紀のほど豊かではない。しかし、剥き出しにされたブラウスの下の下着からこぼれる乳房は十分刺激的だった。胸元をすっかりはだけさせてしまうと、今度は手を下半身に回した。両側からスカートを完全に捲り上げると、残っていた下穿きを一気に引き下ろす。
 下半身の着衣をすっかり剥ぎ取ってしまうと、矢作は縛られて床に括りつけられている幸江の前に一旦立ちはだかった。幸江は膝をたてて、身を防ごうとしているが、股間を隠すことすら出来ない。
 矢作は以前に美紀に蹴り上げられた痛い思いがあるので、十分気をつけて脚が届かないところまで下がってズボンのベルトを外し、チャックを引き下ろす。すでに矢作のモノは硬く屹立していた。蹴られないように十分注意をしながら幸江に近寄ると、さっと幸江の足首を掴む。一旦掴まれてしまうと男の力には勝てなかった。みるみるうちに両脚を大きくVの字に広げられてしまう。その根っこに矢作の熱くたぎる太いものが押し当てられようとしているのを幸江はどうすることも出来ずに見ているだけだった。
 その時突然火災報知器がけたたましい音と立てて鳴り出した。何事かと見上げる矢作の目に、書庫の奥から煙が上がっているのが見える。
 (火事だ。)矢作の頬から血の気が引いた。
 膝まで下ろしたズボンをしっかり引き上げる余裕もなく、両手で掴んで引き上げながら矢作は螺旋階段へ走った。縛られた幸江は、放ったまま目もくれず、一目散に出口を目指す。
 はあはあ、息をしながら何とか扉に辿り着き、渾身の力をこめてノブを引くが、ドアが何故か簡単に開かない。慌てて大きな音を立てながら、必死の形相でドアノブをガチャガチャやっているとだんだん開いてきた。誰かがドアノブに針金を括りつけて簡単に開かないようにしてあったのだ。
 やっとのことで身体が半身出るようになったところで、手を突っ込んで針金に手を伸ばし、それを解きはじめる。やっとのことで針金が外れてドアが開き、外に飛び出て顔を上げた矢作は、初めて真正面に美紀が立っていたことに気づく。そしてその美紀の手にはデジカメが握られていて見上げた矢作に向けて目が眩むようなストロボの閃光が走った。

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